Daily Oregraph: 裏庭画報 グースベリ開花
ひさしぶりに太陽が出た。そろそろかな、と裏庭へ行くと、期待たがわず、昨年地面に突き刺したグースベリの枝に花が咲いていた。
とにかく小さい花である。おまけに地味だから、うんと顔を近づけないと見落としてしまうだろう。
花が咲いたらあとは実だ。以前ぼくの撮った写真の日付を見ると、釧路で実が完熟するのは9月の初めである。全体が褐色になったら食べごろ。
子どものころはまだ実が青いうちに食べたから、酸っぱくてまずくて、ペッペッと吐き出した覚えがある。だからこんなもの食えるかと思っていたのだが、完熟した実は甘くてうまい。ビタミンCも豊富だという。
つまり本来舌の肥えていないガキが食うもんじゃない。ビタミン不足の酔っ払いグルメが味わうべき果実なのである。
辞書を引くと、gooseberry-picker (グースベリを摘む人)には、口語でふたりの恋路をじゃまする意地の悪い付添い(ふつうはおばさん(笑))の意味もあるらしい。どうしてかはよくわからないが、せっかくの実を摘んでだいなしにしてしまうということだろうか?
だがなんといわれてもおれはグースベリを摘むぞ。もちろん実がなればの話だけれど……
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