Daily Oregraph: 強風に耐えて
台風は過ぎたけれど、波はすぐにはおさまらない。
二階の窓を開けると、海からザーという大きな音が聞こえる。ザーッではなく、正確にいうと、ザーとも少しちがう。「ザ」が間を置かず連続して鳴りつづけるのである。
そこで海を見に行った。ザがザの自乗くらいの音で迫ってくる。
ここは波が荒いとよくしぶきの飛んでくる場所だが、さすがは台風、線路、枕木、砂利がグッショリと濡れていた。顔にも波しぶきの当たるのがわかる。
知人の浜には、カモメどもも海を見物に来ていた。ウソではない。みんな海を見ている(笑)。
さて昨日から気になっていたのがこの廃屋である。よくあの強風に耐えたものだと感心するが、少し傾きが増したように見えるのは、けっして気のせいではないだろう。
この廃屋を見てあらためて思ったけれど、あちこちに何百年も前の古い建物がよくも無事に残っているものだ。
これはたまたま昨日くしろ-OBさんが送ってくださった、鎌倉の円覚寺舎利殿の写真。
知人の廃屋と国宝をくらべるのは失礼千万な話だけれど(笑)、どっちのほうが古く見えるだろうか? たぶんたびたび人の手は入っているのだろうが、よくまあ長年の風雪に耐えたものである。吟味された材料と、たしかな建築技術のたまものであろう。
ぼくも台風におびえずにすむ、国宝級の頑丈な建物に住みたいものだ。
Comments
風速35メートルって凄い風が吹いたんですね。
世間では北海道と台風はなかなか結びつかない部分ですが、過去を紐解くと結構大変な事が起こったりしてますね。
ご無事のようで安心しました。
私の所では台風上陸が日常茶飯事に起きる土地柄なので、片付け慣れしてます。とは言っても何年かに1度は予想を遙かに超える規模のものが来ます。
仰有るように国宝・重文の建物は人の手が入って維持出来ています。でも気密性が悪くエアコンも付けられませんから、余り快適では無いような気がしますよ。
なにより維持費が高いです(笑)
Posted by: Nori | September 19, 2017 21:53
いつもながら、この廃屋は何とも言えぬ魅力を漂わせていますな。それが無事とのこと何よりです。
こんな建物こそ一時代のありようを如実に示すもの。ナントカ文化財にでもしてその保存に励むべきなのでしょうが・・・
Posted by: 三友亭主人 | September 19, 2017 22:14
>Noriさん
昨年は複数の台風が直撃しました。過去には函館で洞爺丸の転覆という悲劇もありましたし、北海道といえども油断はできません。
> エアコンも付けられませんから、余り快適では無いような気がしますよ。
えっ、そうなんですか。エアコン、つけましょうよ。あとは冷蔵庫とビール。それに電子レンジもあれば申し分ありません(笑)。
> なにより維持費が高いです(笑)
かまいませんよ。補助金詐欺に税金が無駄に使われるよりは、ずっとましです。
Posted by: 薄氷堂 | September 19, 2017 22:44
>三友亭さん
この廃屋は北海道様式とでもいうのでしょうか、今でこそボロボロですけど、それなりに格調高い建築なんですよ。
> ナントカ文化財にでもしてその保存に励むべきなのでしょうが・・・
さすがにお目が高い。
三角縁神獣鏡に匹敵する価値はあるんですから、天理参考館で買い取って、移築してくれるといいんですけどねえ……
Posted by: 薄氷堂 | September 19, 2017 22:48