Daily Oregraph: トウキビ
今年初めてトウキビを買った。すごくうまいというわけではないけれど、店先でみかけるとやはり食べたくなる。
トウキビといえばコーンだが、コーン(corn)は英国では穀類一般を指すことがあるから、Indian corn またはメイズ(maize)といえばまちがいない。
トウキビを方言だと思ったら大まちがいである。昔ある先生に教わったのだが、トウモロコシなどというのは、トウ(唐)=モロコシだから、まるで意味をなさない。よってトウキビが正解。
角川書店の俳句歳時記には、「もろこし」「唐黍」などと呼ぶのは正確ではない、とあるが、反省を促したいところである(笑)。第一多くの俳人は間延びのした「たうもろこし」よりも、断然語感のよい唐黍を選ぶようで、実際同歳時記では六句中四句が「唐黍」または「たうきび」を用いている。
唐黍や子らの歯なみの美しく 大藪雀子
ついでに英語の辞書を引いてみると、corn というのは元来砂や塩などの粒を指す。なるほどトウキビなどは見るからに粒々しているし、corn = grain = 粒 = 穀類というのも理屈に合っている。
日本には16世紀末に入ってきたらしいけれど、本格的栽培が始まったのはメイズ、いや明治以降である。なおキツネと稲に関係があるのはコーンと鳴くからにちがいない。
こんなにひどい駄洒落しか出てこないのは、要するににネタがないからである。ああ、明日はどうしよう……
Comments
私の郷里では「トウミギ」と言っています。
まあ、「トウキビ」って言いにくかったんでひっくり返ってしまったんでしょうが・・・
おそらくは・・・
とーきび→とうぎび→とうびぎ→とうみぎ
といった順番でしょうか・・・
Posted by: 三友亭主人 | August 08, 2017 22:46
>三友亭さん
たうみぎを前に入歯をはめにけり 薄氷堂
注:ぼくはまだ入歯ではありません(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | August 09, 2017 18:31
釧路で玉蜀黍といえば・・・
駅前の噴水の横のお店(一時期へそまんじゅうなども売っていた)で、茹できび、焼ききびを売ってたのを思い出します。 内地のように暑くなることのない釧路でも、あのお店に玉蜀黍が並ぶと「夏だなー」なんて思ったものです。
Posted by: 元・釧路市民 | August 11, 2017 15:13
>元・釧路市民さん
たしかに店先でみかけると食べたくなるものです。
たぶん種類がちがうのだと思いますが、昔のトウキビはずっと粒が固くて、今のものほど甘くなかったように記憶しています。釧路市内にもトウキビ畑がありましたね。
Posted by: 薄氷堂 | August 11, 2017 21:18