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March 31, 2018

Daily Oregraph: 裏庭画報 フクジュソウ

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 今年は咲くのがちょっと遅かったように思う。フキノトウよりもずっと華やかで、春らしい気分にさせてくれる。

 しかしまだまだあたりは枯草だらけ。緑もないわけじゃないんだけど……

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こいつじゃしょうがない。

 笹は利権政治家なみにしぶとい厄介ものである。悪が栄える代表例じゃないかと思う。

 目ざわりだから大きなゴミ袋にひとつ始末したのだが、これで全体の三割程度だろうか。あとは足場が悪くて手が届かない。根はそっくり残っているから、ふたたび猛威をふるうにちがいない。

 なんにせよ、フクジュソウは花の季節の到来を告げる花だから、まずはめでたい。昼間から一杯やりたい気分である。

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March 30, 2018

Daily Oregraph: 春のしるし

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 日がかげると風の冷たさがこたえる。もういらないだろうと手袋を家に置いてきたのは失敗であった。

 大阪の桜に対抗しうる春のしるしといえば……知人(しりと)の崖のフキノトウくらいなものだが、う~む、これでは勝負にならぬ(笑)。

 春の山菜としてフキノトウを珍重する人がいるけれど、こうして野盗の群れのようにボコボコと顔を出す連中の姿を見れば食欲減退、とても食おうなどという気にはなれない。はらはらと舞い降りる桜の花びらを盃に受けて、くいっと一杯飲み干すほうがはるかに風流というものだ。

 明後日からは四月。しかし北国の住人にとって、枯草の優勢ないまは半分うれしく、半分かなしい時期なのである。

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March 29, 2018

Daily Oregraph: 大阪花だより

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 大阪無給通信員より届いた花だより。満開である。みごと。

 本日の釧路の最高気温は 13.4度。だいぶ暖かくはなってきたけれど、桜が咲くまでにはこれから約一ヶ月半待たねばならない。

 さてわが通信員君はマジメだから、酔っ払って狼藉に及ぶような男ではない。今日も仕事だそうな。一方編集長たる吾輩は一日中部屋でボーッとしていたゆえ、なんだか申し訳ない気分である。

 ネタのないときに写真を電送してくれるのは大いに助かるし、たまには労をねぎらって、一杯おごってやりたいところだが、大阪はちと遠すぎる。タコ焼きを頬ばりながらビールを片手に花見ができれば、どんなに愉快だろうか。

 せめて通信員君の健闘を祈りつつ、これから一杯やるつもり。え、祈らなくてもいいから給料をよこせって? それがねえ、補助金はもらえないし、この商売、ちっとももうからないんだよ(笑)。

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March 28, 2018

Daily Oregraph: 廃屋と建設と

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 これは昨日撮ったものだが、近所の廃屋。昔はこういう木造家屋がごくふつうであった。

 廃屋もひとつまたひとつと姿を消して、あちこちに空地が目立つ。廃屋一歩手前の空家も増えているし、最近の地方の衰退ぶりを象徴しているように見える。

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 こちらは本日。北大通に建設中のアルファコート釧路(というらしい)の外観が建物らしくなってきた。

 機能一点張りの建物のようだが、完成したら景色はどう変化するか、注目して待ちたい。

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 これは駅の地下道の壁に飾られた絵や写真である。釧路アンダグラウンド・アート・ミュージアムだそうな。

 陰気だった地下道が華やかになり、枯草だらけの空地にパッと花が咲いたようで、おもしろい試みだと思う。せっかくの展示なんだから、地下道入口にうんと目立つ案内掲示をしてはいかがだろうか。

 さてなんで地下道を通って駅裏へ行ったかというと、例の古道具屋さんがまだ営業しているかどうか気になったからである。

 おお、店は開いていた。ご主人がお客さんと並んで店先のベンチに腰かけておられたから、写真は遠慮しておいたけれど、まずは一安心。駅裏名物のお店がなくなると淋しいのである。

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March 24, 2018

Daily Oregraph: 廃屋散歩

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 ひさびさに定期コースをそれて、旧弥生中学校跡地へやって来た。昔はこの崖を身軽に上り下りしたのだから、ウソみたいな話である。

