Daily Oregraph: 裏庭画報 アカマンマ
雑草園と化した裏庭は、先日の台風によってその雑草がなぎ倒され、混乱をきわめている。
手のつけようがないから、文字どおり呆然として立ちつくすしかないのだが、荒れ地の中にも平気な顔をして立っている連中がいた。
イヌタデ、またの名をアカマンマである。犬も食わないアカマンマだが、どうしてバカにはできない。れっきとした秋の季語であって、歳時記には「赤のまんま」または「赤のまま」として載っている。
赤のまゝの邊に立ち遊ぶ母なき子 瀬戸口民帆
「さあ、召し上がれ」と、通りかかったジジイに赤いまんまを差し出してくれるかもしれない。
本日のおまけは、大阪通信員だより。
彼は植物専門かと思ったら、いかなる心境の変化か、鳥類の写真が送られてきた。これはアオサギかな。
蕪村のふるさと毛馬で撮ったとあるから、この川は淀川である。「春風馬堤曲」には、「渡澱水過馬堤(澱水を渡り馬堤を過ぐ)」とあって、この「澱水」がすなわち淀川である。
澱水また澱河とも澱江ともいい、澱は訓で「よどむ」と読むから、なるほど淀川。蕪村の頃は横文字がまだはやり(?)ではなかったから、こういう言葉づかいが洒落ていたのだろう。
通信員Ⅰ君が茶店に入って、婆さんに着衣をほめられたかどうかは不明である。
Comments
私は「赤まんま」なんて聞くと・・・
ついつい中野重治を思い出しちゃいますね。
おまえは歌うな
おまえは赤まんまの花や
とんぼの羽根を歌うな
なんてね・・・
昔はどの会社の教科書にも載っていたのですが、最近とんとみかけなくなりました。ご時世ですかね・・・
Posted by: 三友亭主人 | September 26, 2017 18:20
>三友亭さん
中野さんの忠告に従って、赤まんまの花を歌いませんでした(笑)。
> ご時世ですかね・・・
東大→ハーバード→ハゲー! のコースに歌の入る余地はないかと……
Posted by: 薄氷堂 | September 26, 2017 20:28