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November 30, 2015

Daily Oregraph: 夢のあとに

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 ここは南大通り。

 つまらん景色を見せるな、と叱られそうだが……たしかにつまらない(笑)。ありふれた公園と駐車場だけでは、かりに面積を百倍したって、とても金閣寺や清水寺にはかなわないだろう。

 しかし2006年3月21日に同じ場所を撮影した写真を見ると、

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ほらね、一味ちがうでしょう。

 風格のある建物がひとつあるだけで、町はこんなにもちがって見えるという好例だろう。この建物、知人の路地に残っている廃屋によく似た様式で、屋根のかたちはそっくり同じ。いかにも北海道らしい建築だと思う。

 画面の左に見える公園は、なんと「啄木ゆめ公園」というのだが、この建物とともに、その「ゆめ」なるものまで失ってしまったようである。

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November 28, 2015

Daily Oregraph: 散歩フルコース

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 相も変わらぬ定期散歩航路だが、せっかくの天気だから、本日はフルコースをご堪能(?)いただきたい。地元民推奨の観光コースとして売り出そうというつもりだが、あまりにも渋好みだから、中国人観光客にはちっとも受けないだろう(笑)。

 まずは浜へ向かう坂を下る。昨日の午後から日が射したこともあり、日向ではかなり雪が融けてきたけれど、日陰では雪や氷がそっくり残っている。ジジイは転ばぬよう注意して歩かねばならない。

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 ここもすっかり定点撮影地点と化したが、まあ、この空の晴れぐあいをごらんなさい。このあたりは日当り抜群だから、斜面の雪はほとんど消えてしまった。

 赤色灯がともっているところをみると、今日は石炭列車が運行しているのだろうか。以前は散歩中によく列車をみかけたものだが、今年は目にしていない。タイミングの合わぬせいもあるのだろうが、運行回数も減っているにちがいない。

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 定点撮影。風はさほど強くないけれど、少しウネリがある。

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 めずらしく浜を歩いている方を発見。このあと流れ昆布を拾っていたから、近くの漁師さんかもしれない。

 人物と比較すればわかるとおり、釧路のカモメのでかいことにもご注目あれ。

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 知人の路地では、ひさしぶりに眠り猫をみかけた。コタツで丸くならず外出しているとは意外であった。

 いつもは無視されるのだが、今日はバッチリ目を開いてこっちを注目している。猫の気分はまるでわからない。

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 ここしばらくは「横綱印わた」の廃屋を過ぎてすぐ右へ曲がり、坂を登って厳島神社脇を通過していたのだが、本日は手を抜かずに路地をまっすぐ通り抜ける。

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 路地を抜けてふり返ったところ。景色は昔と変らないけれど、右手に見える知人町案内図はかなり色あせたようだ。

 画面右方向へ進めば南埠頭だが、そちらには行かず、米町公園の崖下沿いに歩くのがぼくの定期散歩コースである。

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 やがて旧東栄小学校前の坂道を登れば、真砂湯跡である。取り壊してからずいぶんたつが、浴室部分はそっくり残っている。ローマの遺跡のごときものか。

 画面左に見える通りにはラーメンの「まるひら」があるけれど、もう十年以上暖簾をくぐっていない。たまに食べたいとは思うのだが、車で行くには近すぎるし、徒歩では面倒という微妙な距離のせいだろう。

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 いよいよ定期コースも終りに近づき、旧東栄小学校敷地でスベリ止メ砂箱をパチリ。なかなか味のある砂ステーションの木箱は、石炭を入れればそのまま昔の炭小屋として通用する作りである。

 釧路市内のあちこちに見られる黄色い砂箱は、帯広のそれとはちがって、地べたに直接置かれている。これは積雪量の相違によるものであろう。

 日陰に残る雪のせいでひどく歩きにくく、本日の散歩にはいつもより6~7分ほど多く時間を要した。雪さえなければ三十数分、距離もさほどではないし、昼前に出て帰りがけにラーメンを食うのも悪くない。

 三十分程度では物足りぬとおっしゃる方には、知人から南埠頭・港町へ回るコースをおすすめしたい。ボランティアでガイドをお引き受けするので(笑)、おひまな方はぜひ。

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November 27, 2015

Daily Oregraph: 雨に打たれて

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 夜のうちはペチャペチャと雨の音が聞こえていたので安心していたら、いつの間にか雪が積もっていた。しかも朝から雪がふたたび雨に変って、今も降りつづいている。

 積雪といってもほんの数センチなのだが、雨を含んでズシリと重い。雨の中を朝っぱらから雪かきとは、われながらご苦労なことである。

  雨に打たれて
  雪かく親爺
  酔ひもさめぬに
  ぬれねずみ

とは色気もなにもあったものではなく、実に情けない。

 今日こそは……昼間から熱燗を一杯やってもバチは当たるまい。

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November 25, 2015

Daily Oregraph: 裏庭画報 雪見

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 一夜明けて晴天。ちょっと裏庭をのぞいてみた。

 枝に残った雪が綿帽子のようでおもしろい。背景に見える板塀はいかにも無粋だけれど、どうしても写りこんでしまうのが狭い土地の悲しさである。この塀は数度にわたる強風にも耐えてくれたものの、相当傷んでいるから、来年は補強が必要だろう。

 手直しを要するのは板塀だけではなく、ここまで上り下りする階段も一部崩れかかってきたし、物置の戸もレールが腐ってとうとう外れてしまった。主人同様、あちこちボロボロになってしまったらしい。

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 バラの実はこんなぐあい。青みがかった部分も色づいてきた。

 今朝の朝刊市内版によると、昨日は車のスリップ事故が多発し、カー用品店には冬タイヤに交換する人々が押しかけたとのこと。ぼくはたいてい11月上旬までには交換しているけれど、例年まとまった雪が降るのは12月に入ってからだから、みなさん油断があったのだろう。

