Daily Oregraph: 京都足棒日記 予告編
弁天ヶ浜の流氷はかなり減っていた。まさかいっぺんに融けたわけではなく、風が変ったのだろう。
-おや、いきなり東寺ですか? 流氷の写真のあとではいささか唐突ですね。
-うむ、やっと一通り写真の整理を終えたから、明日から春の京都特集だ。いわば予告編だな。
-今回は目玉がありますか?
-そうだなあ、まずは稲荷山涙の登頂、次いで旧六条通り踏破というところだろう。あとは諸行無常を噛みしめる特集なんてのもあるな。
-稲荷山って、伏見稲荷でしょう。
-さよう、標高233メートル。
-ハハハ、233メートルなんて地べたに出来た腫物みたいなものじゃありませんか。登頂だなんておおげさな。
-ふん、君はものを知らんから、落語の「愛宕山」に登場する幇間みたいなことをいうのだ。ウソだと思ったら、登ってみたまえ。きっと音を上げるから。
-へえ…… で、六条通りのほうは?
-京都町歩きの醍醐味を知ってもらおうという企画だよ。この調子で歩き回れば、順列組合せの理屈で計算するとわかるように、京の大路小路の散歩コースをほぼ無限に設定できるんだ。バスを併用すれば便利だし、金のかからぬ高尚な趣味といえるな。
-そんな暇人なんていますかねえ。
-いる、いるとも。ここにいる。ぼくは金さえあれば移住してもいいと思っているくらいだ。散々歩き回った挙句、どこかの路地でバッタリ倒れ、鳥部野に一筋の煙を上げるのが理想だな。
-でも問題はお金では?
-君は夢がないねえ、まったく。
-大阪にも行ったとか?
-うん。正味でいうと、歩き回ったのは京都が七日間、大阪はたったの一日だけど、大阪編の内容はなかなか濃いものがあるよ。食い物が安いから、大阪に住むのも悪くない。京都にも近いしね。どっちにしても、交通至便だから車は不要だし、ジジイが暮すにはうってつけだろう。
-で、第一回はなにを?
-それさ。ずいぶん迷ったんだが、京都編、大阪編とも、まずは前菜として雑多な写真を取り上げ、それからメインディッシュの特集に入ることにしたい。
-例によってヘンテコな写真では?
-無礼者め。おれがいつ変な写真を載せたというのだ。
とまあ、ウソかホントかは知らないが、明日からの記事をお楽しみに。
Comments
>例によってヘンテコな写真では?
いやいや、ヘンテコな・・・ってのは、それなりの主義主張とそれを表現できる技能があって初めて可能なもの。わたしなぞ、決して決して・・・
てなことで、ヘンテコな写真ワクワクしながら待っています。
Posted by: 三友亭主人 | April 04, 2017 22:46
>三友亭さん
本人にヘンテコな写真を撮っているという自覚はないのですが、死んだ親爺に「おまえは変な写真を撮るなあ」といわれたことを覚えています。サロン派のアマチュア写真家だった父にほめられたことは一度もありません(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | April 05, 2017 21:00