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October 25, 2016

Daily Oregraph: 富士見坂・支庁坂

 本日の記事は当社自慢の(?)特製地図を参照しながらごらんいただきたい。

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 写真は昨日撮影したもので、秋の日はつるべ落とし、ちょっぴり暗くなりかけていたため、色味がよくないところはご勘弁いただきたいと思う。

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 ここが支庁坂のてっぺん。旧釧路支庁の庁舎(現釧路総合振興局)の向い側である。

 この坂を下らずに、まずはとなりの富士見坂へ行ってみよう。

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 富士見坂は堂々の片側二車線、釧路の坂中の王者である。

 まさか駿河の富士山は見えないが、たぶん阿寒富士を望めるところから名づけられたのであろう。ぼくも若かりしころは、自転車をこいでこの坂を上ったものだが、憐れむべし白頭の翁、とっくにそんな元気は失せてしまった。

 写真の左端にご注目いただきたい。そこを曲がれば支庁坂に接続するのである。

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  ほらね。黄色の矢印で示したのが支庁坂である。坂から坂へ自由自在に移動できるようになれば、あなたも釧路の達人……その日を目指して修行に励んでいただきたい。

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 富士見坂を下るとロータリーと幣舞橋が見えてくる。

 ロータリーは旭川市にもあるらしいが、他所からおいでになった方にはちょっと走りにくい場所かもしれない。 

 ロータリーの右手に見えるのは、(現在は移転した)旧日銀釧路支店で、夜間はライトアップされる。ぼくのメインバンクだけど、中に入ったのはたった一度だけである。最近は日銀も権威が失墜したけれど(笑)、この建物は格調が高く立派である。 

 では標識に従って左折し、南大通に向かおう。支庁坂を下から見ようという趣向である。右折したら根室だからまちがえないように。 

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 南大通がそうであるように、支庁坂沿いの建物もいくつか姿を消し、昔とはずいぶん印象が変ってしまった。

 今となっては夢のような話だけれど、昔の南大通は個人商店や飲食店が建ち並び、たいへん賑やかな通りだったのである。北大通が繁栄する一方で、南大通が衰退したことはご存じのとおりだが、いまやその北大通に閑古鳥が鳴いているとは……

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 16時34分。この日の散歩は南大通から相生坂を上っておしまい。あたりは写真で見るよりも薄暗く、町にはちらほら灯りがともりはじめていた。

 ところで、せっかく手間をかけて地図を作ったのに、休み坂を入れるのを忘れてしまった。地図の途切れたあたりから、南大通を少し西へ(地図上では左へ)進めば、休み坂はすぐにみつかるから、まだのお方はぜひ行ってごらんなさい。

 なおすでに何度かご紹介したので今回は割愛したが、出世坂もまた愛すべき坂である。

 あたりまえの観光コースには満足できぬ旅人には、断然釧路の坂めぐりをおすすめしたい。坂の町といえば小樽が有名だけれど、釧路の坂も捨てたものではない。最近あまり耳にしなくなったけれど、坂を上った高台を「山の上」(「山の手」ではない)というのが釧路の伝統であることを申し添えておきたい。

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Comments

北海道のあの辺と言ったら、真っ平らなところばっかりだと思っていたのですが、結構坂道があるんですね・・・っていうか、高低があるんですね。いざ大津波がというときには薄氷堂さんはどこに逃げたらいい名だろうって心配していたんですが、少し安心できました。

Posted by: 三友亭主人 | October 26, 2016 23:02

>三友亭さん

 ご心配くださいましてありがとうございます。

 わが家は「山の上」ですから、まず大丈夫だと思います。ここでダメなら、ノアの箱舟に乗せてもらうしかありませんが、不信心者は断られるでしょうね(笑)。

Posted by: 薄氷堂 | October 27, 2016 09:34

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