 さて雪とくれば雪見酒だが、いくらなんでも朝からは飲みませぬ(笑)。

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November 24, 2015

Daily Oregraph: 雪の朝

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 この冬初めて雪が積もった。写真は出世坂。

 去年のブログを確認すると初めての雪かきは12月17日だったし、一昨年は12月13日に雪の写真を掲載しているから、例年よりもずいぶん早いようだ。

 幸い大雪にはならなかったけれど、こういう日には外出したくない。労働者諸君には申し訳ないが、昼間から熱燗を飲むにかぎる。

 しかし用事があったのでやむをえず出かけたら、寒いのなんの、たちまち震え上がってしまった。昨日の好天がウソのようである。

 帰宅後熱燗を一杯やったわけではなく(笑)、ほかに記事にするほどの出来事があったというわけではないけれど、今年もまた記録のために雪の写真を掲載しておく。

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November 23, 2015

Daily Oregraph: ちょっとだけ沼尻

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 今朝は湖畔をちょっとそれて、沼尻のあたりを歩いてみた。

 写真中央の水路は春採湖から流れ出る春採川である。正面に見える小さな鉄橋をご記憶いただきたい。

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 これは2005年11月19日に撮影した写真だが、踏切の手前に鉄橋が見える。水路はその真下から左へ(つまり南へ)向かって流れているのである。

 沼尻という地名は湖の端っこというところに由来するのだろう。なお画面左手の家並みの向こうに千代ノ浦漁港がある。

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 鉄橋の次にかかっている橋がこちら。

 春採川のはずなのに沼尻川と表示されている。以前も書いた記憶があるけれど、ぼくはこれがどうも納得できないのである。大河の名称が途中から変る例のあることは承知している。しかしこれほど短い水路でそんなことがあるものだろうか。

 しかも……

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沼尻橋ならともかく、はるとりはし(春採橋)とはなんたること。白か黒かハッキリさせてもらいたいものだ。

 お役所に苦情を申し立てて、妙なクレイマー扱いされては困るから黙っているが(笑)、ますます納得できないのである。

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 橋を渡って千代ノ浦方向へ数歩進めば、そんなつまらぬ不満をケロリと忘れるのも毎度のことである。

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 おや、こちらのお店(2005年11月19日撮影)はいつの間にかご商売をおやめになったらしい。

 この道路は週に何度か車で通っているのに気づかなかったのは、ちょっとショックである。車と徒歩とでは観察力がこれほどちがうものだろうか。やはり歩かなくてはいけない。

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 角を曲がって千代ノ浦漁港方向を見る。漁港が整備されてからずいぶん変ったけれど、ここだけは昔の面影がわずかに残っている。

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 おやおや、こんな場所でスピード違反でもあるまい。なんともお気の毒に! と、人様の不幸を横目に、車を停めてある湖畔に戻る。

 カント先生の散歩とは大ちがいで、歩きながら星雲説を思いつくなんてことはない。たとえ通りすがりにリンゴが枝から落下したって、実を拾うことしか考えないだろう。所詮は凡人の散歩、よしなしごとが次々に浮かんでは消えするだけである。

 いつもぼくのつまらぬ散歩におつきあいくださるみなさまには、これこのとおり、深くお詫び申し上げる次第であります。

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November 22, 2015

Daily Oregraph: 春採湖波高し

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 晴天なるも風強し。湖面がざわつき、ときどき白波の立つのが見える。それでも日曜日だからであろうか、湖畔を散歩する人は多かった。

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 早足で運動するのが目的なので、写真はほんのわずかしか撮らない。第一枯枝や枯草が相手では、いくらぼくがワビサビ趣味だってレンズを向けようという気にはなれないものだ。

 たまには句碑なんぞはいかが。季語の制約もあるから、北海道で句作するのは大変だろうとお察しする。ブラキストン線以北では、無理をせずに、季語の適用時期をずらしてはどうかと思うのだが、話をどこへもっていけばいいのかわからない(笑)。

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 先日もご紹介したフッキソウの群落を、ちょっと引いて撮ってみた。地味な植物なので人気はないけれど、これほどの大群落だから、ぼくは勝手に天然記念物に指定することにした。

 さて相変らず読書の意欲が湧かず困っている。最近読んだのはポオの短編ふたつと、シェリダン・レ・ファニュの中編ひとつだけ。

 ポオの疲れる文章のあとにレ・ファニュを読むとホッとする。古風な怪奇趣味に独特の味わいがあるし、文章が非常に読みやすいのもありがたい。

 しかし19世紀の文章のほうが理解しやすいとはどういうことか? おれはちょっとおかしいんじゃないか(笑)。

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November 20, 2015

Daily Oregraph: 北埠頭ブルース

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 今朝ひさしぶりに岸壁沿いの道を通り、この景色を見て唖然とした。おいおい、これが北埠頭かよ!

 北埠頭については、古い倉庫群が次々と消えてゆく様子を、これまでも時々お伝えしてきたが、とうとう半分丸坊主になってしまったとは……駅裏もビックリの変りようである。

 ごらんのとおり、こちら側から見ても絵にならないから(笑)、これまでめったに撮影したことがない。たしか別の方向から撮ったものがあるはずなので、ファイルを探してみると、

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出来の悪い写真が出てきた。2001年12月11日撮影のものである。

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 こちらが本日撮影したもの。アングルはちょっとちがうけれど、左端に見える冷凍倉庫(これは比較的最近のもの)を除いて、古い倉庫は大部分消滅してしまったことがわかる。

 更地をどう利用するのか、まだ残っている倉庫はいつ取り壊されるのか……北埠頭はさらに変りそうな予感がする。

 北埠頭だけではない。中央埠頭の倉庫群は将来どうなるのか、もはやほとんど商船の荷役には利用されなくなった東港はどう生き残るのか、それを見届けるにはとても寿命が足りない(笑)。

