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October 27, 2019

Daily Oregraph: 水菜の奇跡

 わが家では今年は不作だったし、ここしばらく部屋にこもって仕事していることが多かったので、しばらく畑を放置していた。もう一ヶ月以上になるかもしれない。

 しかしさすがに気になってきたので、今朝おそるおそる行ってみると……これは驚いた。いや、雑草が増えたことにではない。それは予想していたことだから、やっぱりなあ、とすぐにあきらめがついた。

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 びっくりしたのは、これ。前回見たときは影もかたちもなかったはずの水菜が、はびこる雑草の間に、いつの間にか大きく成長していたのである。東夷に囲まれた京水菜。

 写真ではわかりにくいかもしれないが、わが家の収穫としてはものすごい量であって、容器からはみ出している。手にするとずしりと重い。

 収穫が遅くなりすぎて、茎はやや固くなっていたけれど、立派に晩飯のおかずの役目を果たしてくれた。こういううれしい驚きは、しょせん上級国民にはわかるまい。ざまあみろ(笑)。

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October 24, 2019

Daily Oregraph: 冬遠からじ

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 本日の船上セキュリティチェックポイント。

 これは夕方近くに撮ったもので、めずらしくコックさんが出てきて、なにやらおしゃべりをしていた。もう晩飯の支度はすんだのかな?

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 この椅子、いい。絵でいえばヘタウマの味がある。もちろん坐ってみた(笑)。釧路の港に詳しい方なら、影の方向からお気づきのとおり、朝撮影したものである。

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 16時12分。日が短くなった。もう冬はそう遠くはない。

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October 17, 2019

Daily Oregraph: 目玉焼きの味

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 10月16日17時50分。気温14度。

 いつものパターンではあるが、橋を渡れば、なにが待っているかというと……

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 カキの茶碗蒸し。いうまでもなく、美味であった。こいつには日本酒だろう、と思うのは素人の浅はかさ。達人は黙って芋焼酎 on the rocks を味わうのであった。

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 これはメンメ。今や超高級魚に出世したけれど、昔はたくさん獲れたから、庶民の魚だったのである。このサイズだと、ギョッとするくらいのお値段にちがいない。

 このほかにもご馳走が三皿も出たのだが、とても食べきれなかった。同席したN氏はもりもり食べていたが、こちとら年だから、胃がまったく受けつけないのである。

 ぜひともあれが食いたい、これを飲みたいという欲が、このところ急速に失せつつある。人様がご馳走を食べていても、ちっともうらやましくない。

 庶民がなにかの記念日に財布をはたいてご馳走を楽しむのならもちろん話は別だけれど、だれかの太鼓持ちをして、「へへ、これは乙でげすな」とヘラヘラ笑いながら、超高級ランチを食って得意がっている連中など、いい年をしてバカじゃないかと思うだけである。

 目玉焼きをしみじみうまいと思って味わう(笑)心境など、おまえたちにはわかるまい。

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October 10, 2019

Daily Oregraph: をかしきこと

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 神奈川県のAさんが、ありがたいことに、今年もどっさり落花生を送ってくださった。こいつの塩茹でをモグモグやりながら、今この記事を書いている。

 さて相変らず色気のない論文と格闘して疲れたから、中川@やたナビさんのツイッターに紹介されていた『宇治拾遺物語』中の「河原院での宇多天皇と源融の幽霊とのバトル」(笑)をさっそく拝読した(どうもありがとうございます)。なにしろぼくは、河原院跡に二度も足を運んだほどの、奇人源融ファンなのである。

 ちょっとだけ勝手に引用させていただくと、(融の左大臣は)「陸奥(みちのく)の塩釜(しほがま)の形(かた)を作りて、潮(うしほ)を汲み寄せて、塩を焼かせなど、さまざまのをかしきことを尽して住み給ひける」というのだが、問題は「をかしき」である。

 驚くなかれ、三千人もの人足を使って塩を焼いたというから、話半分としたって、当時の人々から見ても尋常のふるまいではあるまい。まさか「趣がある」などという人がいたとは思われず、21世紀のぼくと同じく「ヘンテコな」と思ったにちがいない。一筋縄ではいかない京都人のことだから、当時どんな陰口を叩いたものか、想像するだけでおかしくなってくる。

 そんな変人だから、天皇さんに向っても傍若無人のふるまいをするのかというと……二人のバトルについては、中川さんの校訂本文をぜひお読みいただきたいと思う。もうからないお仕事をコツコツとつづけておられる中川さんもまた、奇人というべきであろう……というのは、もちろんほめているのである。鴨川のほとりで塩を焼くよりは、千倍も世のためになるのだから。

【10月14日 追記】

 六条河原院跡については、現地案内板の写真を掲載した2014年の記事をご参照いただきたいと思う。また案内板にも記されている「本塩竈町」については2017年の記事をごらんいただきたい。

 なお京都見物の機会があったら、ぜひ河原院跡を訪れていただきたいものである。特に観光客だらけの名所にうんざりされた方にはおすすめである。

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October 06, 2019

Daily Oregraph: ミヤマニガウリの秋

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 街路樹も色づきはじめ、本格的な秋の到来である。

 先月の下旬から、やっかいな仕事(といっては叱られそうだが)を引き受けたために、一日の大半を、キーボードを打って過ごしている。ドストエフスキーやディケンズともお別れして、当分はとんと色気のない、しかも理系の文章を相手にしなければならない。あんたにできますかいな、といわれてもやるしかない。

 当然頭はスパゲッティになる。散歩には出ない。腰が痛くなる。消費税が上がろうと、売国政権がどうなろうと、おれの知ったことかという気分になる。

 だが、それではいけない。そうだ、幸い天気もよし、わが友ミヤマニガウリを見に行こう。どっこいしょ。

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 さすがに雨風に打たれたせいか、あちこちにぶら下がっていた実はほとんど姿を消し、花も激減したけれど……おお、健気にもまだ咲いていたか。

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 しかも見よ。うかつにも今日まで気がつかなかったけれど、いつも観察している地点からわずか20メートルほどの場所に、これほどの群落が成長していたのである。自分よりも強大な植物を覆いつくすその姿には学ぶべきものがあると、あなたは思わないだろうか。

 ずいぶん以前のことだが、奇特にもミヤマニガウリの研究に没頭していた京大の(院生だったか学生だったかは忘れたが)某君が、調査中に行方不明になったことをネットで読んだことがある。おそらく山中で道に迷ったのであろう。

 ミヤマニガウリに命を捧げた君は、わざわざ深山には分け入らず、わが釧路の平地に来るべきであった。声をかけてくれれば、案内もしてあげただろうし、ステーキは無理にしても、釧路ラーメンの一杯もご馳走してあげられただろうに!

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