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October 31, 2018

Daily Oregraph: 相生坂紅葉異聞

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 相生坂下のあるお宅の庭先にて。本日はシャッターを切らなかったので、昨日撮った一枚である。

 真っ赤な紅葉もいいけれど、こういうのも流れやリズムが感じられておもしろい。着物の柄にしてもいいんじゃないだろうか。

 どういう人物にお似合いかというと、まずは旗本退屈男(笑)が思い浮かぶ。殺しのライセンスともいうべき天下御免の向う傷にものをいわせ、掟破りの住居侵入などお茶の子さいさい、大根を切るようにスパスパ人を斬るのである。

 結局はお上の手先だから、反体制派がこの手の人物ににらまれれば悲劇にちがいない。しかし彼の刃が向けられるのは、たいてい体制内の腐敗官僚であるところがミソである。つまり消費税に苦しむその日暮らしの町民に鬱積する不満のガス抜き役というわけだ。

 バッタバッタと悪人ばらを切り倒すたびに、着物の赤と黄のモミジが夜の庭に妖しく舞って、なるほど美的殺人というのがあるとすればこれであろう。悪徳商人と結託して私利をむさぼる高級官僚どもが、醜い顔をゆがませてバッタリ地べたに倒れるんだからたまらない。

 退屈男が江戸の町をぶらりと歩けば、「あ、お殿様だ。退屈のお殿様だ!」とえらい人気である。当然女にももてる(笑)。

 -まあ、お殿様、お着物に血が……

と、イキな巾着切りのお姐さんが駆け寄ってくるのである。実にうらやましい……

 -おい、薄氷堂、おめえバカじゃねえか。

 -はて、バカとは聞き捨てならぬ。わけをいいなさい、わけを。

 -だっておめえ、いまどき旗本退屈男なんて知っているのは、ジジイとババアだけじゃねえか。そういうのを学のある人は時代錯誤っていうんだ。覚えとけ。

 う~む、なるほど、知るわけないよなあ。桃太郎侍の親戚だといえばわかってもらえるだろうか?

 いや、どうも話があらぬ方向へそれてしまったようだ。今宵はこれにて失礼。

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Comments

>町民に鬱積する不満のガス抜き役というわけだ。

まあ、彼が切った悪徳役人の数を合計したらどんだけの数になるんでしょうねえ

きっと、彼に切られるいわれのない役人たちがきっと多く混ざっていたんでしょうなあ。

結局、彼に切られて当然の連中だけじゃなくって、仕方なく言うことを聞いている(忖度している)連中も、きっと多いんでしょうねえ。

Posted by: 三友亭主人 | October 31, 2018 at 22:35

>三友亭さん

 いま旗本退屈男を再映画化するとしたら、主役候補 No. 1 は三友亭さんでしょうね(笑)。お体もがっしりしているし、モミジ柄の着物がお似合いになるでしょう。いまから剣術の稽古をなさってください。

> 仕方なく言うことを聞いている(忖度している)連中

 そうなんですよ。ああいう連中はなんで命令されるままに退屈男に斬りかかるのか、ぼくはこども心にも疑問を抱きました。無駄死にするくらいなら、さっさと逃げればいいのに(笑)。

 しかしふつうなら逃げおおせる悪の親玉がバッサリ斬られてしまうから、庶民に人気があるんでしょう。

 ヤクザまがいの下品な悪老中(江戸時代にはさすがにそこまで程度の低い侍はいなかったと思いますが……)を斬り捨てるカッコいい役ですからね、どうです、おやりになっては。

Posted by: 薄氷堂 | November 01, 2018 at 09:51

お久です。

一言いいたくて・・・。

昔の時代劇では
人を切れば必ず、返り血を浴びて
刀の血を懐から出した落とし紙的なもので
拭きとる動作がありましたよね。

今は血を見せない演出ばかりです。

さらに、家に帰ると
「おぬし、人を殺めてきたの!」と
家人に揶揄されるのが
パターンでしたよね。(笑)

Posted by: しょうちゃん | November 10, 2018 at 12:23

>しょうちゃんさん

 映画で人を斬るたびに血しぶきが飛び散るようになったのはいつごろからだったでしょうか? 五社英雄さんあたりからでしたかね。

 旗本退屈男シリーズの頃はまだ血は見せませんでしたね。だから「お殿様、お着物に血が……」というのはぼくのウソ(笑)。もちろん本当だったら、すぐに洗濯に出さなくてはシミが取れません。

 昔の殺陣はリアリズムではなく、一種の日本舞踊だったと思います。歌舞伎の伝統なんでしょうか?

 それに斬られてそこに倒れていたはずの死人がいつの間にか消えていたり(笑)、ヘンだなあと思いながら見ていた記憶があります。庭中死体だらけでなくてはおかしいのに。

>「おぬし、人を殺めてきたの!」

 まあ、血独特の匂いもするでしょうが、着物を替えずに家に帰れば、たっぷり返り血を浴びているから、人殺しを見破られてあたりまえ……

Posted by: 薄氷堂 | November 10, 2018 at 21:03

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