 そんなことを考えているうちに体が冷えてきたので、寒々とした気持で車に戻ったのであった。

 今日は午後からは日が射しはじめて少し暖かくなったけれど、それでも最高気温は6.1度。明日は雪か雨の予報である。いよいよ冬か。

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November 19, 2015

Daily Oregraph: 釧路駅裏を歩く (4) 最終回

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 シリーズ最終回では、地図上薄緑色に塗った部分をご紹介したい。地図とはいってもあくまでも略図にすぎないから、微妙なズレはあるかもしれないが、路地歩きファンの方が歩く分にはまず問題なかろうと思う。

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 まずは道道53号線沿いに、略図の地区を西から東へ向かってざっと見ておこう。

 なお特に断りのない写真は、11月16日または18日に撮影されたものである。

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 ホルモン焼百萬里。

 このお店には数十年前に何度かおじゃました記憶がある。当時と外観も変っていないし、昭和風味をたっぷり味わえること請合いである。たしか七輪で肉を焼くはず。

 また入ってみたいものだが、一人ではなあ。適当な(物好きな)お相手がみつかったら再訪することにしよう。

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 夜になればこのとおり(2001年5月2日撮影)。ほら、あなたも暖簾をくぐってみたくなるでしょう(笑)。

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 ではビジネスホテル・グリーンの通りへ行ってみよう。

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 ホテルの前から駅方向をみたところ。略図ではラーメン店の白蓮を目印にしていただきたい。真っ正面に鉄北ショッピングセンターの入口が見える。

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 ホテル・グリーンの通りを反対側から見たところ(2008年2月17日撮影)。2008年当時、ホテル・グリーンはその名のとおり緑色であった。

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 こちらが現在。ちょっとわかりにくいけれど、途中に短い路地というか小路がある。ちょっとのぞいてみようか。

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 こちら側から撮影するのは初めて。あまり絵にならないからである。反対側から見ると、

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こんな具合だが、

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15年前はこうだった(2000年7月20日撮影)。当然老朽化してはいるが、意外と変化していないように見える。

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 お次は「炉ばた 樹氷」の路地の向い側、略図では「ユー&ミー」のある路地方向を見る。

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 これは2006年4月29日に、どじょうの「南部屋」前から撮影したもの。ではもう少しユー&ミーへ近づいてみよう。

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 こちらは2000年7月20日撮影。ずいぶん感じがちがって見えるのは、手前の木が伐られたせいだろう。

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 これが現在。お店の数が減っている。

 通りの向こうにちらと見えるのは、略図にも記した釧路ハロンズ(競馬の場外発売所)である。こうして見ていくと、次第にこの地区を立体的に理解していただけるのではないかと思う。

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 路地を抜けるあたりからふり返ってみたところ(2006年4月29日撮影)。

 さて一通り駅裏を歩いてみたわけだが、まことに悲しいことに、年ごとにさびれてきていることを実感せざるをえない。場所によっては荒廃の空気さえ漂っている。

 かつて太陽であった鉄道の駅は、車社会と化した地方ではすでにその輝きを失い、周辺の再開発といってもことは簡単ではないだろう。五年後、十年後の駅裏がどうなっているか、体の動くうちは歩いて確かめたいと思っている。

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November 18, 2015

Daily Oregraph: 釧路駅裏を歩く (3) 再調査ご報告

 今日は当初の予定を変更して、前回までの記事の内容を一部訂正させていただくことにした(ただしまちがいはまちがいとして、記事はそのまま残しておく)。

 まずは今朝再調査した結果作成した略図の改訂版をごらんいただきたい。

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 注:現在閉鎖されている旧地下道出入口はホーム間移動用地下連絡通路のものであったらしい。第2回の記事にも注記しておいたが念のためここでも訂正しておく。(2015年11月19日追記) 

 -おいおい、なんだよ。鉄北センターは南北の路地が二筋って書いていたけど、ひとつは鉄北ショッピングセンターじゃないか。認知症のはじまりだぜ、まったく。

 -いや、どうも面目ない。いつも漫然と歩いているから、こういうみっともないことになるんだなあ。

 -しかしどうしてまちがいに気づいたんだい?

 さてそこだが、第2回に「鉄北ショッピングセンターという名称にはどこか記憶をくすぐるものがある」と書いたとおり、どうも引っかかるものがあった。もちろん例の古い建物は別だけれど、その名には比較的最近お目にかかったように感じたのである。

 そこで一杯やりながら古い写真をチェックしていくと、

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 あっ、鉄北ショッピングセンターの看板があるではないか! (2006年4月29日撮影)

 これでは認知症を疑われてもしかたがない。しかしどうして16日の散歩ではこの看板を見落としたものだろうか? そこで矢も盾もたまらなくなって、今朝再調査に乗り出した次第である。

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 まずはこれをごらんいただきたい。右側に鉄北センターの看板は見えるが……

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 リカー・ショップふじくらの右隣にあった鉄北ショッピングセンターの看板は、いつの間にか取り外されていたのだ。困ったことをしてくれたものであるが、これで認知症の疑いは晴れた(笑)。

 さて煩雑を避けるため地図には一ヶ所しか示していないけれど、鉄北ショッピングセンターと鉄北センターを東西に連絡する路地は合計3本存在する。

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 16日に鉄北センターに入ったぼくは、最初の連絡路からフラフラと鉄北ショッピングセンター(写真では奥の方向)へと向かった。これが錯覚の原因となり、混乱が生じたわけである。(この写真は16日に撮影)

 では両者の位置関係をはっきりさせるために、鉄北ショッピングセンター入口から入りなおしてみよう。つまり北側から釧路駅方向へ進むわけだ。

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 入ってすぐ。ショッピングセンターというからには、かつて食料品店や雑貨屋なども入居していたにちがいない。

