Daily Oregraph: 春採湖畔三歩
あまりにも上天気だったので、春採湖畔にやって来た。
湖畔散歩ではなく「三歩」としたのは、散歩というにはいささか距離が短かすぎたからである。一眼レフの重きに泣きて三歩歩まずというわけではないけれど、マイクロニッコール55ミリを持ち出したのは、
わが友、ミヤマニガウリの活躍ぶりを撮ろうという趣向である。
こいつはなんにでも容赦なくからみつく。「こんな人たちには負けたくない」などと虚勢を張ってもだめ、このアザミのようにぐるぐる巻きにされて身動きが取れなくなるのだ。
もう一丁いこうか(笑)。こうなれば、もうなにがなんだかわからない。
必殺ミヤマニガウリは、間もなく全盛期を迎える。これから花が咲き実を結ぶところを,今年はひさびさに撮影したいと思う。
現在もっとも元気のいい花はエゾオオヤマハコベであろう。
クサノオウ。道ばたでよくみかけるのだが、なぜかわが裏庭には咲いていない。
セリ科の大型の花々も今を盛りと咲いているけれど、ぼくはこの連中が苦手で、どれもよく似ているから、すぐに名前が出てこないのである。
花そのものは細かいのだが、全体がとにかくでかく、スターマイン百連発という感じがする。
エゾスカシユリは知っているけれど、はてな、春採湖畔に咲いていたっけ? まさかだれかが植えたわけではあるまいから、見落としていたのかも知れない。
記憶にないといえば、水辺に咲いていたこれもそうだ。キショウブかな?
こちらは顔なじみ。
『北海道植物図譜』によれば、スイレン科で該当するのはヒツジグサしかない。エゾノヒツジグサというのもあるが、同書は「連続していて区別は困難」とし、『北海道の花』にはエゾノヒツジグサの「花弁は普通8枚」とあるから、これはヒツジグサでいいのだろう(もしちがっていたらご教示くだされたし)。
健さんの歌でおなじみ、ハマナス。実物は真っ赤なのだが、うまく色を再現できなかった。
本日たった三歩ほど歩いて観察した印象では、去年の台風の影響なのか、なじみの植物がいくつか姿を消していたようだ。やはりときどきパトロールしなくてはいけない。
さて今日はミヤマニガウリのほかにもう一つ、春採湖畔に来た目的があった。
博物館でこの本を購入したのである。金400円也。
たいへんよくできた本なのだが、残念なところもある。トンボやチョウは詳しいけれど、たとえば、
テントウムシ君の仲間がまったく記載されていない。
そのほか春採湖畔では過去にホタル、ゾウムシ、ハサミムシなども確認しているけれど、本書には甲虫類としてクワガタ、カミキリムシの仲間しか記載されていない。アブ、ハチの仲間も加えてほしいところだ。
ぜひ改訂版の作成をお願いしたいところである。お値段千円以上でもかまわないので……
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