Daily Oregraph: 会社に投げ込まれる話
先日ご紹介した近所のノイバラを、ひさしぶりに引っぱり出したマニュアルのAi ニッコール50ミリF1.2(ぼくのカメラでは75ミリ相当)で撮ってみた。
ちがい、わかるかな?
これもちがい、わかるかな(笑)。ぼくもえらそうなことをいう資格などなく、ちがいのわからない男なんだけど、たしかにコンパクトデジカメの写りとはちがう。でも重いから嫌いなのだ。
今日は知人の浜にパラソルが立っていたから、ちょっと驚いた。釧路ではまずパラソルをみかけないからだ。等倍にして確認したら六人組。しゃれた人たちである。
さて、あるサイトをのぞいたら、Google の翻訳エンジンが飛躍的に進化したらしい。以前使ったときはメチャクチャな翻訳結果だったけれど、進化したと聞いて興味津々、早速試してみたので、結果をご報告しよう。
なおぼくはこの種の仕掛けをけっしてバカにしているわけではない。そこそこ使えるものなら、多くの人がおおいに助かるのだから、積極的に勧めたいとさえ考えている。
ではどれほど進化したのだろうか?
While enjoying a month of fine weather at the sea-coast, I was thrown into the company of a most fascinating creature, a real goddess, in my eyes, as long as she took no notice of me. (『嵐が丘』より)
海岸で晴天の月を楽しみながら、彼女は私の注意しなかったとして、私は長い間、私の目には、最も魅力的な生き物、本当の女神の会社に投げ込まれました。(翻訳結果)
好天気に恵まれた一ヶ月ほどを海岸で過ごしている間に、僕はたまたま世にも美しい女性と知り合ったのだ。先方がまだこちらを気にもとめなかった間は、その姿はこの世の女神もかくやとばかり映って見えた。(参考:河野一郎訳)
「晴天の月」は、せめて「晴天の一ヶ月」とでもすれば、直訳ではあっても通用するだろうが、これでは天体の月のような感じがする。「楽しみながら」もまずい。
「彼女は私の注意しなかったとして、私は長い間」は「てにをは」もおかしいけれど、"as long as"(~するかぎりは、であるうちは)を完全に取りちがえている。ここはちょっとわかりにくいかもしれないが、この後を読むと事情がわかる。この人はひどく内気で、気になる女性から注目されて話しかけられたりすると、とたんに自分の殻に閉じこもってしまう、という困ったちゃんなのである。
「会社に投げ込まれ」たというのは乱暴千万な話である(笑)。自分から求めたのではなく、たとえば人から紹介されるなどのきっかけがあって「おつきあい」するようになったということ。
残念ながら、これでは使えない。いや、使ってはいけないレベルだろう。学生諸君、使ったらすぐにバレるから、やめましょうね。
Comments
>会社に投げ込まれ
こんな題名をつけるから、薄氷堂さん・・・どっかに就職しなおしちゃったのかな?なんて思ってしまいました。やっぱり分は最後まで付き合わなければなりませんね。
私も時折漢文をグーグル翻訳にほんやくさせたりしてるんですけど・・・これがまた英語をさせる時と比較にならないほど面白い(ひどい?)翻訳をするもんで・・・いつも遊んでいます。
Posted by: 三友亭主人 | July 19, 2015 23:01
>三友亭さん
ぼくの場合は、「馬鹿者、仕事をさぼって、どこをほっつき歩いてたんだ!」と叱られて、会社に投げ込まれるというところですか……
一つの文章の前後にも目配りが必要ですから、機械翻訳にはやはりスーパーコンピュータが必要なんでしょう。
現在のところ、パソコンレベルではしょせんお遊びの域を出ませんね。まあ、遊びとしてはおもしろいかも(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | July 20, 2015 06:44