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 中間付近。この写真にかぎらず、16日に撮影したものと重なる点はご容赦いただきたいと思う。なにしろ決定版をめざしているものだから(笑)。
 
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 おなじみのテレホンクラブが見える。正面奥の出口をくぐれば、例の風格ある壁が待っているはずだけれど、立ち入るのは遠慮しておこう。

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 テレホンクラブの手前にある東西連絡路。奥に見える看板が鉄北センター西口である。鉄北センター「スナックまゆみ」の看板をご記憶いただきたい。

 この連絡路を通る前に、

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鉄北ショッピングセンター入口(北)方向をふり返って見る。

 いよいよ連絡路を通って、

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鉄北センター北口方向を見る。南側(駅方向)に「炉ばた 十六夜」があることは、16日の記事でご紹介したとおりである。

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 ここでいったん大通りに出て、このふしぎな路地がいったいどういう構造になっているのか把握してみたい。

 ふじくらの裏手につづく(東側)側面はごらんのとおり。駅へ向かってずっとつづいているのが鉄北ショッピングセンター各店舗の裏口である(この写真は16日に撮影)。

 地図上で空地とした部分は東横インの第2駐車場になっている(この写真を見直すまで、頭の中では空地ととらえていた。人間の記憶の不確かなることかくのごとし)。

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 今朝はこちら側から回ってみた。角を曲がれば例の壁があるはず。

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 JRのパーク・アンド・トレイン駐車場に出る。これでこの一角の構造が明らかになったと思う。各店舗の階上はたぶん住居になっているのだろうが、お住まいになっている方がどれほどいるのかはわからない。

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 念のため、鉄北センターの西側側面もごらんいただこう。

 右手が旅館東荘に当たるけれど、どこまでが東荘に属するのか、またどれほど住人がいらっしゃるのかは不明。謎はまだ残るが、プライバシーに関わる部分だから、これ以上の穿鑿はよしておくことにする。

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 最後に昨日の記事を読む上でご参考にしていただくため、鉄北ショッピングセンターと釧路駅を東側から撮影した写真を掲載しておく。いずれこの景色を拝めなくなるときもくるだろう。

 さてこれで心置きなく最終回へつなぐことができるわけだ。

 -こんな一文にもならんことを確認するために、今日もわざわざ出かけたのか? バカだねえ。

 -おい、認知症の次はバカ呼ばわりかい。ちっとはほめてくれよ。おれは隠れた文化財を発掘しているんだから(笑)。

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November 17, 2015

Daily Oregraph: 釧路駅裏を歩く (2)

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 鉄北センターの西口を出るとすぐに見えるのがこの建物。15年前の写真と比べても、ほとんど変っていない。モンドリアン風味に高所ドアのアクセントが効いており、ぼくの好みである。

 では鉄北センターの裏手(つまり駅側)へ回ってみることにしよう。なぜか今までそちらには足が向かなかったのである。

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 おお、これが東荘か! どうやら鉄北センターの南端はこの旅館と一体化しているらしい。現在も営業しているのかどうかは不明だが、鉄北センター内に「東荘」という標示があるからには、住人はいらっしゃるのだろう。

 この貫禄からして、昭和30年以前から存在していたのではないだろうか。しばらく呆然として見とれてしまった。


 柵のこちら側は、現在JRの特急列車利用者用パーク・アンド・トレイン駐車場として使われているようだ。

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 旅館東荘に隣接する建物がまたすばらしい。鉄北ショッピングセンターという名称にはどこか記憶をくすぐるものがある。

 こちらも住人はいらっしゃるようだ。


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 場所的に考えれば、これらふたつの建物を、たぶんぼくもこどもの頃何度か目にしていたはずなのだが、思い出せないのはあまりにも昔のことだからにちがいない。

 目にしていたはず、という根拠は次の写真である。

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 東荘の向いは、JRの駐車場をはさんですぐ釧路駅のホーム。列車の左隣に見える小屋にご注目いただきたい。これもまたこの日の収穫であった。

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 現在の釧路駅地下道が出来る以前は、こちらが地下道の出入り口だったのである(注参照)。とすれば、ぼくが一度もここを利用しなかったはずはない。また普通列車に乗れば、車窓からも東荘は見えたはずである。

 注:「駅地下連絡通路」の看板が掲示されていたので、うっかりそう思い込んだが、看板を見直してみると、図は現在の駅地下道を示している。つまりここはホーム間を移動するための別の地下連絡通路の出入口であったらしい。(2015年11月19日追記)

 この一角はまさに異空間ともいえ、首根っこをつかまれて昭和中期に引き戻されたような気分になった。もちろんご近所の方ならみなさんご存じなのだろうが、どうして釧路市民たるぼくが、これら貴重な建物を今まで見落としていたものか、まさにうかつであったとしかいいようがない。

 せっかく駅裏まで来たのだから、次回は大通りを渡って、鉄北センターの向い側を少しご紹介することにしたい。

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November 16, 2015

Daily Oregraph: 釧路駅裏を歩く (1)

 今回のスランプは長引いており、なかなか脱却できないけれど、腐っていてもはじまらないので、たまには場所を変えて散歩することにした。

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 旅人のあこがれ(?)釧路駅である。ふだん駅に用事はないから、ほんとうにひさしぶりだ。

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 今日の目的は釧路駅の北口(通称駅裏)なので、すぐに地下道へもぐる。

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 かつては薄気味の悪かった地下道も、いつだったか改修されてごらんのとおり、今ではちょっと洒落た空間である。

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 地下道を抜けたところ。

 本日の散歩に地図を持っていかなかったのは失敗であった。先日せっかく記録の大切さに気づいたばかりだというのに、地図がなかったばかりに、写真を撮った地点のいくつかを特定できぬまま終ったからである。

