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September 08, 2016

Daily Oregraph: サンマ哀歌

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 やっとサンマが安値で店頭に出回るようになった。

 魚の町で生まれ育ち、昔の値打ちを知っているせいか、ぼくにはサンマを見下す(笑)悪いクセがある。決してきらいじゃないんだが、ふん、なんだサンマか、という目で見てしまうものだから、とても一尾数百円も出して買おうなどという気にはなれないのである。いわゆるケチとは思考回路がちと異なるのだ。

 そういえば、中学生の頃、弁当箱を開けるたびにシシャモが顔を出すのには閉口して、ちぇっ、またお前かよ、と不平を漏らしたのは、今となっては贅沢な思い出だ。シシャモなんぞは、どこの家でも箱買いして、軒先に吊して干していたとは、まるでウソのような話である。

 イカなどは自転車の荷台に木箱を積んだ親爺が、早朝に「イカ~、イカ~!」と声張り上げて売りに来たものだ。そいつを買ってイカ刺しを朝飯のおかずにしたんだから、どうだ、豪勢なものだろう。

 大衆魚のひとつだと思っていたメンメもついに高級魚に化けてしまったし、メヌキに至っては、最近とんとお目にかかる機会がない。

 うっかり炉端でメンメを注文しようものなら、それこそメンメ以上に目の玉が飛び出すことになるから、観光客の方にはご注意申し上げておきたい。

 -おじいちゃん、時代は変ったんですよ。

 無礼者め、おじいちゃんとは誰のことだ! という声もすでに弱々しく、ジジイはサンマに添えられた大根卸しを啜るのであった。

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Comments

サンマは一時、高騰したようですね。
デパートで一尾400円で売っていました。
サンマ好きですよ!

Posted by: しょうちゃん | September 09, 2016 at 10:35

>しょうちゃんさん

 サンマの分際で一尾400円というのが許せないのでございます(笑)。

Posted by: 薄氷堂 | September 09, 2016 at 19:36

さんまさんま・・・今年はまだ一回ですかね・・・私がお目にかかったのは。でもね、せっかくのサンマも奈良まで来るとちょいと元気がなくなっているものが多くってね・・・

毎年もう少しすると国もとから元気なやつが送られてくるんですが、それを食べちゃうと奈良のスーパーで見かけるようなさんまには食指が動かなくなってしまうのが常です。

Posted by: 三友亭主人 | September 10, 2016 at 07:32

>三遊亭さん

 贅沢をおっしゃってはいけません。その昔、京都奈良では貴族といえどもサンマの塩焼きを口にすることはできなかったはずですよ(笑)。

 秋刀魚焼く煙あちこち奈良の町  薄氷堂

Posted by: 薄氷堂 | September 10, 2016 at 22:42

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