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October 06, 2019

Daily Oregraph: ミヤマニガウリの秋

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 街路樹も色づきはじめ、本格的な秋の到来である。

 先月の下旬から、やっかいな仕事(といっては叱られそうだが)を引き受けたために、一日の大半を、キーボードを打って過ごしている。ドストエフスキーやディケンズともお別れして、当分はとんと色気のない、しかも理系の文章を相手にしなければならない。あんたにできますかいな、といわれてもやるしかない。

 当然頭はスパゲッティになる。散歩には出ない。腰が痛くなる。消費税が上がろうと、売国政権がどうなろうと、おれの知ったことかという気分になる。

 だが、それではいけない。そうだ、幸い天気もよし、わが友ミヤマニガウリを見に行こう。どっこいしょ。

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 さすがに雨風に打たれたせいか、あちこちにぶら下がっていた実はほとんど姿を消し、花も激減したけれど……おお、健気にもまだ咲いていたか。

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 しかも見よ。うかつにも今日まで気がつかなかったけれど、いつも観察している地点からわずか20メートルほどの場所に、これほどの群落が成長していたのである。自分よりも強大な植物を覆いつくすその姿には学ぶべきものがあると、あなたは思わないだろうか。

 ずいぶん以前のことだが、奇特にもミヤマニガウリの研究に没頭していた京大の(院生だったか学生だったかは忘れたが)某君が、調査中に行方不明になったことをネットで読んだことがある。おそらく山中で道に迷ったのであろう。

 ミヤマニガウリに命を捧げた君は、わざわざ深山には分け入らず、わが釧路の平地に来るべきであった。声をかけてくれれば、案内もしてあげただろうし、ステーキは無理にしても、釧路ラーメンの一杯もご馳走してあげられただろうに!

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