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September 24, 2019

Daily Oregraph: 日はまた暮れる

190924_02

 今日はまたミヤマニガウリ観察日記を書こうと思っていたのだが……

 ぼくはもともと(党派を問わず)政治家という人種が嫌いである。だから政治の話なんぞしたくない。もし連中が余計なことをして他人に大迷惑をかけないのなら、つまり天下泰平なら、けっして話題にはしないだろう。

 多少税金をちょろまかして、たまに飲み食いするくらいは(笑)、役得として大目に見てやってもいいと思う。エルキュール・ポワロのセリフじゃないけれど、それが "Human nature." つまり人間なんてたいていそんなものだからである。清廉の鎧で身を固め、潔白のおしろいで仕上げたような人々の集団というものは、想像するだけでウソくさく、薄気味の悪いものだ。

 しかしものにはほどというものがある。

 調子に乗りすぎて悪事のかぎりをつくし、越後屋学園の理事長といっしょに、座敷でご金藏からこっそり持ち出した小判を数えていると、時代劇なら桃太郎侍が乗り込んで見得を切ったり、座頭市が「てめえたちは生かしちゃおけねえ」といいざま仕込みを抜くところなんだが、21世紀の文明社会ではそんな乱暴な真似はもちろんゆるされない。

 だが、待てよ……

 金に困った爺さんがコンビニでパンを盗んだとしたら、ああ無情、あっさり御用になるばかりか、ヤジを飛ばしただけで岡っ引きにどやされるというのに、補助金詐欺はもちろん、婦女暴行を働いても、人をひき殺しても、しょっぴかれずにお天道様の下を堂々と歩いている連中がいるとはどうしたことだろうか。

 ここははたしてほんとうに野蛮国じゃなくて文明国なのだろうか? え、日本の夜明けは近いって? 冗談じゃない、とっくにまた日は暮れちまったよ。

 先日神田明神下を通りかかったら、親分がこぼしていた。

 -お上が御法を曲げるようじゃ世も末だぜ。おれもそろそろ身の引きどきかも知れねえなあ。

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