Daily Oregraph: 雪かきマーチ
車のフロントガラス上で測ったら、約14センチのあたりを指している。この倍は降るんじゃないかと予想していたから、まずはホッとした。さすがは少雪で知られる釧路である。
しかし今朝の雪はたっぷり水分を含んでいるから、重い。スコップをふるいながら、なぜか水前寺清子女史の「三百六十五歩のマーチ」を連想した。
それ、ワン・ツー、ワン・ツー!
二軒分の雪かきに二時間以上を要し、幸せはやってきたかというと……腕がだるくなっただけであった。
昨日の記事を読んだ当社大阪通信員からメールが来て、「観念してあきらめなさい!」というのだが、素直に「そだねー」とはいいにくい。
なぜかというと、雪かきにはまるで達成感がないからである。
たとえばねじり鉢巻で英単語を一千語も覚えれば、ぐんと点数が上がるし、文章が読めるようになれば視界もひらける。
-おまえだって、やればできるのだ。よくがんばったなあ。
と、日頃は冷たい高校の先生が、劣等生のあなたをほめてくれるかもしれないのだ。努力が報われるというのは、たいへん励みになるものである。
しかしワン・ツー、ワン・ツーと必死に雪をかいたところで、何が得られるというのだろうか? 世界はそれによって少しも改善されるわけではない。非生産的労働の代表みたいなものである。しかも明日また雪が降るかもしれないのだ(笑)。
-へえ、親分、やりましたねえ。家の回りがきれいになったじゃありませんか。てえしたもんだ。
-なあ、八よ、雪かきてえやつは人をニヒリストにするもんだなあ……
豪雪地帯の住民のみなさまへ満腔の同情を表したい。
Comments
しかしまあ、北国では大変なお天気だったようですね。
こちらの方は、1日に強い風が吹いただけで、以降はぽかぽかののどかな日が続きました・・・
Posted by: 三友亭主人 | March 03, 2018 20:37
>三友亭さん
のどかな日々……さぞご退屈でしょうね。
雪かきボランティアなどはいかがでしょうか(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | March 03, 2018 22:39