Daily Oregraph: 迷い雪
う~む、どうしようかなあ……と、ひさびさに降った雪はほんのわずかだったから、雪かきすべきかどうか大いに迷ったのも無理はない。
いくたびか雪の深さをたづねけり 子規
-まず一寸ちょいというところでしょうか。
-そうか……
-まず一寸ちょいというところでしょうか。
-そうか……
子規先生、もしこのとき病床にあったとすれば、自ら障子を開けて確かめることができなかったのだから、いろいろな想像が湧いてくる。だが雪の深さによってスコップを持とうかどうか決めようという男には、詩心など微塵もない。
-ちぇっ、一寸とはまたえらく半端じゃないか。ばかにしてやがる。
結局雪かきはしたけれど、あっという間にすんだから、実際その必要はなかったかもしれない。
しかしである。天気予報を見てギョッとした。なんと24日は吹雪のマークがついているではないか。わずか数センチの積雪といえども、いまの気温では融けずに残るのだから、やはり除雪しておくにかぎる。
わずか一寸の雪では熱燗を一杯やる資格はないが、吹雪となれば話は別である。ヤケ酒になる可能性だってあるだろう。
わずか一寸の雪では熱燗を一杯やる資格はないが、吹雪となれば話は別である。ヤケ酒になる可能性だってあるだろう。
結果については、次号を待たれよ。
【追記】
上に引用した子規の句は角川書店編 俳句歳時記に拠ったものだが、ネット検索してみると、圧倒的に多く「いくたびも……」として紹介されている。
俳句のことだから、ひょっとしたら両バージョンあるのかもしれないけれど、ぼくの印象では「いくたびも」はちょっとくどく、シーンとした間が感じられない。「いくたびか」を採りたいと思うがいかが?
俳句のことだから、ひょっとしたら両バージョンあるのかもしれないけれど、ぼくの印象では「いくたびも」はちょっとくどく、シーンとした間が感じられない。「いくたびか」を採りたいと思うがいかが?
Comments
不勉強ながら・・・私の記憶の中では「・・・も」のやつでしかないですね。たしか病後・・・それも、結構後のほうの作品だったような記憶があります。
となれば・・・人に頼んでは障子を開けてもらい、または障子の外を見てもらい・・・ってなことを繰り返していたんでしょうねえ・・・
Posted by: 三友亭主人 | January 21, 2019 22:14
>三友亭さん
先生の場合は「酒の残りをたづねけり」ですね。それですと「いくたびも」に決まりです(笑)。
そんなことより吹雪のマークが気になります。いやだなあ……
Posted by: 薄氷堂 | January 22, 2019 11:07