京都足棒日記 京都ア・ラ・モード 前編
3月23~25日に撮影した写真から……
九条通の女中さん(3月23日撮影)
朝一番にガラガラとシャッターを開けたのは彼女であろう。
暖炉の掃除でもしていたのか、顔が煤けている。スカートも汚れている。昨日、今日……そして明日も仕事はつづく。王子様はいつになったら現れるのだろうか?
一日乗車券のデザインが変っていた。これは京都市内観光の強力な味方である。一枚わずか五百円。
市内のバス網は驚くほど発達しているから、合計して何時間もバスに揺られる覚悟と丈夫な足さえあれば、まずたいていの場所を訪れることができるだろう。利用しない手はない。
地方の小都市ではバス会社の経営はどこも苦しい。乗客が少ないから便数も少なく、便数が少ないから乗客も少ないという悪循環に悩んでいるからだ。
日本最大規模のバス会社ともいえる京都市交通局の市バス車内を見よ。地方創生など夢のまた夢。その地方から、コツコツ貯めたおこづかいをはたいて、お上りさんが続々と京見物にやってくるのである。
いまや着物は専門家に着付してもらうのが一般的なのだろう。ふだんは身につけぬおべべを着て町歩きするのがおねえさんたちの夢らしく、あちこちに着物レンタルのお店がある。
レンタル着物おねえさんはあちこちに出没する。バスの中でもときどきみかける。たまに着物姿のおにいさんもいないではないけれど、たいていは間が抜けて見える。女性とちがってモッサリしているのである。
いずれ着物姿のおねえさんを観光のお供に貸し出すという、レンタルおねえさんが商売になるかもしれない。これこれ、けしからぬ想像をしてはいけない(笑)。
むさ苦しいジジイの薄氷堂が、あでやかな着物姿のお姉さんと腕を組んで、ヨタヨタと河原町あたりを歩いていると……
-まあ、あの介護士はん、着物着てはるわ。
てなことをいわれるにちがいない。
看板再会 (3月23日 東山安井)
バスの窓から写真の案内看板をみつけたぼくはアッと驚いた。初めて目にしたのは 2002年の9月で(写真左)、それがそっくりそのまま残っていたのである。
この周辺のお店もずいぶん変っただろうに、すっかり色あせてはいるものの、平気な顔をして道案内しつづけているとは……
関西風? (3月23日 河原町)
京都と大阪ではまるで町の雰囲気がちがうけれど、このゴチャゴチャ感にはちょっと共通するものを感じる。
大勢の人々がそれぞれ勝手なおしゃべりをしているようなものだ。雑多な情報が押し寄せて、焦点が定まらぬのである。
おはようさん (3月24日 南区)
-はい、おはようさん。ちょっと出かけてきます。
-さよか、気いつけてお出かけ。
京都府警本部 (3月24日 上京区)
隠れ観光名所である。
京都は殺人事件の多い町として有名である。ウソだとお思いならテレビドラマをごらんになるといい。たいていは素人探偵が活躍し、警察の影は薄いけれど、素人には逮捕権がないから、最後は必ず京都府警のパトカーが駆けつける。
推理ドラマファンたるもの、一度は訪れるべき場所といえよう。
鳥居いらんかね (3月25日 伏見稲荷)
立派な鳥居を寄進できなくとも小型のものがそろっている。サイズの割りには結構なお値段だと思うけれど、ケチなことをいってはご利益がないのだろう。
別に奉納しなくたって、ちゃんと使い途はある(後編参照)。
自撮り棒 (3月25日 伏見稲荷)
どこへ行ってもみかけたのがこの自撮り棒である。別にみなさんナルシシストだというわけでもあるまいが、恥ずかしくてぼくにはようできまへんなあ。
(後編へつづく)
Comments
>恥ずかしくてぼくにはようできまへんなあ。
全く同感ですね。
時々操作を間違えて、内側のカメラにしてしまって画面に映った自分の顔を見てびっくりすることがしばしば・・・
あの内側カメラのついていないスマホがあれば売れると思うんですがねえ・・・
Posted by: 三友亭主人 | April 06, 2017 05:51
>三友亭さん
次の文章の誤りを正せ。
> 画面に映った自分の顔を見てびっくりすることがしばしば・・・
びっくり(誤)→うっとり(正)
Posted by: 薄氷堂 | April 06, 2017 08:56