
昨日(12月6日)桜ヶ岡の炭鉱展示館を見学してきた。ごらんのとおりこじんまりした建物だから、一見あまり期待できそうにないようだが……どうして、どうして、開けてビックリ、相当の資金を投入したにちがいない立派な施設なのである。
係の方が常時受付にいらっしゃるわけではないから、あらかじめ予約しておいたほうがいい。
電話・FAX: 0154-91-5117
開館時間 : 平日・日曜の10:00~16:00
定 休 日 : 毎週水曜日
入 館 料 : 大人 300円・こども 200円
この日は係の方がつきっきりで懇切丁寧な解説をしてくださった(どうもありがとうございます)。
写真撮影の許可をいただいたので、内部をざっとご紹介したい。
入口にでんと置かれた巨大な石炭塊(日本一のサイズだという)を横目に中へ入ると、太平洋炭砿の歴史に関する資料や各種石炭の見本をはじめ、さまざまのものが展示されている。
神社マニア(?)のぼくが目をつけたのはこのコーナー。いまは姿を消した神社の額や行事の記念写真が飾られている。
右上の額は写真では読みにくいが、興津坑神社のものである。関係者の方々の並々ならぬ愛着が感じられた。
さて一通りご説明をうかがってから、いよいよ地階の模擬坑道へ。
あっと驚くこと請合いである。よくもまあ、これほどの施設を作り上げたものだと感心する。
まずは坑内電気機関車。これこそ鉄道マニア垂涎の的であろう(笑)。
これが運転席。Toshiba のマークが見える。
鉄道マニアでなくとも、男ならたいていカッコいいと思うはずだ。これを見物できるだけでも入館する価値はあるけれど、やはり目玉は坑道の掘進機だろう。
間近で見ると大きすぎてわかりにくいから、一階展示室にある模型を見ると、
こちらのほうが理解しやすいと思う。
コンティニュアスマイナー(連続式掘進機とでもいえばいいのか)でガリガリ掘った石炭や岩石を運んで、後方のベルトホッパーとの間を行ったり来たりするのがシャトルカー。
米国製コンティニュアスマイナーの運転席。
ひしゃげた鉄板のような座席にご注目いただきたい。おそらく座り心地は最悪のはずで、実用一点張り。アメリカ人のセンスのよさ(?)には呆れるが、展示されているのはもちろん旧型だから、新型では改善されているのかもしれない(?)。
これがマイナーの先端。いい面構えである。
こちらはシャトルカーの運転席。
鉄板を曲げただけの座席がやはり米国のセンスか? 二つ向かい合っているのは、往復で進行方向が変るからで、男女の見合い用ではない。
さてコンティニュアスマイナーとシャトルカーのコンビも目玉にはちがいないのだが、実はSD採炭切羽方式(自走枠とドラムカッターのコンビ)というのが真打ちで、その現物もここに展示されている。
ここにその写真を掲載しないのにはワケがある。写真を見てもすぐには理屈を飲み込みにくいのだ。図解が必要だろうと思う。展示館で専門家に説明していただくことをおすすめしたい。
-まあ、おじいちゃん、説明していただいたんでしょう? 聞かせてよ。
-それがうまく説明し切れたら、炭鉱の技師が勤まるわい。ではちょっとだけだぞ。
-そうこなくちゃ。
-え~、ここに虎屋の羊羹があるな。それはそれは大きい四角の塊だと思ってほしい。
-?
-それを一箇所だけかじるのではなく、ひとつの面を端から端まで一定の幅ずつ食おうという寸法だ。ある幅だけ食い進んだら、前進してまた一定の幅を食うのさ。つまり点で食わずに面で食う。これを面食いというな。
-なんだか、わかったような、わからないような……
だから展示館へ行くことをおすすめしているのである(笑)。
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