 実は本日の目的はここから太平洋をながめることではなく、ちょっと確かめたいことがあったのである。

 西側の斜面、つまり写真では正面向こう側に……

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いまにも転落しそうな小さな建物がある。

 サイズからして、遠くから見ると物置小屋のようだが、近くから見るとやはり住居であったらしい。一本の木が支えているため、かろうじて転落をまぬがれているようだ。

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 オオイタドリの枯れた茎をバリバリ折りながら、途絶えかけた急な小道を下って、いつもの散歩コースから撮ったのがこれ。ひどく足場が悪いから、こんな危ないまねをするのはもう最後かも知れない。

 通りかかるたびにハラハラしながら見ていたのももっともだとお思いになるだろう。傾いた家のすぐ隣には、かつてかなり大きい建物(ぼくは勝手に嵐が丘と呼んでいた)があり、数年前に自壊してつぶれてしまった。

 どうやらぼくの散歩には廃屋がつきもののようである(笑)。

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March 23, 2018

Daily Oregraph: さらば友よ

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 いったん乱れたペースを取り戻すのはそう簡単ではないが、やっと少し調子が出てきたので、定期散歩コースへ。

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 えっ、これはどうしたことだ! 長いつきあいの廃屋が、知人の路地から姿を消しているではないか。

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 う~む、倒壊寸前だったから解体したのだろう。ここ数日の間に取り壊されたらしい。

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 いずれこの日が来ることは予想していたけれど、それにしてもなあ……

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 最後に在りし日の勇姿をごらんいただこう(2017年12月21日撮影)。さらば、友よ。

 さてこの廃屋の場合は、おのれの朽ちてゆく姿を正直にさらしてきたから、「貴殿は長年風雪に耐え……」と表彰状を進呈してもいいくらいだ。

 しかし神をも恐れぬ隠蔽、改竄、欺瞞をほしいままにし、腐朽してなおしぶとく残る伏魔殿をどうしたらいいものか。まったく往生際が悪すぎるぜ。

 こちとら色男ゆえ金と力には無縁ときている。できることといったら、せいぜい近日中に御得稲荷さんに15円のお賽銭を投ずるくらいか……

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March 22, 2018

Daily Oregraph: カシワにしとこう

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 -おや、親分、いらっしゃい。モリですかい?

 -いや、カシワにしてくれねえか。

 -へえ、夏冬かまわずモリばかりの親分にしちゃめずらしいですね。

 -うむ、今日はうすら寒いしな、なんだかあったけえものが食いてえのさ。それにな……

 するとそこへお供の八五郎が割り込んで、

 -わかっておりやす。時節柄モリとカケは遠慮してえというわけで……

 -ハハハ、八にしちゃあ察しがいいじゃねえか。おめえも好きなものを注文するがいい。

 -ヘヘ、そいつはかたじけないね。親分のおごりなら……親爺さん、海老天を頼まあ。

 -へえ、合点。いつもはカケ専門の八五郎さんも出世したもんだ。補助金があるてえと強気だね。

 -ちえっ、余計なこというない。

 無駄話をしているうちに、熱々のソバが出来上がります。歌の文句にもありますように、ソバを啜る人の群れはだれも無口で、ただズルズルという音だけが聞こえてくるのでした。

 -ああ、うまかった。八、おめえは若いから一杯じゃ足りねえだろう。なにか頼みな。

 -おっと、そりゃありがてえ。ところで、親分はこのところ食が細いですね。

 -ああ、おれも年を取ったものよ。十年前なら、とてもこれっぱかりじゃ足りなかったんだが……

 おれもお迎えが近いのか……親分はふっと淋しい笑いを浮かべるのでした。窓の外を見ると、どんより曇った空からはいまにも雪が降り出しそうな気配でございます。

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March 20, 2018

Daily Oregraph: 解体工事

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 中央埠頭の倉庫のうち一棟が解体されたことは以前ご報告したけれど、最近その隣の倉庫の解体工事がはじまった。また景色が一変するのだろう。

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 倒壊する前に解体するのは安全上からももっともだと思う。

 完全に腐り切る前に解体する必要があるのは建物だけではあるまい。なにとはいわなくても察しはつくと思うが……(笑)

 17日夕に帰着して、18日は一日中机に向ってまじめにお仕事。金はなかなか貯まらないけれど、ジジイになると疲労はすぐに蓄積して解体寸前の状態になる。昨日は一日中ボーッとしていた。今日もまだそれを引きずっている。