 次回のためにもと、簡単な略図を作成したのでごらんいただきたい。

 注:「釧路駅裏を歩く (3)」で誤りを訂正し、地図もより詳しいものにしたので、併せてお読みいただければ幸いです。

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 この略図からわかるように、上の写真の正面には古道具屋さんがあった。2000年7月20日に撮った写真をお目にかけよう。

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 こんなの売れるのかしらと疑われるような、種々雑多な品物が店先に並ぶおもしろいお店であった。

 釧路駅のホームの一部が見える。

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 パチンコ屋も廃業したし、この古道具屋通りもすっかりさびれてしまった。

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 いったん大通りに出てから向かう先はもちろん鉄北センター。

 ここはすでに何度か記事にしたけれど、駅裏に来たからには無視できない路地である。昔の駅裏周辺の面影をわずかにとどめる場所の代表といったら、やはりここであろう。

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 駅裏もずいぶん変った。昔は見るからに怪しげな飲み屋が軒を連ねていたのだが、いつの間にか姿を消してしまった。昼間だから確認はできないが、鉄北センターの飲食店もかなり減ったのではないだろうか。

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 おお、まだ看板があるぞ。古くからある店ではないが、もうかなり以前からつづいているから、ちょいと驚いた。テレフォンじゃなくてテレホンというところに味がある。

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 鉄北センターは南北方向二筋の路地からなるが、途中に東西を結ぶ連絡路があるので、ちょっと通ってみよう。

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 ここで紅葉見物とはオツなものである。

 画面右上に「東荘」という文字が見えることに、ぼくは今まで気づかなかった。実はこれこそ本日の散歩のハイライト、意外な発見があったので次回にお目にかけたい(引っぱって明日へつなげる作戦)。

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 飲み屋街は本来夜歩くべきものだ。それは百も承知しているのだが、最近は暗くなってから駅裏をうろつく気力が湧かないのである。

 そこで2001年5月2日、まだ元気のある頃に撮影した夜の写真を掲載しておこう。写真左は鉄北センター、右は大通りをはさんで向い側のブロックにある飲み屋街である。

 鉄北センターには(本日の記事には掲載していないが)まだ「千草」が健在であり、写真右の「ユー&ミー」と「スナック 多聞」も当時と同じ場所(明日お目にかける予定)に残っているので特定できた。

 入れ替わりの激しい飲み屋街は特にそうだが、せっかく写真を撮っても、きちんと記録しておかないと、手がかりがなくなれば場所を特定できなくなる。地図に店名をメモするくらいの周到さがなければ、とても論文は書けないだろう(笑)。

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 鉄北センターの西口から外に出る。次回はいかがあいなりまするや、乞うご期待。

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November 14, 2015

Daily Oregraph: 松葉の道

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 はっきりしない天気だったが、春採湖畔を歩いてきた。眠くなるような景色である。

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 それでもときどき散歩をする人とすれちがう。博物館への坂道では、赤ん坊ではなく犬を抱いた奥様と挨拶を交わした。

 この道は毎年この時期になると、一面おが屑に覆われたようになる。

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 正体は細かい松の落葉である。

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 しかしこの松がエゾマツなのかカラマツなのか、それともトドマツなのか、樹木に疎いぼくにはわからない。

 植物の名は多少わかるようになったけれど、この仲間はたいてい同じように見えるのだ。ものの名がわからないということは歯がゆいものである。

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 満目蕭条たる景色の中、鮮やかな緑を保っているのはフッキソウ(ツゲ科)の群落である。五月にみかける葉の色とさして変りないのには驚くが、これは小なりといえども樹木に分類され、つまり常緑樹。

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 ひさしぶりの植物観察を終えて車に戻る途中、ピーヒョロロと鳴いたのはもちろんトンビである。

 冴えない散歩ではあったが、ついでに野鳥観察もできたから、まあよしとしておこう。来年はもっといい季節に歩かなくちゃなあ。

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November 13, 2015

Daily Oregraph: ソウハチガレイ

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 ソウハチガレイ。一尾税込み97円だから安魚なのだが、これだって漁獲量が激減すれば高級魚と化すのだろう。今のうちに食っておくにかぎる。

 ソウハチ(宗八)が「総髪」の訛りだとは、こちらの記事を読んで初めて知った。ヒレを髪に見立てたものであろうか?

 あらためて気づいたけれど、表と裏では色がまったくちがう。政治家みたいな魚であるが、煮ても焼いても食えぬ連中といっしょにしてはカレイが迷惑するか……

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 ソウハチはたいてい自宅で干してから焼いて食うのだが、本日はこちらを選んだ。安くてありがたいねえ(笑)。

 こんな小さいものを干すわけではなく、唐揚げにするのである。バリバリ音を立てながら食べると案外いける。貧乏グルメ。

 さて毎度平日に買い物をすると、当然のごとく、リタイアしてくたびれた顔のおじさんたちが細君のお供をしている姿をみかける(もちろん他人事じゃない)。

 おじさんたちは手持ちぶさただから、たいていは夢遊病者のように店内をグルグルと回りつづけている。金魚の糞よろしく細君の尻にくっついているおじさんも少なくない。ときどき細君に意見を求められると、ごほうびに何か買ってもらう都合があるから、逆らわずにウンウンとうなずく姿は、飼犬とたいしてちがわない。 

 マイナンバー(実は my じゃなくて your だろう。犬の鑑札みたいなもの)もお上から頂戴したし、一億総奴隷化へまっしぐら。なあに、条件はもう整っている。少なくともスーパーでみかけるおじさんたちに覇気は感じられないからだ。

 もちろんそれは世を忍ぶ仮の姿、実は正義の味方の豪傑であるという人も混じっているかもしれない。ソウハチの唐揚げを食って晩飯をすませ、夜中になると変身して夜空に飛び立ち、マイナンバー利権をむさぼる悪人ばらをこらしめるというスーパーマンだっているかもしれない。

 そういう人に私もなりたいものだが、現実は悲しい。ごほうびに買ってもらったウィスキーを飲んだが最後、夜空に飛び立つどころか、近所をうろつく気力さえ失ってしまうのである。

 -君、しっかりせんか! そんなだらしないことでいいと思っているのか?

