Daily Oregraph: 0.9度のぬくもり
昨日の午後に降った雪はわずか1センチほどだから、シュトーレンにまぶした粉砂糖のようなものであった。必要もないのに雪かきしたのは、われながら立派である。
日中はひさびさに気温が上がり、ごらんのとおり、道路の雪はかなり融けている。よほど暖かいだろうと思いのほか、最高気温は0.9度にすぎなかった。つまりわずかでもプラスだとまるでちがうのである。
さてこんな低調な記事ばかり書いていると、あいついよいよボケはじめたかと疑われそうだけれど、当分は大丈夫じゃないかと思う。なにしろケンブリッジの先生が書いた『価値と分配の諸理論』という恐ろしい(笑)専門書と、奇人イヴリン・ウォー(ご存じかな?)の小説を併読するという無鉄砲な真似をしているのである。
どこまで理解できたかは別として、アダム・スミスは一応読破したけれど、経済学は純然たるど素人だから、リカードだのシュンペーターなどといわれても、そういえばどこかで名前を聞いたなあという程度にすぎない。まだ十分の一しか読み進めていないが、これまでに理解したのは、リカードという人はなかなか偉い人物だということだけである(正直に恥をさらしているのだ)。この先どうなるかはまったくわからないが、単語だけは記録したいと思っている。
ウォーは過去にいくつか読んでいるが、今手にしているのは「戦争三部作」のひとつ『士官と紳士』で、いやこれがなかなか読ませるのには驚いた。無類のおもしろさなのである。日本の戦争小説に見られる暗さや悲壮さはまるでなく、戦争を賛美しているわけではないけれど、ユーモアたっぷりで、いわば余裕派といってもいいのではないか。とにかく人物描写とセリフ回しが抜群にうまい。
ブログが低調なのは、雪かきと読書のせいだとご理解くだされば幸いである。
Comments
薄氷堂さん、こんにちは。
0.9度で温かく感じるのは実にわかります。
氷点下の外で作業して帰ってくると、
4度の冷蔵庫が暖かくてうれしくなりました。
いま、液体物や生鮮食品を冷蔵庫に入れますが、
凍りつかぬように「温蔵」するためです。
台所の流しに置いた洗い物に張った水が、
凍りついてしまうこともしばしばです。
Posted by: 只野乙山 | January 26, 2019 00:47
>只野乙山さん
そういえば、乙山さんも今や北国の人でしたね。秋田は雪が多いから、釧路より大変でしょう。
今日は最高気温1.0度、0.1度分だけ余計に雪が融けました(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | January 26, 2019 17:15