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May 30, 2019

Daily Oregraph: 緑の季節

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 相生坂東側。いよいよ本格的な緑の季節になった。

 本日の最高気温は気象台の記録では16.9度だというのだが、ほんまかいな? 少し風はあったが、天気はよし、さわやかな散歩日和であった。

 せっかく歩いて気分爽快になったというのに、最近のニュースを見ているとうんざりする。ハムレット王子のセリフではないが、どうやらこの世の関節が外れてガタが来たらしい。

 ガタが来ているのだから、「それを正すべくおれはこの世に生を受けたのだ!」とは、さすが王子にふさわしいセリフである(小田島雄志氏の訳を拝借)。わが国のアベさんにも、一国の首相たるもの、ウソでもいいから(笑)そういう決めゼリフをいってほしいものだが、ダメだありゃ。

 あの目に余るへつらいぶりには、あまりご立派とはいえぬ飼主であるトランプ氏でさえ心底軽蔑しているにちがいない。このバカめ、と思っているはずだ。せめて飼主が無法を行ったら手を噛むくらいの気概がなくてはいけないのに、あれではいかにも情けない。

 快適な緑の季節だというのに、頼むよ、ほんとに、恥ずかしいんだからさ。 

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May 26, 2019

Daily Oregraph: 釧路に夏が来た

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 白妙の衣は干していないけれど……相生坂に夏が来た。

 本日の最高気温は24.0度。ちょうどいい気温ではないか。散歩をすると、途中からうっすら汗がにじんでくるけれど、少し風があるからまことに気持がいい。

 帯広では38.8度、いつもは涼しい根室でも34.0度だったから、釧路がいかに快適な町であるかおわかりいただけることと思う。避暑に行ける金持でなくとも、みんな平等にこの涼しさが味わえるという、わが国屈指の民主的都市である。

 珍無類のでかい笠をかぶって暑さをしのごうという(よくもまあ、あんなバカなことを考えついたものだ)どこぞの暑苦しい大都会を脱出して、あなたも釧路にいらっしゃい。

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 近所のお宅のユキヤナギ。わが裏庭のものより枝ぶりがよかったので、勝手に撮影させていただいた。当社大阪通信員君がユキヤナギの写真を送ってくれたのは3月20日だから、こちらは2ヶ月以上遅れている。

 すなわち遅咲きの花というわけだが、これはほめことばである。この涼しさが幸いして、いずれ釧路が脚光を浴びる日もくるであろう。遅咲きの町というわけだ。

 特にこの冷涼な気候は勉学には最適だから、ロシア圏を視野に入れた国際大学都市を目指すのも悪くはない。九州の大分に APU という大学があるんだから、North Pacific University (略称 NPU)というのはどうだろう(どうせホラを吹くならこのくらいでなくちゃね(笑))。

 あ、釘を刺しておくけれど、一儲けをたくらんで補助金詐欺をしてはいけませんぞ。

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May 24, 2019

Daily Oregraph: 最後の一棟

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 釧路東港中央埠頭の西側岸壁に残った倉庫最後の一棟。すでに二棟が解体され、残ったこの一棟も解体されているのは知っていたけれど、ひさしぶりに通りかかったら、ずいぶん工事が進んでいたのには驚いた。

 ちょうど昼休みで工事が中断されていたから、工事車両の出入口からちょっとだけ中をのぞかせてもらった(内部へは立入禁止だから念のため)。弥生中学校校舎の解体のときにも思ったのだが、滅びゆく建物には、刻々と姿を変えていくだけに、一種のはかない美しさがある。滅びの偶然芸術だな。

 窓から見える最後の一葉に自分の命を託したのは、オー・ヘンリーの短編中に登場する病人であった。まさか倉庫最後の一棟におのれの運命を重ねているわけではないが(笑)、ああ、とうとうこいつも姿を消すのか……という一抹のさびしさは否定できない。

 で、からっぽになったら、西側岸壁はこれからどう利用されるのか? 全国の読者諸君もきっと興味をお持ちのことと思う(?)。わかったらお知らせするので、あてにしないでお待ちいただきたい。

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May 19, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 花見ノンアルコール

 ここ数日冴えない天気が続いていたけれど、本日は上天気の花見日和である。

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 エゾヤマザクラは早くも散りはじめていた。木が弱ってきたためか、全体にボリューム不足だから、もっとも花の多そうなところにレンズを向けた。釧路の桜は花と葉が同時に開くので、本州以南の桜とは見え方がちがうと思う。

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 こちらはチシマザクラ。花はエゾヤマザクラよりもやや小さめで、かなり白っぽい。この木はすでに相当衰弱しているとみえて、この付近にしか花が咲いていなかった。電線を入れぬように撮るにはこの角度しかなく、左上に例のナナカマドの葉が入ってしまった。

