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June 29, 2015

Daily Oregraph: 一夜の宿

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 おや、テントではないか。マンネリどころか、この場所でテントを目にしたのは初めてである。

 しかも方丈記の先生の移動式簡便住居よりもはるかに小型のテントで、まさに「旅人の一夜の宿を造り」というやつだ。いかなる世捨て人のここに宿るらん、と気になったことは申し上げるまでもない。

 避暑などという生やさしいものではなく、釧路はこのところ寒いくらいだ。しかもこの辺はキタキツネの出没地帯でもある。ガタガタ震えながら眠れぬ夜を過ごしていたら、猿の声ならまだしも、ギャーッというキツネの鳴き声が間近に聞こえて、腰を抜かすかもしれない。ポケット壜のウィスキーでも飲まなければやりきれないだろう。

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 ふしぎな人もいるものよと呆れつつ知人の路地にさしかかると、先日の眠り猫がうずくまっていた。今日は目を開いているけれど、カメラを向けても微動だにせず、あいかわらず超然たる態度であるのには感心した。

 おまえヒマそうだから、伴うべき人もないテントの主を慰めに行ってはどうだ?

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June 26, 2015

Daily Oregraph: 小人閑居

 冴えない天気がつづいている。いつ雨が降り出すかしれないのでここ数日は散歩もしていなかった。

 さすがに気がくさくさするから、今日はほんの二十分ばかり近くを歩いてきた。

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 例の銭湯跡はまだ浴槽部分だけ残っていた。作業が終っていたのでちょっと内部を拝見。昔々ぼくもこの銭湯には何度か入ったことがあるから記録しておきたかったのである。

 今にもカラーンと反響する風呂桶の音が聞こえてきそうだ。昭和の音の幽霊。

 さて英文法書を一通り読み終えたので、次の目標を定めねばならないと思っている。けっしてボケ防止策などというノンキなものではない。かといってぼくが向学心に燃える立派な人間だからというわけでもない(ない、ない、それはない)。

 人間自由時間が増えて毎日ボーッとしていると、たちまちバカになりそうな気がするもので、その恐怖感たるや想像を絶するものがある。

 その恐怖を紛らわせるために朝昼晩ウィスキーを飲みつづければ、必ずやアル中へまっしぐらのコースに転落するだろう。ウソだとお思いなら試してごらんになるといい(笑)。

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June 22, 2015

Daily Oregraph: 風に吹かれて

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 う~む、なかなか東映映画のタイトルロゴ画面(というのか?)みたいにはいかないなあ、などとバカなことを考えながら、今日もいつものコースを歩く。

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 知人の浜にはうっすらと霧がかかっていた。こういう状態を釧路語では「ガスっぽい」などとも形容する。さすが日本のロンドンにふさわしいしゃれた表現である。

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 いくら運動のためとはいえ、いつもひたすら歩くだけでは悲しいものがあるから、今日は浜に降りて朽ちた丸太に腰かけ、しばらくボーッとしていた。

 部屋の中にこもっていると少しむしむしするけれど、浜の風は涼しくて心地よかった。

 「怖いわ」 「ぼくだって」

 我々が利用する列車は結構古いし、線路も古びている。

 原文はかなりくだけているが、この翻訳もそうだ。

 「チョウはひどい近眼だそうだ」 「そのとおりなんだよ」


などと脈絡のない例文が延々とつづく文法書を読んでいるせいか、景色もガスっぽいがぼくの頭も so なんだ。

 しかしそれはしかたのないことで、とても小説を読むようなわけにはいかない。人間ときには辛抱も必要である……と柄にもなく殊勝なことをいってみる(笑)。

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 今日のおまけは札幌名物の「とうまん」。

 さびた頭を使ったら糖分が欠乏するであろうと、先日スコップさんがおみやげにくださったのである。この饅頭を口にするのは何年ぶりだろうか。ほんのり甘くてやさしい味の、なつかしいお菓子。

 どうもごちそうさまでした。

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June 19, 2015

Daily Oregraph: 例によって例のごとし

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 -う~む、こりゃカマボコ写真だね。

 -へえ、どういう意味だい?

