Daily Oregraph: 不健康列島
昨日は通院の付添いになんと約六時間(!)を要し、ぐったり疲れてしまった。患者自身は疲労困憊して今朝はいつもの時間に起きられなかったし、ぼくも(ジジイだから)まだ疲れが十分抜けていなかった。
病院が健康人の具合まで悪くするとは皮肉な話だが、公平に観察すると、お医者さんもまた相当疲れていることがわかる。ゆっくり昼食を味わうひまもなく患者をみつづけるのだから、かなりストレスがたまっているにちがいなく、まことにお気の毒である。なにもせずに付き添うだけで文句をいってはバチがあたりそうな気分になるのも無理はない。
どうしてこんなにいるのだろうかと呆れるほどの病人で、待合室はあふれ返っている。患者はまな板の上の鯉だから、いくら待たされてもじっと辛抱するしかないけれど、付添い役はたまったものではない。しかたがないと頭でわかってはいても、だんだん腹が立ってくる(笑)。
やっと検査や診察が終っても、(病院によっては)会計でまたたっぷり待たされる。一時間以上かかることさえある。癇癪が破裂しそうになる寸前で名前を呼ばれ、無事処方箋を受け取ったら、今度は薬局が控えている。
最近配達サービスしてくれる薬局に切り替えてから楽になったけれど、それまでは薬局で一時間半待たされたこともある。この日ももし薬局で一時間待ったとすれば、合計七時間にもなったわけだ。
七時間も病院と薬局で過ごすのだから、うんと具合が悪ければ、途中でバッタリ倒れても不思議はない。もしも院内で倒れたが最後、いつ帰れるかは神のみぞ知るだから、コンビニで買物をしたくらいふくらんだ袋一杯の薬をぶら下げて帰宅できた人は、身の幸運を天に感謝しなければならない。
地方から通院する人々はもっと悲惨である。早朝家を出て診察をすませ、帰宅する頃には冬場なら外は真っ暗になっているはずだ。それでも一人で通院できるうちはまだいいとして、付添いが必要だったらどうするのだろうか?
患者もくたびれ、医師も疲労し、付添い役の気力まで奪うというこの高齢不健康列島で、「人生百年型年金」などと抜かす、どこぞのバカ息子である二世政治家(だれかわかりますね(笑))を、ぼくはゆるさない。
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