 明日からは平常営業……の予定である。

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March 17, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月17日

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 大量の木材はマレーシア産のいわゆる南洋材。

 現場の方にお聞きしたところ、釧路の水面貯木場が廃止になったことから、十勝港で揚荷されるようになったのだという。

 かつては本船から木材を水面に落とし、それを職人わざで筏組みしてボートで曳き、水面貯木場へ運んだのである。しかし北海道内では水面落とし方式もう行われていない。

 現在ではこのように直接岸壁に揚げて土場に仮置きしてからトラック輸送するのである。

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 ご参考までに中央埠頭で撮影した釧路川での水面落としと筏組みの写真をごらんいただきたい(2005年3月27日撮影)。

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 これは荷役の最後に組んだ筏を曳いて水面貯木場へ向うところ(2005年3月27日撮影)。

 もうこの景色は見られなくなってしまった。

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March 16, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月16日

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 働く男たち。

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 仕事はいろいろ。

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 そして日が暮れる。

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March 15, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月15日

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 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。

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 最近体重がなかなか減らないので食事を控えめにしているのだが、たまにはよかろうと食堂に入り、広尾町名物(?)の麩入りラーメンを注文した。

 わかりにくいかもしれないけれど、海苔の右手にある丸いのが麩。麩入りのラーメンは釧路ではめったに見かけない。

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 ……それでやめておけばよいものを、チャーハンとのセットにしたら、量の多いことといったら! これまでの苦労が水の泡となってしまった。

 失恋した女性が大食いするのは同情を誘うけれど、ジジイの大食いはみっともない。まことに遺憾である。

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March 14, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月14日

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 またしても十勝港。縁があるなあ(笑)。

 もちろん「るる」にてウィスキーを調達した。本日のウィスキーは山梨県は笛吹市産の「はちくま」である。笛吹とはまたゆかしい地名だ。Whistle と Whisky で頭韻を踏んでいる(?)ところもいい。

 アルコール度数37度ということもあるが、700 cc で税込み約千円。これなら量的にも不満はないし、三友亭先生もお買い上げになるのではないか。

 肴の文庫本は武陽隠士の『世事見聞録』(文化十三年)。著者の正体は不明らしいが、相当のインテリであることはすぐわかる。『北越雪譜』よりずっと硬い文章。酔いがさめてしまうかな?

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March 13, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月13日

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 今朝の豊似川。景色が一変している。

 先日の豪雨のせいで雪どけが進んだだけではなく、流れのかたちまで変ってしまった。自然の力恐るべし。

 途中の道路脇の雪も後退し、冬の間に傷んだ路面があらわになっている。あちこちに小さな穴ぼこが開いているのだ。

 一週間ぶりで釧路に帰着。明日からは平常営業……となるかどうか?

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March 12, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月12日

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 やっと仕事が終わった。午前中雪が降ったため、すべて片づいたのは夜。明朝は釧路へ戻る。

 ホテルの部屋というのは落ち着かぬもので、読書はちっともはかどらない。テレビはつまらないし、結局アルコールに頼って寝るしかないのである。

 さて昨日十勝神社の神様にハッパをかけたのが効いたか、戦後最低最悪の腐敗内閣に鉄槌が下った。内閣総辞職するのは当然だが、それですませてしまえば、まともな近代国家とはいえず、日本は世界の笑いものになるだろう。

 お賽銭を追加しておいたほうがいいかなあ(笑)。

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March 11, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月11日

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 あいにくの曇り空だったが、そう寒くはなかったので、三十分ほど町を散歩してきた。

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 ひさびさの十勝神社。

 今日は 3.11 だから、神様にはしっかり仕事をしてくれなあかんと注文をつけてきた。いざというときに頼りにならぬのでは困るではないか。

 庶民を苦しめる災害をもたらすのではなく、税金を食い物にする悪徳政治家どもの頭上に雷を落とすのが神様の役目であろう。お賽銭を十五円も奮発したのだから、頼みましたぞ。

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 散歩のしめくくりは……いざ、るるへ!

