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October 01, 2017

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 10月1日

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 Time does fly. いつの間にか十月になってしまった。

 せっかくの休日だし十勝晴れだし、じっとしているのはもったいない。広尾町から約40キロ離れた晩成温泉でひとっ風呂浴びようと、はりきって出発した。

 途中古いなじみの木に挨拶。樹種はわからないけれど、よく目立つ木だから、富良野だったか美瑛だったかのマネをして、「なんとかの木」と命名して売り出せばいいと思う。

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 実は本日の目的はもう一つあった。

 晩成社の史跡を見物しようというのである。ずいぶん以前にも訪れようとしたけれど、場所がみつからず、それ以来気になっていたのだ。

 今日もすんなりみつかったわけではない。入口がわからないのだ。行けども行けどもみつからないから、あきらめかけてUターンし、しばらく走っていたら……あった、あった。

 わからないはずだ。看板が道路から少し引っこんでいるし、木陰にあるから見えにくいのである。手前にあるポールに標識を付けるべきだと思う。

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 晩成社史跡公園。車数台を駐めるスペースはあるが、ほかに人影は見当たらなかった。

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 案内板はいくつかあるが、わずらわしいだろうから、ひとつだけ掲載する(読みやすさに配慮して白黒に変換)。この一帯の地名である「晩成」の由来となった晩成社について要領よくまとめられている。

 失敗したとはいえ、さまざまの先駆的事業を試みた依田翁の姿には、宮澤賢治の『ポラーノの広場』の理想を連想させるものがあると思う。もとより事業がすぐに成功するとは考えていなかったから「晩成社」と名づけたのだろうが、実にえらい人物もいたものである。ほんとうに頭が下がる。

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 この凹みがサイロ跡。向う側に見えるのは、右から作業中に殉職した佐藤米吉の墓と、餌不足によって死なせてしまった牛を祭る祭牛之霊碑。木に隠れて見えないが、歌碑もある。

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 依田勉三が明治26年から大正4年まで住んだ旧居。隙間風だらけの木造家屋の寒さはぼくもよく知っているが、これは家屋というより物置に近い粗末な建物である。真冬の寒さには想像を絶するものがあっただろう。

 正面にも回ってみたけれど、この角度から見たほうが趣があると思う。近くには斜面を掘って作った室(むろ)も残っている。

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 この公園はごてごてと飾り立てていないので好感が持てるけれど、一体どこからどこまでが公園の敷地なのかさっぱりわからない。

 轍の残る道がずっと南へつづき、こっちへおいでと誘っているから、どれどれと向ってみた。

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 左右に枯れたオオイタドリのつづく道。歩いても歩いても道はつづく。一体どこまでつづくのか見当もつかない。

 少し風があるので、サラサラという葉ずれの音がひっきりなしに聞こえる。虫の音も聞こえる。蝶やトンボがさかんに飛んでいる。

 こんな道をたった一人で歩いていると、とかくに人の世は住みにくいかも知れないが、ちょっと恋しくもある。

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 道に沿って流れる生花苗(オイカマナイ)川を、タンチョウヅルがゆうゆうと歩いていた。

 歩いても歩いても道は終りそうにない。8分ほど歩いたところで少々心細くなり、引き返すことにした。

 ……などと書けば、あたかも人外境であるかのように聞こえるかも知れないが、

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近くには点在する農家の建物が見える。晩成社の苦闘がもたらした成果である。

 いいところに来たものだと思った。時間はたっぷりあったのだから、片道8分でやめにせず、三十分くらいは歩いてもよかったのだ。ただし(大勢で来るのはごめんだが)道連れが一人か二人は欲しいところである。

 首尾よく目的のひとつを果たしたので、気をよくして晩成温泉へ向う。長くなるので、つづきは次回。

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Comments

晩成温泉か・・・聞いたことないなあ。
私の住む桜井の隣町には晩成小学校なんてのがありますが・・・関係ないか・・・

それにしても・・・いい木だなあ・・・

Posted by: 三友亭主人 | October 02, 2017 at 22:41

>三友亭さん

 う~む、博識をもって鳴る三友亭主人ともあろうお方が、晩成温泉をご存じないとは……(笑)

 太平洋を眺めながら入浴できる、すてきな温泉ですから、ぜひ。
 

Posted by: 薄氷堂 | October 02, 2017 at 23:53

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