Daily Oregraph: 最後の一棟
釧路東港中央埠頭の西側岸壁に残った倉庫最後の一棟。すでに二棟が解体され、残ったこの一棟も解体されているのは知っていたけれど、ひさしぶりに通りかかったら、ずいぶん工事が進んでいたのには驚いた。
ちょうど昼休みで工事が中断されていたから、工事車両の出入口からちょっとだけ中をのぞかせてもらった(内部へは立入禁止だから念のため)。弥生中学校校舎の解体のときにも思ったのだが、滅びゆく建物には、刻々と姿を変えていくだけに、一種のはかない美しさがある。滅びの偶然芸術だな。
窓から見える最後の一葉に自分の命を託したのは、オー・ヘンリーの短編中に登場する病人であった。まさか倉庫最後の一棟におのれの運命を重ねているわけではないが(笑)、ああ、とうとうこいつも姿を消すのか……という一抹のさびしさは否定できない。
で、からっぽになったら、西側岸壁はこれからどう利用されるのか? 全国の読者諸君もきっと興味をお持ちのことと思う(?)。わかったらお知らせするので、あてにしないでお待ちいただきたい。
Comments
見慣れていた光景が少しずつ失われてゆくってのは、なんか寂しいですよね。
奈良のほうでも同じようなことが進行しつつある場所が幾か所か・・・
仕方ないんですけれどね。
Posted by: 三友亭主人 | May 24, 2019 22:45
>三友亭さん
> 仕方ないんですけれどね。
ほんと、そのひと言に尽きますね。滅せぬもののあるべきか、ですよ。
Posted by: 薄氷堂 | May 25, 2019 10:52