 悲しいことに、どちらのサクラも老いぼれてきたから、数年後には始末する必要があるかもしれない。もし花咲か爺さんがいたら再生をお願いしたいところである。

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 オオバナノエンレイソウとニリンソウは今が見ごろ。ユキヤナギも咲きはじめたけれど、写真を撮るにはまだ少し早い。

 せっかくの花盛りだというのに、午後から外出するので花見酒は自粛した。花見は夜桜にかぎる、という友人もいるのだが、あなた、夜はまだ寒いんですよ。熱燗をつけろとでもいうのですか(笑)。

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May 18, 2019

Daily Oregraph: 新しい桟橋から

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 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。

 「こら、勝手に入ってはいかん」と注意している……わけではない。

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 うっすら霧がかかっていたためくすんで見えるけれど、本日の釧路西港はなかなか賑わっていた。写真は第2埠頭の海側に新しくできた桟橋から同埠頭南側岸壁を撮ったもの。今までとはちがった景色が撮れるようになった。

 ふだんここに立ち入るには許可証が要るけれど、6月には釧路港湾協会主催の見学会があるらしいから、興味をお持ちの方は参加されてはいかがだろうか。なかなかおもしろい場所である。

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May 13, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 開花宣言

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 予想より一日早く開花宣言。といっても、咲いたのは全体の一割未満だから、満開はまだ先である。

 エゾヤマザクラの下で元禄花見踊を踊りたいという酔狂な方は、今から準備されても十分間に合うと思う。

 ニリンソウとオオバナノエンレイソウの見ごろはやはりあと数日後になりそうだが、毎年今の時期はネタに困らないから、大いに助かる。

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May 12, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 植物観察会

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 今朝のエゾヤマザクラ。9日の写真と見くらべていただきたい。開きたがってウズウズしているのだが、あと二日くらいかかるのではないだろうか。

 よくよく木を見ると、まったくツボミのない太い枝が一本あったから、バッサリ払ってしまった。枯死したらしく、ちょっと力を加えると、小枝は簡単にポキポキ折れてしまう。全体に傷んでいるようなので、この木もいずれ寿命が尽きるのかもしれない。ぼくとどっちが先か、勝負だな(笑)。

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 数日気温が低かったせいか、ニリンソウもまだまだ満開にはならない。これも9日の写真と同じ株だから、比較してごらんいただきたい。

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 オオバナノエンレイソウも半分ほど開花したけれど、まだ半乾きの洗濯物みたいで、ちょっと元気がない。

 観察の結果、エゾヤマザクラの開花とともに、ニリンソウとオオバナノエンレイソウも見ごろを迎えるだろうという結論に達した。

 右ご報告申し上げ候。

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 ついでながら、これらの大きな葉っぱはギョウジャニンニクである。こちらはずいぶん威勢よく見える。毎年のことだが、わが家では花の観察を目的としているから、山菜として食べることはない。

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May 10, 2019

Daily Oregraph: 古本物語

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 本日古本屋で拾ったのはこれである。えらい先生の著書ゆえぼくも存在を知ってはいたが、学生時代は筋金入りの怠けものだったから、もちろん読んでいるはずもなく、罪滅ぼしになろうかと、神社にお賽銭を上げるつもりで(笑)300円を支払った次第。

 この手の古本を買うと気になるのが持主である。定価1.600円といえば安価だと思うかもしれないけれど、昭和40年発行だから、結構なお値段と考えたほうがいい。今ならまず五千円は下るまい(立派な造りの大著だからもっと高価ではないか)。ふつうのサラリーマンなら、当時買おうか買うまいかちょっと迷う額であったはずだ。

 まず英語の先生あたりが候補に浮ぶけれど、奥付に押してある赤いスタンプを見ると、「釧(路)□□字」という文字が読み取れる。

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 そして、これ。そう、図書館である。では、どこの図書館だろうか? なお「大正堂」という書店をぼくは記憶していないが、Google で検索すると「釧路市詳図 (大正堂書店): 1932」というのがヒットするので、少なくともかつて釧路市内に存在したことはまちがいない。

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 本文をぱらぱらめくっていたら「釧赤看学」の文字を発見。奥付に見える「字」と組合わせると「赤十字」であろうと推測できる。してみれば「釧路赤十字看護学校」だろうか?