 -いえ、いいわけがありませぬ。だからあなたのような超人に期待しているわけでして……

 ああ、ダメだこりゃ。人間低調になりたくはないものである。

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November 11, 2015

Daily Oregraph: 通船に乗る

 今日も天気が悪く、散歩は断念。

 そこで11月9日の記事で触れた通船の旅(?)にみなさまをご招待したい。といっても、撮影したのは2004年6月29日である。

 もう十年以上も前のことだし、登場人物も横顔しか写っていないから、ご迷惑のかかることはないだろう(ただし最後の写真だけはお顔の一部にボカシをかけておいた)。

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 あいにく少し霧がかかっていたけれど、ボートはレーダー完備だから問題はない。しかしかつてはコンパスしか装備されていなかったので、濃霧の中を沖に出たものの、本船にたどり着けず引き返したこともある。

 あとで聞いたら、本船では汽笛やドラをさかんに鳴らしてくれたらしいのだが、文字どおりの五里霧中ではなんの役にも立たなかった。360度視界ゼロというのは本当に怖いもので、コンパスと経験だけを頼りに港へ戻った船長の腕前には感服した覚えがある。

 さて同行のS君はノンキにタバコを吹かして余裕を見せているが、いつだったか大時化のとき、ひどい船酔いで真っ青になり、今にも死にそうな顔をしていたことをぼくは忘れてはいない(笑)。

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 やがて本船に接近する。いつもながら胸のときめく瞬間(?)である。

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 ジャコッブ(縄ばしご。Jacob's ladder の日本語訛り)を登る。まだ揚荷前とはいえ、チップ専用船の乾舷は高いから、ちょっと大変。

 ジャコッブの途中に長い板があるのは振れ止めで、これがなければ全体がねじれ、慣れない人なら体ごとクルリと回転してしまう。経験者が語るのだから本当である(笑)。

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 仕事を終えてボートに戻る。

 ジャコッブは降りるときのほうが怖い。必ず係の方がアシストしてくださる。

 この日は凪だったからいいが、ウネリの高いときには相当の注意を要する。ボートが大きく上下に動揺するので、うっかりタイミングを外すと冷汗をかくはめになるのだ。真冬にはボートのデッキが凍りつくから、さらに危険が増すことになる。

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 無事帰還。どうもありがとう!

 もう何年も通船には乗っていないが、また乗りたいかと聞かれたらどう答えようか? う~む、乗りたくもあり、乗りたくもなし……(笑)

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November 10, 2015

Daily Oregraph: 岩の上から消えたもの

 今日も天気が悪く、散歩に出ようという気にはなれなかった。そこでまたしても古い写真から……

 8月21日の記事(十勝港絵日記 岩を見る)と併せてお読みいただければ幸いである。

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 ほら、やっぱり祠があった!

 今年の8月21日に撮影した写真を見ると、右手の岩の上にはなにもない。しかし記憶によればたしか小さな祠があったはずなので、ハードディスクをチェックしてみたら、やはりあったのだ(写真は2000年6月3日撮影)。

 しかも記憶にはないものもいっしょに写っている。別の角度から撮影したもう一枚の写真を見てみよう。

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 2000年4月18日撮影。

 謎の施設は陸上と電線でつながっている。当時は深く考えなかったけれど、場所的に考えて霧笛にちがいない。

 念のためネット検索してみたところ、まさにそのとおり、正確には十勝港霧信号所である。ついでに岩の名称が烏帽子岩であることもわかった。この霧笛は2010(平成22年)3月19日に廃止となっているから、釧路港の霧笛が廃止になった時期とほぼ同じだ。

 残念ながら烏帽子岩の祠が撤去された理由や時期は不明。たぶん厳島神社の祠と対をなすものだったと思うのだが。

 ちょっと気になっていたことが確認できたのでうれしい。人間の記憶は頼りないものだから、やはりヘボでもいいから(笑)写真は撮っておくべきものである。

 なお写真は二枚ともコダックの200万画素機(DC280J)で撮影したもの。発色に独特の派手さがあり、ユーザーインターフェイスに若干問題はあったけれど、表現力の豊かないいカメラだった。しかし画素数不足はいかんともしがたく、細部を確認しにくいのは残念。最近では携帯電話のおまけカメラでも画素数は十分だから、まことに隔世の感がある。

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November 09, 2015

Daily Oregraph: 古い写真をもう一度

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 1999年2月6日撮影。

 さてこの看板だが、一昨日掲載した知人の廃屋にあったものである(2000年撮影の写真をよく見ていただきたい)。廃屋に営繕業者の看板というおもしろさに惹かれて撮ったのだろう。

 昨夜からこの頃撮影した写真を見直している。当時はやがて姿を消すであろう古い建物に関心があって、膨大な数の写真が残っているけれど、惜しいかな、記録の仕方が不徹底であった。今となっては正確な場所を特定できないものが少なくないのである。

 将来利用することを考慮して記録するのが本筋なのに、むやみにシャッターを切っているだけ。今から整理しようにも情報が不足しているものが多いのだ。もうひとつ、のちに比較することを考えて、あたりの状況を含めて撮影することも大事なポイントだが、その点でも不徹底な写真が多い。

