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September 30, 2019

Daily Oregraph: なぞのツブツブ

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 本日の船上セキュリティチェックポイント。

 ごらんのとおりの上天気で、最高気温も23.1度まで上がり、ひさしぶりに汗をかいた。夏の残党が小規模の反乱を起こしたらしいけれど、気の毒なことに、たちまち鎮圧されてしまうにちがいない。

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 本日のランチには謎のスープが出された。なかなかの美味である。牛肉はもちろんすぐにわかったが、たくさん浮んでいる長楕円形の粒々が謎である。穀物にしては煮崩れもないし、食感はツルツルの一点張りである。

 「これはなんだい?」とたずねたら、「グーズだ」という。あとで調べればすぐにわかるだろうと思って、スペルを確認しなかったのが失敗だった。

 思いつくすべてのスペルで検索しても出てこない。ひょっとしたら「グズ」かも知れないと、さらに調べてもダメ。

 わからないままでは気分が悪いから、いろいろ考えた末にたどり着いたのが「クスクス」である。「グズグズ」でなく「グーズまたはグズ」なのは気になるけれど、ツルツルしているところもパスタの特徴だし、ありえない話ではないと思う。問題は粒のかたちのちがいだが、クスクスにもバリエーションがあっておかしくはないだろう。

 そんなわけで、クスクスの一種または親戚だろうという結論に落ち着いたけれど、どうも不安である(笑)。どなたかご存じの方がいらしたら、ぜひお教えいただきたいと思う。

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September 24, 2019

Daily Oregraph: 日はまた暮れる

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 今日はまたミヤマニガウリ観察日記を書こうと思っていたのだが……

 ぼくはもともと(党派を問わず)政治家という人種が嫌いである。だから政治の話なんぞしたくない。もし連中が余計なことをして他人に大迷惑をかけないのなら、つまり天下泰平なら、けっして話題にはしないだろう。

 多少税金をちょろまかして、たまに飲み食いするくらいは(笑)、役得として大目に見てやってもいいと思う。エルキュール・ポワロのセリフじゃないけれど、それが "Human nature." つまり人間なんてたいていそんなものだからである。清廉の鎧で身を固め、潔白のおしろいで仕上げたような人々の集団というものは、想像するだけでウソくさく、薄気味の悪いものだ。

 しかしものにはほどというものがある。

 調子に乗りすぎて悪事のかぎりをつくし、越後屋学園の理事長といっしょに、座敷でご金藏からこっそり持ち出した小判を数えていると、時代劇なら桃太郎侍が乗り込んで見得を切ったり、座頭市が「てめえたちは生かしちゃおけねえ」といいざま仕込みを抜くところなんだが、21世紀の文明社会ではそんな乱暴な真似はもちろんゆるされない。

 だが、待てよ……

 金に困った爺さんがコンビニでパンを盗んだとしたら、ああ無情、あっさり御用になるばかりか、ヤジを飛ばしただけで岡っ引きにどやされるというのに、補助金詐欺はもちろん、婦女暴行を働いても、人をひき殺しても、しょっぴかれずにお天道様の下を堂々と歩いている連中がいるとはどうしたことだろうか。

 ここははたしてほんとうに野蛮国じゃなくて文明国なのだろうか? え、日本の夜明けは近いって? 冗談じゃない、とっくにまた日は暮れちまったよ。

 先日神田明神下を通りかかったら、親分がこぼしていた。

 -お上が御法を曲げるようじゃ世も末だぜ。おれもそろそろ身の引きどきかも知れねえなあ。

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September 19, 2019

Daily Oregraph: 斜陽

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 秋風が吹いていた。斜陽の国ニッポンの野にも、海にも…… そしてもうすぐ日が暮れる。

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 この方のおっしゃるとおり、数字がすべてを物語っている。「国益」なることばにだまされてはいけない。主権在民の国では国益=民益であるはずなのに、一部利権屋たちの利益が国益という便利なことばにすり替えられ、それを守れといわれたって、奴隷じゃあるまいし、ハイハイと従うわけにはいかないではないか。

 ここまで腐りきった政権をいま支持することは、いわば犯罪に荷担することであり、あなたの仲間たちを裏切ることにも等しいとぼくは思う。もっともあなたがいわゆる上級国民なら(笑)、話は別だけれど。

 どこぞの官房長官はこのたびの「災害発生前から政府一体となって警戒体制をとり適切に対策を講じてきたなどとして、問題はなかったという認識を示しました」そうである。NHKの大本営発表から引用したのだからまちがいない。

