Daily Oregraph: 小樽散歩 (3) 無情の雨
手宮線跡地から運河に出る。このあたりでは、人力車に乗って車夫のおにいさんの説明を聞いている観光客をたまにみかけるが、そう人出は多くない。
上の写真に見える橋(北浜橋)のたもとにある像。「カモメ呼ぶ少女」(斎藤吉郎作)という題名を見るまでは、彼女がなにをしているのかわからなかったけれど、スラリとした、かたちのいい像である。
なおこの橋の向こうは北海製罐の敷地であり、立入禁止なのがちょっと残念。橋があれば渡りたくなるのは人情だろう。
その北海製罐の建物がいい。工場というよりもモダンアート風で、調和を保つために不要な煙突まで立てたのではないかと思われるほどだ(昔の客船にはそういうのがあった)。できれば斜め上あたりから撮影したいところである。
敬意を表して(笑)もう一枚。
北浜橋の次の橋(竜宮橋?)を渡って、ちょっとだけ港に挨拶することにした。あたりまえなら港をゆっくり歩くところだが、夕方に予定していた散歩のために体力を温存しようとしたのである。
手宮線跡地でもみかけたけれど、ここでも倉庫の壁一面が緑に覆われていた。釧路ではついぞみかけぬ景色である。
小樽港でもひときわ異彩を放つこの埠頭(たぶん港町埠頭)も見逃せない。ここに来るたびに、つい見とれてしまうのである。
はじめて目にしたときは、世の中にこんな倉庫があるとは信じられず、すっかりたまげてしまった。重要文化財クラスの値打ちがあるのではないか。まさにワンダフル。
運河もいいけれど、小樽を訪れたら、北海製罐と大同倉庫はぜひごらんになるようおすすめしたい。
ふたたび運河へ。このあたりが現在の南端であろうか。北側とちがって観光客が多い。
このあとホテルにチェックインして休憩し、夕方に備えたのだが……
雨がポツポツ降り出したので、露店見物を断念した。ホテルの玄関には備え付けのビニール傘もあったけれど、ぼくは行列に並ぶのと傘をさすのが大嫌いなのである。
6月22日朝。深夜激しく降った雨も幸い小降りになったから、傘をささずに駅へ急いだ。ほとんど濡れずにすんだのは、やはり日頃の精進がいいからだろう(精進がよければそもそも雨は降るまい、というイヤミは受けつけない)。
次回は手宮線跡地全線制覇が目標だ。それにまだ見ぬ駅の西側地区も歩いてみたい。
さらば、小樽。
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