Daily Oregraph: 松葉の道
はっきりしない天気だったが、春採湖畔を歩いてきた。眠くなるような景色である。
それでもときどき散歩をする人とすれちがう。博物館への坂道では、赤ん坊ではなく犬を抱いた奥様と挨拶を交わした。
この道は毎年この時期になると、一面おが屑に覆われたようになる。
正体は細かい松の落葉である。
しかしこの松がエゾマツなのかカラマツなのか、それともトドマツなのか、樹木に疎いぼくにはわからない。
植物の名は多少わかるようになったけれど、この仲間はたいてい同じように見えるのだ。ものの名がわからないということは歯がゆいものである。
満目蕭条たる景色の中、鮮やかな緑を保っているのはフッキソウ(ツゲ科)の群落である。五月にみかける葉の色とさして変りないのには驚くが、これは小なりといえども樹木に分類され、つまり常緑樹。
ひさしぶりの植物観察を終えて車に戻る途中、ピーヒョロロと鳴いたのはもちろんトンビである。
冴えない散歩ではあったが、ついでに野鳥観察もできたから、まあよしとしておこう。来年はもっといい季節に歩かなくちゃなあ。
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