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March 10, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月10日

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 昼休みに広尾漁港をぶらぶら歩いてきた。昼時なのに、漁師さんたちが網の手入れをしていた。

 人は働き、

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水鳥は遊ぶ。

 いや、のんきに遊んでいるのではなく、エサを求めてパトロール中なのかもしれない。

 夕方空が曇ったとたんにぐっと冷えこみ、釧路からやってきた渡り鳥のジジイは肩をすくめたのであった。いつになったら帰れることやら(笑)。

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March 09, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月9日

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 本日は豪雨のせいで仕事にならなかった。すさまじい風と雨。ひょっとしたら、この雨は春の到来、少なくとも急接近を告げる使者なのかもしれない。

 もちろん喜んではいけないのだけれど、おかげでのんびりできるのは正直ありがたい。よって勅令を発し、本日を休息日と定めたのである(朕は法律なり(笑))。

 そこで当地のショッピングセンター「るる」にてウィスキーを物色したのだが、前回は鳥取だったので、今回は明石を選んだ。こういうめずらしい銘柄をそろえているのだから、「るる」侮るべからず。

 まさか昼間から飲みはしない。これから味わうのである。肴は『北越雪譜』最後の数十頁。冬の終りにはふさわしい読み物だろう。

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March 08, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月8日

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 本日も忙しく、こんな写真しか撮れなかった。

 独房のように狭い部屋だが、監禁されたわけではない。タリー・ルームである。つまり検数員用の事務室なんだけれど、実際は乗組員がタバコを吸ったりするために一時利用することが多いようだ。

 暖房がきいているから、今日のように曇り空で冷え冷えとした日には大変助かる。すぐ隣にトイレがあるのもありがたい。

 え、バカいうなよ。豪華客船にこんな部屋はないぜ(笑)。こちとら豪華一般には縁がないのさ。

 午後からは雪になった。明日は一日中雨の予報である。ああ、十勝港冬景色。

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March 07, 2018

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 3月7日

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 天気は上々。ただし風は冷たい。

 本日は忙しかったので疲れたから、生存証明写真のみにて失礼したい。

 それにしてもこのところ十勝港づいているなあ。昼休みに「るる」で買い物をしたよ……といえば、もはや地元民扱いされるんじゃないだろうか(笑)。

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March 06, 2018

Daily Oregraph: 冬のウォーター

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 なんだかんだといっても日中の気温はじわじわと上昇している。日向にいると気持がよくて、まるでネコになったような気分がしないでもない。

 しかし日陰は寒い。この青年を見よ。完全武装しているけれど、南国育ちの身には寒さがこたえるのであろう。

 手近に置いたミネラルウォーターのペットボトルがいっそう寒々しい印象を与えているけれど、今の時期は案外水分不足になりがちだから、用意周到とほめてやりたいところである。

 夏でもないのに水分不足とは意外に思われるかもしれないが、ぼくは三日前に脱水症状を起こしかけてひどい目に会ったから、みなさまのご注意を促したい。

 まじめに働いていたせいであろうか(笑)、のどがカラカラになったことには気づいていた。そのうちにふらっと軽いめまいを感じ、これはいけないと思った。

 -すまないけど、なにか飲み物をくれないか。

 -コーヒーを入れようか?

 -いや、水が欲しい。水を一杯、プリーズ。

 案内されて船の食堂へ行き、コックさんに水を所望すると……おお、気が利くではないか、出されたコップの水には氷が浮かんでいた。

 ありがたい! おかげで生き返った。めまいはウソのように消えてしまったのである。

 真夏のサハラ砂漠はもちろん、真冬のアラスカでも水は必要だ。生命の維持のためには、金よりも名誉よりも、まず水である。みなさまも冬の給水をけっしてお忘れなきよう。

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March 04, 2018

Daily Oregraph: 梅の思い出

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 今日はブログをサボろうと思っていたら、当社大阪無給通信員から写真が舞いこんできた。ぼくは不勉強で知らなかったが、豊中市にある日本民家集落博物館なのだそうな。

 どんなもんだい、春が来たぜ、という勢いである。めでたく春を迎えた男に「あきらめて雪かきしろよ」といわれるんだから、実にくやしい。今度会ったら、タコ焼きとビールをおごってもらわなくては……

