Daily Oregraph: スルメイカ
今月はいかにくだらぬ記事であっても毎日掲載したいと念願しているのだが、本日は畑仕事と読書に専念し、一枚も写真を撮らなかった。
そこで、こんなこともあろうかと(笑)、昨日撮影しておいたスルメイカでお茶を濁すことにした。まあ、やかましいことはいわずに、つぶらな瞳をごらんあれ。
イカの刺身はうまいものだが、酒はなにが合うだろうか? これはなかなかの難問である。ウィスキーのたぐいは合いそうにないから、日本酒、ビール、白ワインといったところがすぐに思い浮かぶけれど、どれも個人的にはしっくりこないのだ。
結局単品のイカ刺しは素直にご飯のおかずにして、酒の肴としては一夜干しをさっとあぶったものを食うほうがいいかもしれない。
石炭ストーブ時代には、ルンペンストーブの上でよく一夜干しを焼いたものだ(注参照)。熱が通るにしたがって、身がくるくると反り返るのを見るのは実に楽しかった。アチチチ! といいながら身を裂いてほおばると、じんわりうまみがにじみ出てくる。スルメとはまたちがった淡泊かつ上品な味わいである。
あいにくその当時はまだ汚れを知らぬお坊ちゃまであったから、イカに合う酒を研究するわけにいかなかったことは、今にして思えば残念の至りだ。いや、待てよ、今から研究しても遅くはないか。
ああ、そのためにもルンペンストーブがあればなあ……
注:釧路ではストーブのお世話になるのは冬だけではない。さすがに最近は真夏に焚くことはまずないが、三十数年ほど前までは、石炭を積み出す埠頭の事務所では、一年中ルンペンを真っ赤にして焚いていたものである。職員の方が昼飯のおかずにホッケの開きなんぞをストーブにのせて焼いていたことを記憶している。土地の古老がいうのだからまちがいない(笑)。
Comments
イカはねえ・・・私の大好物で・・・
中でも一番好きなのがスルメいか。安上がりでいいでしょう・・・
・・・でも、けっして経済上の理由から好きというわけではありません。
身の厚さ、弾力、そして肝の味・・・すべてにおいてスルメが好きなんです。
だから剣先とか紋甲とかの高級なイカに手を出す方の気がしれません。
Posted by: 三友亭主人 | August 09, 2015 23:08
>三友亭さん
えっ? ぼくはスルメイカこそ高級品だと思っていたんですけど(笑)。
刺身によし、一夜干しもよし、スルメも珍味と、まさにイカ界の王者ではありませんか。おっと、塩辛も忘れちゃいけませんね。
Posted by: 薄氷堂 | August 10, 2015 20:32