 今さら反省しても撮り直しはできないのだが、遅まきながら気づいただけでも立派(?)と考えて自分を慰めることにしよう。

 せっかくの機会だから、かつて港町にあった建物をふたつお目にかけたい。

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 2000年4月13日に撮影した旧海上保安部庁舎。実に味のある建築だったけれど、同年12月に取り壊されてしまった。文化財としてきちんと保存しておけば観光名所になったものを……

 上の写真は以前にも掲載したものだが、本日撮影したものと比較してごらんいただきたい。

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 現在ここには釧路機船漁業協同組合の建物が立っている。変らないのは雨降りのあとの道路の水はけの悪さだけで、建物の存在感は比べるべくもない。

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 通船の待合所といっても、一般市民になじみはないだろうと思うが、昔はずいぶんお世話になったものである。港内や港外に錨泊する本船まで船員や船客を送り迎えするボートが通船である。

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 こちらが本日撮影したもの。がらんとした空間が残っているだけである。

 通船事業そのものは廃止になったわけではなく、今でも小さなプレバブの待合所があるけれど、歓楽街に出かける船員相手の定期通船は事実上消滅したのではないだろうか。

 しばらくは古い写真をチェックして、新旧比較できるものがあれば、いずれまた取り上げてみたい。

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November 07, 2015

Daily Oregraph: 散歩コース異状なし?

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 いつもの散歩コースから。

 「なんだ、この写真は?」とお思いになるのも無理はない。撮影した本人でさえ、これだけではなにがどうなっているのかわかりかねるからだ。

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 2000年6月25日に同じ場所を撮影したのがこちら。この廃屋は取り壊されたのではなく、今年になってついに自然倒壊したのである。釧路版アッシャー家といったところ。

 崩壊した際に板でふさがれていた玄関が露出したものらしいが、まるで別の家が現れたかのようにも見える。空家が増えつつあるから、今後こういう光景があちこちで見られるのではないかと思う。

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 今日はめずらしく昼前に散歩に出た。薄曇りで光線はほぼフラットだったから、なにを撮ってもノッペリとして見える。

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 定点撮影の場所から見た海はべた凪。まるでどこかの湖のような太平洋を見るのは久しぶりである。

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 -この辺でなにを撮っているんですか?

 いきなり声をかけられてギョッとした。人のいることに気づかなかったのである。見ればカメラを持ったおじさまだったから、いっそう驚いた。珍事とはまさにこのことであろう。

 ぼくがなにもない海にカメラを向けているのを、彼が不思議がったのは当然で、返事に窮したことは申し上げるまでもない。いえ、いつも散歩をしながら写真を撮っているんです、とお答えしたのだが、納得しかねるご様子であった(笑)。

 さておじさまはなにをお撮りになったのだろうか?

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 知人の路地ではシシャモを干していた。これうまいんだけど、今年は不漁らしく、結構なお値段である。まことにうらやましい。

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 先日お目にかけた廃屋を2000年7月23日に撮影したもの。比較のため本日もう一度撮りなおしてみたので、15年という歳月の経過を味わっていただきたい。

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 この建物も自然倒壊は時間の問題だろう。意外に変化していないのが「横綱印わた」の看板。ネットの情報によれば、この会社は1911(明治44)年に創業された札幌の会社で、1998(平成10)年に倒産したという。

 変らないようで変るのが町の景色、変るようで変らないのが人間だなあ……と、いかにも悟ったような気分にひたるご当人も、いずれ自然倒壊することはまちがいない。

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November 06, 2015

Daily Oregraph: 帯広ちょっとだけ散歩

 ごく短時間の散歩を記事に仕立てるのはいささか無理はあるけれど、ネタがないのだからしかたがない。昨日のつづきである。

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  この建物は無国籍風でおもしろい。といっても首をかしげるお方もいらっしゃるだろうが、「人の好みは説明がつかぬ」とことわざにもあるとおり、なぜかこの種の建物とは波長が合うのである。

 赤い傘をさした女性が画面左から右へ向かって歩いてくれれば、絵としては申し分ないけれど、そんな偶然を一日中待っているわけにもいかないから、東の方向、つまり札内川に向かうことにした。

 電柱の影からもわかるとおり、画面右手が東に当たる。

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 札内川沿いの遊歩道。いい道である。

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 このあたりの景色は釧路のそれとは微妙にちがう。うまく説明しかねるが、木々の種類の組合せの相違によるものではないかと思う。

 札内河畔まで下ろうと思ったのだが、予定時間をオーバーしそうだったので断念した。上天気だっただけに残念。いずれ一人で来たときにゆっくり歩きたい。

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 看板が気になったのでパチリ。

 帰宅後調べてみたら、コドモわた株式会社は健在。登鶴酒造は旭川の会社で、昭和61年に廃業したらしい。そのとなりに文字の消えてしまった看板があるけれど、拡大して見ると「マルフク」という文字がうっすら残っている。これはすでに廃業した関西の貸金業者のもの。

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 地図をごらんになるとわかるが、このあたりは町外れに近い。古くから人家が密集していたとは思えないし、マルフクの看板は表通りに面してはいないから、どれほどの宣伝効果があったものやら疑問である。

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 犬も歩けばなんとやら、ふしぎなものをみつけた。

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 なるほどね。時間不足の物足りぬ散歩ではあったが、帯広でしか見られぬものを発見したのは収穫といえよう(笑)。釧路よりもずっと雪深いこの町のすべり止用砂には、薬剤(塩化カルシウム?)が配合されているらしい。

 マンネリを打破するためには旅をするのが一番である。帯広や旭川などは歴史のある町だから、泊まりがけでじっくり歩き回る価値がありそうだ。宿題にしておこう。

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November 05, 2015

Daily Oregraph: お上りさんドーナツを買う

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 幸い天気もよし、気分転換のため、家の者を連れて帯広まで日帰りドライブに出かけた。本日はたべもの編。たまにはミーハーに徹してみようという趣向である。

