Daily Oregraph: 夕暮れマナリズム
-マンネリズムというからよくないのだ。万年リズムだと思うだろ。マナー+イズムでマナリズムね。つまり、やり方、流儀、型が決まっていること。
-結局同じことじゃないか。つまらん。
-そうとはかぎらんさ。たとえば芝居だな。役者独特の型というかクセみたいなものが、どうしても現れる。そいつがぴたりと決まっていれば、何度見ても思わず「成駒屋!」と声をかけたくなるだろう。これなどは立派なマナリズムだ。
-芸風というやつかい。しかし毎度声をかけられるほどの腕前ならいいけど……
-そこなんだよな、問題は。マナリズムの道は実にきびしい。
これはマンネリじゃない(笑)、定点撮影である。本日の太平洋は、少し波のある程度であった。
16時38分。よそ見をしているうちに太陽が雲に隠れてしまった。
この太陽などは偉大なるマンネリの代表格で、来る日も来る日も昇っては沈む。よくもまあ飽きもせずに、と思わぬでもないが、ぼくたちの生命がかかっているのだから、飽きられては困る。
-う~む、君もほんとに飽きないねえ。同じ景色ばかり撮っている。マンネリ大賞を進呈しよう。
-メルシー。なにごとも継続は力なりだ。さて日も暮れたことだし、そろそろ一杯やろうか。
-異議なし。しかし毎晩毎晩、お互い飽きないものだなあ。
Comments