 それにしても紅白の梅がみごとである。

 梅といえば、学生時代にふらりと訪れた北野の天神さんで梅見をしたことを思い出す。今では有料らしいが、当時はタダであった(なにしろ金がなかったから、有料なら当然パスしたはず)。

 釧路には梅がないから珍しそうに見物していたら、見知らぬお爺さんから「ほう、梅見ですかな」と不意に声をかけられ、ビックリした。

 そうだよな、梅見なんて柄じゃない。いかにもお上りさん然として、あまりにも周囲とは不調和だし、梅よりも目立って見えたのであろう。なんだ、乞食学生の梅見かよ……

 しょうがないから、力ない微笑を作って、「ええ、まあ……」と答えた悲しい記憶がある。

 しかし数十年の時を経て思うに、事実はまったく逆であったのかも知れない。以下はぼくの勝手な想像である。

 梅をめでながらゆっくりと歩いていたお爺さんは、人混みの中の一人の若者に目をとめた。ほほう、見かけはただの貧乏人だが、あれこそは身をやつして天神さんへやって来た風流の貴公子にちがいない。凡人はともかく、わしの目は節穴ではないぞ。

 かくしてお爺さんはぼくに声をかけた……という筋書きなのだが(笑)、やはりこれはあまりにも都合のよすぎる解釈のような気がする。

 京都人のことばには、ほめているんだかけなしているんだか、大いに解釈に迷うところがある(経験上、ほめることはめったにないと考えたほうがよい)。乞食学生か貴公子か、that is the question だよな。

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March 03, 2018

Daily Oregraph: 春の日射し

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 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。

 デッキにこぼれる日射しはいかにも暖かそうだし、実際日中は暖かいのだが、日が沈んだとたん、ウソのように冷える。だまし討ちみたいなものである。

 春いまだ遠し。

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March 02, 2018

Daily Oregraph: 雪かきマーチ

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 車のフロントガラス上で測ったら、約14センチのあたりを指している。この倍は降るんじゃないかと予想していたから、まずはホッとした。さすがは少雪で知られる釧路である。

 しかし今朝の雪はたっぷり水分を含んでいるから、重い。スコップをふるいながら、なぜか水前寺清子女史の「三百六十五歩のマーチ」を連想した。

 それ、ワン・ツー、ワン・ツー!

 二軒分の雪かきに二時間以上を要し、幸せはやってきたかというと……腕がだるくなっただけであった。

 昨日の記事を読んだ当社大阪通信員からメールが来て、「観念してあきらめなさい!」というのだが、素直に「そだねー」とはいいにくい。

 なぜかというと、雪かきにはまるで達成感がないからである。

 たとえばねじり鉢巻で英単語を一千語も覚えれば、ぐんと点数が上がるし、文章が読めるようになれば視界もひらける。

 -おまえだって、やればできるのだ。よくがんばったなあ。

と、日頃は冷たい高校の先生が、劣等生のあなたをほめてくれるかもしれないのだ。努力が報われるというのは、たいへん励みになるものである。

 しかしワン・ツー、ワン・ツーと必死に雪をかいたところで、何が得られるというのだろうか? 世界はそれによって少しも改善されるわけではない。非生産的労働の代表みたいなものである。しかも明日また雪が降るかもしれないのだ(笑)。

 -へえ、親分、やりましたねえ。家の回りがきれいになったじゃありませんか。てえしたもんだ。

 -なあ、八よ、雪かきてえやつは人をニヒリストにするもんだなあ……

 豪雪地帯の住民のみなさまへ満腔の同情を表したい。

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March 01, 2018

Daily Oregraph: 雪かき警報

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 めでたく三月を迎えたと思ったら、この雪である。明日の朝は楽しい雪かきが待っている。

 -ちぇっ、こいつは積もりそうだなあ。

 -ちょいと、お兄さん、愚痴はヤボでござんすよ。

 -お、おめえは雪女じゃねえか。

 -雪が降るから、あたしみたいな別嬪に会えるんじゃありませんか。文句はいいっこなし。

 -それもそうだな。どうだい、ねえさん、一杯やらねえか。

 -よござんすねえ。でもね……

 -でも、なんだい?

 -ひやでお願いしますよ。

 -ハハハ、そうか、熱燗じゃ溶けちまうよなあ。

 てなわけで、美人の雪女と一杯やるつもりで一人酒。半分やけくそである。

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