 検索してみると「釧路赤十字看護専門学校」はヒットするのだが、どうも詳しい情報が見当たらない。関連する項目を探してみると、ウィキペディアの「日本赤十字北海道看護大学」(1999年に北見に設置)の項目が参考になった。以下同項目から引用する(太字は薄氷堂)。

 北海道における日本赤十字社の救護看護師養成は、1894年(明治27年)に始まる。これまで旭川(1923年開設)、北見(1939年)、伊達(1944年)、釧路(1966年)、浦河(1990年)にそれぞれ赤十字看護専門学校が開校され、看護師を養成していた。 当初、釧路市に開校の打診があったが、綿貫釧路市長が財源がないことを理由に独断で拒否、結果的に立地の機会を喪失した。

 1999年の日本赤十字北海道看護大学開学に伴い、北見、旭川、釧路の赤十字看護専門学校がそれぞれ統廃合され、現在は伊達と浦河の2校で看護師養成が行われている。

 つまり釧路赤十字看護専門学校は1966(昭和41年)に設置され1999(平成11年)に閉校になったらしい。ぼくの買った本には「廃」の字のスタンプが押してあるから、閉校になったときに図書館の蔵書を処分したにちがいない。

 ついでにご紹介すると、Google の検索結果にこういうのがあった。

 釧路赤十字看護専門学校同窓会は、今後、同窓会の維持が困難になるため2010年11月6日(土)の同窓会総会で承認を得、解散いたしました。

 母校を失うというのは悲しいことだ。ホロリとさせられる話である。

 さてこれで出所はわかった。看護専門学校では英語も教えていたのだろう。斎藤先生の文学史は(失礼ながら)若い学生諸君の手に負えるような書物ではないから、たぶん英語担当の先生が図書館の予算を使って、ご自分の欲しい本を注文されたのだろうと思う。

 いや、それを悪くいっているのではない。お金の使い途としてはまちがっていないからである。図書館にはまともな本がなければならない。大きな大学の図書館ではなく、地方都市のささやかな学校図書館の本棚に斎藤勇の『イギリス文学史』が置かれていることは誇っていいと、ぼくは思う。学生のだれかがそれを開いて、「ああ、こんな世界もあるのだ」と知り、「私たちの学校にはこういう本だってあるのだ」と思うだけでも、図書館予算1,600円分の価値は十分にある。

 その立派な本をわずか300円の叩き売りで買ったぼくは、先ほど少しだけ読んでみたのだが、名著だと思う。文章はけっしてえらそうな学者風ではなく、明快でまことに読みやすく、通りいっぺんの解説調とは無縁だし、静かな情熱さえ感じられる。

 本は増やしたいどころか、どんどん捨ててしまいたいのだが、つい…… これもなにかの縁というやつか。

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May 09, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 桜はまだかいな

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 昨日はすべてツボミだったニリンソウが一輪だけ開花した。オオバナノエンレイソウと咲きそろったときが見ごろなので、あらためて写真を撮ることにしたい。

 今日の午後、釧路市内の鶴ヶ岱公園でも、日本一遅いサクラ(エゾヤマザクラ)の開花が発表された。しかし日本一の栄誉はたぶんわが裏庭のエゾヤマザクラのものであろう。

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 このとおり、少なくともあと数日はかかりそうだが、開花したらお知らせするから、お酒を持っていらっしゃい。貧乏花見もまたオツなものです。

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May 05, 2019

Daily Oregraph: 定期コース復帰

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 ほんとうにひさびさの定期散歩コース。快晴、寒くなく暑くなく、風はあるが強からず、まことに快適である。

 あちこち緑が目立ってきた。季節の移り変わりを味わうには、やはり歩くのが一番である。

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 この線路もいずれ撤去されるんだろうと考えながらカーブを曲がると、沖に停泊する船が見えた。ハッチは五つ。いわゆるハンディ・バルカーだが、ここで化学肥料でも揚げるのかな。

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 もう一つカーブを曲がると、プーンと磯の香りがしてきた。あまりにも強烈だったから崖の下を見ると、匂いの出所はみごとな昆布である。これだよ。これはね、山間の盆地に暮していちゃ嗅げない匂いなんだ。千金の値があると思う。

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 知人の砂浜でもやっと緑が優勢になってきた。やがて来る短い夏の前ぶれといったところだろうか。

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 おやおや、フキノトウがこんなに伸びている。

 結局歩きながらたいしたことを考えているわけではない。へえ、ほんとに季節が変ったなあ、とあたりまえのことに感心しているだけである。しかし理屈を排除して景色をありのままに受け入れるというのは、案外禅の境地に近いかもしれない(笑)。

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May 04, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 カタクリ

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 今年も咲いた、いや、咲いてくれたカタクリ。「ひょっとしたら、今年は咲かないんじゃないか」と心配していたから、まことにめでたい。

 「鱗茎から良質のでん粉が取れる。しかし普通町で片栗粉といって売っているのはジャガイモのでん粉である(『牧野 新日本植物図鑑』より)」というのだが、カタクリからでん粉を取るなど、もったいなくてとてもできるものじゃない。

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 こちらはオオバナノエンレイソウ。もうじき開花しそうな勢いである。

 ここしばらくは好天がつづきそうなので、野菜の種をまいた。ナナカマドの枝も始末したし、ちょいと気分がいい。このところ散歩をさぼっているから、そろそろ歩かなくちゃ。

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