Daily Oregraph: 看板東西
いつぞや帯広市内で撮影したマルフクの看板は意外な反響を呼び(笑)、三友亭さんからも掲示板に写真をご提供いただいた。
ほかにないかしらと思って、写真のファイルを見直したのだが、釧路市内ではこの種の看板がほとんど見あたらないのである。たった一枚みつかったのがこれ(2002年3月23日撮影)。
なんとも中途半端かつ意味不明な写真でまことに申し訳ない。なんとなくおわかりいただけるように、この建物は裏通りにあった。みなさまご指摘のとおり、なぜこの種の看板が宣伝効果の薄い裏通りに多いのかは謎である。
虫下しなんて今の若い方はご存じないかもしれないけれど、昔は寄生虫がめずらしくなかったから、ぼくなども服用した口である。薬ぎらいのこどもにも飲みやすいように、板チョコ状の虫下しもあった。まことに below な話ではあるが、ほんとうに虫が下ってお尻から出てくるのである。
さてこちらは最近見たイギリスの Victorian Pharmacy というシリーズから拾ったもの。当時の雰囲気を出すために再現したものだろう。この種の看板になつかしさを感じる気持は東西共通らしい。
このように看板が多ければ、それだけ宣伝効果はあると思う。ココアや磨き粉の看板にまじってマルフクの看板まであるが(笑)、もちろんぼくのイタズラ。
Comments
マクニンとは・・・懐かしいですなあ。
私の妻なんかは「マクリ」の名で記憶しているようです。「N」音と「R」音の調音点の近さからくる音韻の転倒でしょうが・・・
昔は検便やら、お知りにペタッと張るやつ・・・ポキールでしたっけ、やらされましたなあ・・・
Posted by: 三友亭主人 | December 07, 2015 23:14
>三友亭さん
当時はもちろん新薬だったんでしょうけど、右から読んだり旧字を使ったり、あまり新しくは見えませんよね。
ポキールというのは、ぼくの記憶にありませんから、相当昔のものではないかと……(笑)
Posted by: 薄氷堂 | December 08, 2015 09:03
ポキールは蟯虫検査用で、僕もやりましたよ。
蟯虫は寝ている間に肛門のまわりに産卵するんで、朝起きてすぐにペタっとやると、卵が取れるという仕組みです。
検便は回虫用ですね。こいつはウンコの中に卵を生むので、直接取らないと分かりません。
回虫を下すのがマクリです。これは植物の名前で、マクニンはこれをもじったものでしょう。
なお、なぜ僕がこんなに寄生虫に詳しいかというと、目黒寄生虫館の前の学校に勤めていたからです。
Posted by: 中川@やたナビ | December 10, 2015 00:11
>中川@やたナビさん
マクリというのは海藻の一種だそうですね。虫下しの効能ありとは、だれが発見したものやら。
目黒寄生虫館という名は聞いたことがあります。あの手の虫は苦手なんですけど、サナダムシの標本なら見てみたいような気も……
Posted by: 薄氷堂 | December 10, 2015 20:06