 しかし問題があったかなかったかを判断するのは、あなたじゃなくて国民、とりわけ被災地の方々だろう。かんちがいするんじゃないよ。

 -いいですか、坊や、大きくなったら、あんな大人になってはいけませんよ。

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September 14, 2019

Daily Oregraph: 秋風吹く

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 移転した道銀釧路支店の跡地が有料駐車場になっていた。北大通の駐車場なんてたいして儲かる商売とも思えないのだが、またひとつ増えたことになる。まばらになったビルとビルの間の荒野に秋風が吹く。

 地方都市というより、衰退しつつある日本の現状を象徴しているような気がしてならない。東京は景気がいいなどと思っている楽天的なお方は、オリンピック後の惨状を見てビックリされぬよう、今から覚悟しておいたほうがよろしいかと……

 十月からは消費税10%、バカなことをするものだ。おまえ、経済学もわからんくせに余計なことをいうな……とおっしゃるかもしれないが、ちょいと待った。

 税金は上がる、収入は増えぬでは、使える金が確実に減るんだから、冷えこんだ内需がさらに落ちこむことは、小学校の算数でわかる理屈である。微分方程式を操ることは得意でも、四則演算の不得意な秀才がいるんだから、ハハのんきだね。

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September 12, 2019

Daily Oregraph: 釣れましたよ

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 今度は岸壁に降りてきて釣り三昧らしい。大物が釣れるかどうか、三友亭さんならずとも興味がおありだろうから、バケツの中をのぞいてみると……

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 釣果はごらんのとおり。たぶんイワシだろうが、体長20 cmほどだから、この竿としてはまずまずじゃないかと思う(なおピンぼけかつブレているのは、暗かったからである)。

 しかしこれだけではとても乗組員全員の口には入るまい。気の短いぼくなら、網を使いたいところである。

 さて一等航海士が「出港は何時になるかなあ」と(英語で)いうから、しめたと思って(笑)「我不知道」と答えると、「あんた中国語を話せるのか!」と目を丸くした。ああ、バカのひとつ覚えの悲しさ、とても話せるものですか。

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September 11, 2019

Daily Oregraph: 釣れるかな?

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 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。必要最小限、鴨長明好みの質素なデスクである。

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 おやおや、釣りですか。この竿では大物は釣れないだろう……などとノンキなことをいってる場合じゃなかった。仕事、仕事。

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September 08, 2019

Daily Oregraph: 相生坂ひとり植物観察会

 ミヤマニガウリを見物しに相生坂までやって来た。(頭の出来はともかく)金だけはふんだんにある上級国民に対抗するのはむずかしいけれど、貧乏な下級国民は金のかからぬ高尚な趣味(?)を持っているんだから、すごいですねニッポン。

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 やあ、よくもまあ、補助金なしで立派な群落に成長したものだ。あっぱれ。

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 まだ花は終っていないどころか、花盛りといってもいいくらいだ。前回はチラホラと咲いているだけだったのに、あっちにもこっちにも小さな白い花が見える。

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 秋だからもちろん実はたくさんぶら下がっている。こいつを見ると、飄然ということばが浮んでくる。

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 せっかくだから、実をもう一つ。花がしぼんで実の膨らんでいる様子がよくわかると思う。ぼくはまだ味見したことはないけれど、どこかの先生が試してみた結果、苦い顔をしてミヤマ「ニガウリ」と命名したんだろう。

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 帰り道に坂の途中でみつけたのがエゾトリカブト。去年まではわが裏庭にも咲いていたのだが、今年は見かけない。有毒だが花は美しい。

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September 05, 2019

Daily Oregraph: おれが歩けば……

 臨港鉄道の線路が姿を消したと思ったら、今度は近所の銭湯が取り壊された。これまた長いつきあいだから、ちょっとショックである。

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 こちらは2000年8月13日に撮影した写真。角の薬屋さんは銭湯よりもだいぶ前に姿を消している。

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 これが本日の夕方撮影したもの。なんとなく別の町に来たような感じさえする。

 長年同じようなコースを歩いているうちに変わるのは景色だけではない。音もまたそうだ。

 たとえば次の角を曲がると、やかましく吠える犬がいるとしよう。犬の姿は見えないけれど、ぼくが通りかかると必ず吠える。犬の分際で無礼なやつだが、毎度吠えられると、「おれが歩けば犬が吠える」という一種の法則のようにも思えてくる。そろそろ吠えるぞと身構えたとたんにワンワンとくるのである。

 それがある日ぴたりとやむんだから、諸行無常である。ふつう人間様のほうが犬より寿命が長いから、それも当然かも知れないが、ハハア、あいつとうとうあの世へ行ったか、と思う。

 気分がせいせいしないといえばウソになるけれど、ワンワンいう声が聞こえなければ聞こえないで、しばらくの間妙な気分になるものだ。法則に従って吠えてくれなくては困る、と思うのである。

 線路も消える。銭湯も消える。犬も吠えなくなる。ああ、残ったのはおれだけか……

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