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March 29, 2016

Daily Oregraph: 1974年鈍行の旅 (1) 京都~園部

 1974年3月15日の朝、ふだん出不精のくせに、ふと思い立ってぼくは山陰本線普通列車に乗った。きまった目的があったわけではない。

 ちょうど卒業を間近に控えていたから、ノンキな鈍行の旅ができる最後のチャンスだと思ったらしい。「らしい」というのは、彼は昔の彼ならず、今となってはまるで別人なので、心の動きは想像するしかないからである。

 当時ぼくには写真を撮る趣味はなかったけれど、たまたま父から借りていた(たしか)キヤノンデミをぶら下げていたため、貴重なネガフィルムが一本残ることになった。

 今にして思えば、ふだんもっと写真を撮っておけばよかったと悔やまれるけれど、そのころは音楽に夢中だったから、それはしかたのないことだ。

 さて前置きはこれくらいにして、出発進行。たぶん三回の連載になるだろう。

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 山陰本線普通列車。いまではこんな車両はもうないんじゃないかと思う。

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 保津川。

 このカメラ、バカにはできない。なかなかシャープに写っているから、レンズが優秀なのだと思う。

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 保津峡駅。駅名標は見えないけれど、ネット上の画像をあれこれ参照した結果特定できた。

 大きな荷物を背負ったおじさんのゴム長靴にご注目。京都の町中では、ゴム長をはいている人をついぞみかけなかった。ぼくも一度だけ経験があるけれど、雨の日にゴム長をはいて京都の市バスに乗ってごらんなさい。注目度抜群、最初はなぜジロジロ見られるのかわからなかった(笑)。

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 地形の特徴とトンネルの位置から見て、保津峡駅から約 1キロの地点であろう。

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 平野が開けてきた。亀岡盆地だろう。

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 こんな写真が撮れるのも……

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列車の最後尾が開放されていたからである(ぼくが開けたのではない)。

 危険といえばいえないこともないが、いかにもローカル、おおらかでいいと思う。最近はどうなのか……たぶん閉鎖されているんだろうな。

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 園部駅。

 ここで途中下車したのだが、この町について予備知識ゼロだったため行くあてもなく、駅の周辺をうろついただけ。身なりからして観光客には見えやしないし、ただの不審人物であったにちがいない。

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 トリミングして駅のあたりだけ切り取ってみた。

 こういう楽しみ方はいかにもデジタルだけれど、絵は明らかにアナログ風味である。輪郭の微妙なにじみぐあいは、フィルムならではの自然さである。デジカメ写真ではこうはいかない。

 では次の列車に乗るとしようか。次回は園部から福知山までである。

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Comments

白黒も、なかなか味わい深いものですね。
思わず・・・土門拳の写真集かと思いましたよ(笑)。

携帯電話を持ち始めて(というよりはブログを始めて)初めて写真というものに興味を持ち始めた私には写真といえばカラーが当たり前でしたから・・・

でも、考えてみれば私がまだかわいかった頃の写真を見れば全ては白黒・・・

それにしてもそんな時代のネガが良く残っていましたね。

Posted by: 三友亭主人 | March 30, 2016 at 08:35

>三友亭さん

 土門拳といえば写真の鬼、爪の垢を煎じて飲みたいものです。

 1974年頃というと、そろそろカラーが主流になっていたかもしれませんね。わが家では父が缶入りの長尺白黒フィルム(あったんですよ)を買っていましたから、まだ白黒がメインでした。

 このフィルムも父が現像したものです。

Posted by: 薄氷堂 | March 30, 2016 at 19:49

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