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April 15, 2017

京都足棒日記 仏縁散歩編

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 3月27日。千本北大路でバスを下車。

 この日は今宮神社をめざしたのだが、地図をながめると、近くに佛教大学があるので、敬意を表してキャンパスへおじゃますることにした。

 1994年佛教大学は新聞に全面広告を出した。広告といっても、さもしい宣伝ではなく、

      人間は、
     いつか
     死ぬ。


というコピーだったから驚いた。まさに真理中の真理である。これには不信心者のぼくもすっかり感心し、いつか機会があったら……と思いつづけていたのだ。

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 学生の姿が少なかったのは、まだ新学期前だからであろう。

 警備員さんに怪しまれることもなく(笑)、キャンパスに入ってウロウロしていると、

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法然上人像が目にとまった。そうか、ここは浄土宗の大学なのか。

 浄土宗はわが家の宗旨だから、これもなにかの縁であろう。法然さんの教えは、ひたすら仏教学に励めというのではなく、ただすなおにお念仏を唱えよ、というものだったと思う。たしかに信仰とはそういうものだろう。どんな宗教でも学問的に追究すればするほど、知識は深まる一方で、かえって信仰から遠ざかる恐れもある。

 一切の迷いや疑いを捨て、えらそうな理屈をこねず、思い切って湖にざんぶと身を投ずるのが信仰というものではないか。ぼくはそれができないから不信心者のままジジイになってしまったのである。法然さん、ごめんね。

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 佛教大学をあとにして、予定どおり今宮神社へ向ったのだが、それは別の記事でご紹介することにしたい。今回はめずらしく仏さんつながりの散歩としてまとめよう。

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 今宮神社へ参れば、大徳寺はすぐ近く。すばらしい散歩道でもある大徳寺の境内をブラブラする。

 清水寺や伏見稲荷のように観光客でごった返すことはないし、ここはおすすめの散歩コースのひとつだ。

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 休憩所では無料セルフサービスでお茶をいただくことができる。さすがは一休さんゆかりのお寺である。ありがたいことだ。一休み、一休み。

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 門前で大徳寺納豆をおみやげに買う……つもりはなかったのだが、写真左のお店の前を通りかかると、おばちゃんに声をかけられた。これも仏縁か?

 このおばちゃんが商売上手で、まあ納豆をつまみなさいといって、チリメンジャコといっしょに差し出してくれた。大徳寺納豆とチリメンの組合せは、最強のご飯の友なんだそうである。お茶の接待までしていただいたのに買わないわけにはまいらぬ(笑)。

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 ここまで来た以上、新大宮商店街ははずせない。その昔、たったひとりで夜中にこの商店街を駆け下って大徳寺門前で折り返すという、勝手に名づけて大徳寺マラソンを実行したとは、今のジジイからは想像もつかない驚愕の事実(笑)である。

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 法然さんから途中一休さんをはさんで、お次は親鸞さんへ。といっても仏さんに導かれたというわけではなく、どうしてもここ大谷大学を訪れたかったのである。

 学生時代バスの窓から何度もこの煉瓦建築をみかけ、一度間近に拝見したいと願っていたのだが、やっとその機会が巡ってきた。

 当時は校門から遮るものなく煉瓦の建物が見えたと記憶している。手前のコンクリート構造物はなかったはずだ。

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 期待にたがわぬすばらしい建築である。尋源館というらしい。ぼくの記憶中ではもっと古色のついた建物だったから、たぶん改修工事をしたのだろう。

 煉瓦建築というと、同志社があまりにも有名だけれど、それに一歩もひけを取らぬ堂々たる建物で、一見の価値はある。

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 ドアを開放していたので、内部もちょっとだけ拝見したが、たいへん格調の高いものであった。

 尋源館を見学して、思い残すことがひとつ減ったのはうれしい。なんだかんだとやたら学部を増やして商売にはげむ大学が多い中、文学部のみの単科大学をつらぬく本学の姿勢には好感がもてる。一層のご発展をお祈りしたい。


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 キャンパスを拝見して校門を出ると、脇に喫煙コーナーがあった。おお、これぞ慈悲の心ではないか。

 喫煙者は今や悪人である。おのれの極楽行きを信じて疑わぬ、つまりは救済を必要としない善人たちに指さされ、愚か者よ、うつけよ、と軽蔑されるままに、街中で灰皿を探してはコソコソとタバコを吸う、つまりは自覚性の悪人である。

 例の「善人なほもて……」を思い浮かべつつ、ぼくはありがたく一本のタバコを味わった。やはりこの日は仏縁による散歩だったのだろう。

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Comments

>「善人なほもて……」

この言葉があるおかげで私のようなものでも安心して毎日を送ることができるわけで・・・

ところで、一日に二つの仏教系の大学をふらつかれたのですね。実はその一つ目が我が愚息の母校でありまして…そんなところに薄氷堂さんがいらっしゃったのも、これまた仏縁・・・?

Posted by: 三友亭主人 | April 15, 2017 at 21:25

>三友亭さん

 ぼくの勝手な解釈によれば、善人というのは、悪の自覚が足りない困ったちゃんなのです(笑)。

> 一つ目が我が愚息の母校でありまして…

 おお、そうでしたか。ぼくが佛大を訪れたのは仏縁です、まちがいなく。法然さんのお導きでありましょう。

Posted by: 薄氷堂 | April 15, 2017 at 23:37

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