 トイレタイムに立ち寄った浦幌の道の駅でソフトクリームの看板をみかけ、

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ふだんなら見向きもしないものを食べてみた。ジジイには似合わないけれど、まあ、たまにはいいものだね。

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 つづいて向かったのがここ。豊頃町のお菓子屋さんである。ドーナツで有名だというからやって来たのだが、これまたふだん考えられない行動である。

 カーナビに頼ってたどり着いたのだが、なんと案内されたのはお店の裏手の住宅街であった。カーナビはときどきこういうことがあるから信頼できない。

 表通りに出てやっとお店を探し当てたのだから、ドーナツの味のほうは期待を裏切ってもらっては困る。

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 このお店のメインは洋菓子らしく、ドーナツは独立したケースに並べられていた。壁にはびっしりと色紙が貼られており、なるほど人気のあるお店なのだと納得した。

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 帰宅後包装を開けてみたのがこちら。さきほどひとつ味見してみたら、生地に工夫があるのだろう、期待たがわずうまかった。手頃なおみやげとしてもいいんじゃないかと思う。

 十勝平野は広い。見渡すかぎり、広大な畑また畑。来るたびに感心するのだが、国道を走る運転手に写真は撮れない。いつも脇道に入って景色を撮影したいと思うけれど、結局そのまま突っ走ってしまうのが車の悲しさである。

 これといった目的があって帯広へ行ったわけではないから、大型スーパーに立ち寄って駐車し、付近を散歩してから昼飯を食ってトンボ返りしたにすぎない。昼飯といっても帯広名物の豚丼なら絵にもなろうが,スーパー内の食堂で簡単にすませたのではお話にならない。

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 しかし仕事で車を走らせるのとちがって、秋の十勝をのんびりドライブするのは気分のいいものであった。一概にガソリンのムダとはいい切れないと思う。

 たった40分少々の散歩では、結局ろくな写真は撮れなかったのだが、それだってムダにはできない。なにしろこのところ低調ゆえ、明日はわずかばかりの写真をもとに、むりやり散歩編をでっち上げる予定である。

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November 04, 2015

Daily Oregraph: 定期散歩航路を行く

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 強烈な夕日であった。まぶしくて目がくらむ。

 こうしてほとんど同じ位置から撮影すると、太陽の沈む位置がだんだん変化していることに気づく。マンネリの効用であろうか。

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 定点撮影。風は弱く、気温は低からず、海も穏やかであった。

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 知人の踏切から見た落日。いくらぼくがマナリストだって、たまには変化をつけなくちゃね(笑)。

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 近所のおばさまが昆布を干していた。浜で流れ昆布を拾い集めたのであろう。

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 知人の路地猫の新顔である。そのうちまた登場するだろうから、なにぶんご贔屓にね。

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November 03, 2015

Daily Oregraph: 裏庭画報 ミニ紅葉

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 ヤマモミジの木を伐って以来、裏庭では紅葉気分を味わっていないような気がする。しかしよく見れば真っ赤な葉もあり、これなどはいわばミニ紅葉。どの花のものかはわからないが、たしかツツジの仲間ではなかっただろうか。

 裏庭で植物を撮影する際、土地の狭さとボロボロの板塀には毎度苦労させられる。よほど注意しなければ、土留めの板はもちろん、板塀やら近所の家の屋根などが写りこんでしまうのである。だからうっかり引くに引けないのだ。 

 そこをごまかして、裕福な家の旦那様にみせかけるのもつらいものである(笑)。

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 その裕福な旦那様が食うに困って小松菜を栽培しているというのは公然の秘密である。

 前回撮影してから一週間たっても、この気温ではほとんど成長していなかったから、今朝は一回分だけ収穫した。放っておけばしおれてしまう恐れもあるからだ。

 虫食いの小松菜といえども、新鮮なものはうまい。あと数回は楽しめそうだ。 

 さて昨日は丸一日パソコンいじりをしていた。最新のHDD管理ソフトを購入したので、二台のデスクトップのハードディスクは、どちらもパーティションを適切なサイズに変更し、ノートパソコンはドライブCを分割した(システムとアプリはドライブC、データはドライブDというのがぼくの流儀)。

 それに伴って、すべてのハードディスクの丸ごとバックアップを作成したら、あっという間に夜中になってしまった。かようにバカバカしい作業は書生にでもやらせればいいのだが、零細小松菜農家にそんな気の利いたものがいるわけもなく、ウィスキーを何杯もお代わりしながら、旦那様みずから単純労働にいそしんだというお粗末。 

 灯火親しむの候、ほんとうなら読書に励むべきところなのだが……

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November 01, 2015

Daily Oregraph: ネクタイを締める話

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 こういう場所に来るというので、(たぶん)二年ぶりにネクタイを締めることになった。しかし、はて、ネクタイってどう結ぶんだっけ? あなたにもいずれ思いあたるときが来るかも知れないけれど(笑)、一種形容しがたい不安が頭をよぎった。

 背広を着て出社することはもうなくなったし、時々お呼びのかかる仕事では作業服とツナギを着用するから、冠婚葬祭でもなければネクタイには用がない。まことに気楽で結構な話だけれど、もし結び方を忘れたとしたら認知症のはじまりではないか……そう思ったのである。

 頭の中であれこれイメージを描いてみても、どうしても思い出せない。まずい。これはまずい。アルコールの摂りすぎかもしれない。頭のてっぺんから枯れはじめて死んでいくのではないか。

 しかしなんともバカな心配をしたものである。ネクタイを手にしたら、あとは指が自然に動いて、あら不思議、一瞬のうちに出来上がりとは驚いた。つまり頭で考えるような作業ではなく、体が手順を覚えているのだろう。

 ナムアミダブツ、ナムアミダブツ。すっかりホッとして、昼間からビール、日本酒、ワインをぐいぐいやったという実にお粗末な話である。

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