Daily Oregraph: 霧に濡れて
昭和の面影を残す裏通り。霧のおかげで遠くがはっきり見えないから、景色は半世紀前と少しも変らない。ローカル世界遺産である。
海岸に出ると、霧はいっそう濃くなった。濃霧の中では景色がちがって見えるから、マンネリに悩む散歩者にとっては実にありがたい。
左手に見える小屋の存在はもちろん知っているけれど、なにやら文字が書かれていることにはこれまで気づかなかった。
「知人(しりと)桟橋 てこ扱室」とある。「てこ扱室」とはなんのことやら? 小屋のとなりにあるふしぎな鉄製の箱も気になる。銘板の外れた跡があり、正体不明である。
いずれ正体がわかったらご報告しよう。
ついでだからもう少し先へ行ってみようと思ったら、とんでもないところにクモの巣が。ずいぶん無理な張り方をするものだ。危うく引っかかるところであった。霧の粒がなければ見落としていたにちがいない。
行く手をはばまれたので撤退。
これが釧路の霧だ。
この霧の中では外に出ていないだろうと思ったら、意外にも例の眠り猫がいたので、礼儀上挨拶をして霧の中の散歩を切り上げた。
こういう体がベタベタする日はウィスキーにかぎる。
Comments
やっとわかりました「てこ扱室」。
奥にあるポイント(分岐)を手動で切り替えるリレーの小屋です。
ジーゼルの運転手さんに聞きました。
隣の箱は油が入っていました。
私の考えたテコとは関係ありませんでした。(笑)
Posted by: スコップ | August 18, 2015 14:37
>スコップさん
ノサップ岬マラソン完走おめでとうございます。
貴重な情報をお寄せいただきまして、どうもありがとうございます。
いつか小屋のドアが開いたところを見たいものですが、ずっと通っていれば、生きているうちにはきっと……(笑)
Posted by: 薄氷堂 | August 18, 2015 20:32