Daily Oregraph: 書き込みの値打ち
ずいぶん時間はかかったけれど、やっと『国富論』を読み終えた。ほめられるのは根気よく読み通したという一点だけで(笑)、ぼくなんぞに内容についてあれこれえらそうなことをいう資格はない。さすがは古典中の古典、消化するのにこれから一年もかかるごちそうを食べたような気分である。
読みながらページの余白に鉛筆で書き込んだ語義約一千。本を汚したから古本屋に買い叩かれるだろうというのは、素人の浅はかさである(笑)。かつて早稲田を出たじいさんに聞いたところによれば、昔は書き込みがあれば逆に高値がついたらしい。特に試験前には値打ちがあったらしいけれど、その意味、わかりますね。
神田で買ったら数万円は下るまいという(?)この注釈付きの本は、読み終えたらおれに送ってくれという、奇特な友人に進呈するつもりである。なあに、ヤキトリでもおごってくれればいいさ。
Comments
>特に試験前には値打ちがあったらしい
あっ・・・なるほどね。
でも・・・その線を引いた人にもよりますね。
前のその本の持ち主が薄氷堂さんだったらいいけれど、私だったりしたら・・・結果は目も当てられない・・・
Posted by: 三友亭主人 | July 19, 2016 22:46
>三友亭さん
質の問題はありますが(笑)、辞書を引く回数と時間が激減するというだけでも価値は十分にありますよね。
しかし一冊限りの限定版というのは…… 電子テキスト化しておけばよかったと反省しております。
Posted by: 薄氷堂 | July 20, 2016 06:53