 -マンネリズムが板についてきた。

 ほめられたのかけなされたのかよくわからないが(笑)、ほめられたのだと解釈しておこう。人間、多少のずうずうしさは必要である。

 しかしいかにマンネリ散歩といえども、気のつくことがないわけではない。たとえばレールの錆の浮き具合で、石炭列車の運行状況がわかる。ピカピカ光っているときと真っ赤にさびているときとでは、出炭量にかなり差のあることは素人目にも判断がつく。ここ数日レールにかすかな光がよみがえってきたのはなによりである。

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 いつも線路の写真ではいかにも芸がないから、今日は植物観察。

 これ、なんだろうか? セリ科はまちがいないのだが、この仲間はたいへん見分けにくい。たぶんオオハナウドではないかと思うけれど、まちがっていたらどうか遠慮なくご指摘いただきたい。

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 銭湯の建物がどうなったか、気になって夜も寝られぬ読者のために、ちゃんと取材はつづけている。残ったのはほとんど浴槽部分だけになった。待たれよ、次号を。

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 おまけは本日収穫した白カブ。残念ながら肝腎の根っこは半分以上中が傷んでいたけれど、葉っぱといっしょにオリーブ油で炒めたらうまかった。かすかに苦みの感じられるところがまたクセになるのである。

 ダイコンもそうだが、太陽の恵みである葉っぱを捨てるべからず。

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June 15, 2015

Daily Oregraph: 霧中遊行

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 これは昨日撮影したもの。いったん腹をくくるとマンネリも平気になるらしい(?)。

 毎日散歩をつづけても、さっぱり頭脳の働きは活発にならず、ほとんどなにも考えずに歩いている。これでは夢中遊行とあまり変らぬようだ。

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 今日はさほど濃くはないが霧がかかり、うっすらと太陽の見える頼りない景色であった。画面に無理に太陽を入れると露出がむずかしい。実際はもっと明るいのである。

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 キツネはもちろん、犬にも猫にも人にも出会わぬまま知人に到着。霧の中をふわふわ泳いだような散歩であった。

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 青空をお見せするためにカラーに戻そう(そういえば白黒映画にもパートカラーというのがあったっけ)。霧がかかると曇り空のような錯覚に陥るけれど、そうとはかぎらないのである。

 取り壊し中の銭湯の建物は、やっと浴槽部分が見えてきた。跡地はどうなるのか興味があるし、今後も取材をつづける予定である。

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June 12, 2015

Daily Oregraph: 裏庭画報 キツネ侵入

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 裏にキツネらしきものがいるという家人の報を受け、手近にあったデジカメを持って出動(?)すると、隣家の敷地内にいたのはまちがいなくキツネである。

 かなり近くから撮ったのだが、特徴を覚えておくために、あえてトリミングしておいた。いつも臨港鉄道沿いでみかける個体と同一かどうかやや疑問だからである。こいつの尻尾のほうがやや太いような気がするのだ。

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 こちらを見ても逃げようとしないから、足下の砂利を拾って投げつけ、追い払った。もちろんいじめるつもりはなく、わざと外しておいたことは申し上げるまでもない。万一畑に糞尿をまき散らされては大迷惑だから、なつかれては困るのである。

 キツネの話題はもう取り上げないつもりだったけれど、裏庭に侵入されるとなれば話は別である。しばらく注意する必要がありそうだ。

 というわけで、本日はキツネの指名手配写真とあいなった。保健所にでも通報したほうがいいのだろうか?

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June 11, 2015

Daily Oregraph: 裏庭画報 小松菜を摘む

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 一度に食べる分だけの小松菜を摘んだ。初の収穫である。

 ごらんのとおり、虫食いの穴だらけではあるが、洗って食うのだからなんの問題もない。歯ざわりもまことによろしく、ぼくはこのくらいのサイズのものがうまいと思っている。

 -ダメだね。

 -なにがダメなんだい? いいじゃないか。

 -春の野に乙女が若菜を摘む姿にはさわやかな色気があって絵になるけど、六月の畑でジジイが虫食いの小松菜を摘んだってダメさ。第一貧乏くさくて話にならない。

 そういわれちゃ返すことばもないけどさ(笑)、こいつをおひたしにして一杯やるところなんぞは、乙女よりジジイのほうが似合っているんじゃないか。

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June 10, 2015

Daily Oregraph: キツネの孤独

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 6月8日、臨港鉄道。孤独なキタキツネ。え、どこにいるんだって? 近眼の君も老眼のあなたも、心眼、心眼(笑)。

 lone wolf ならカッコいいけれど、ぼくのみかけるキツネはわびしく悲しく哀れな生き物である。

 本来なら稲荷大明神、お供えに油揚をもらえるはずなのに、エキノコックスを媒介する危険性大だから、(無知な観光客を除けば)だれもエサを与えようとはしない。あちこちで飼い犬に吠えられ、ギャーッと鳴きながらコソコソ生きているのである。

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 6月10日、広尾町の牧場。

 そこへいくと、群れた牛はゆったりとして大人の風格がある。人の顔をうかがって逃げていくキツネとは大ちがいで、カメラを向けると、たいていこっちへ寄ってくる。

 「狐」は冬の季語で、草田男の句に

   すつくと狐すつくと狐日に並ぶ

というのがある。並ぶというから夫婦者なのかもしれないが、キツネだって仲間連れだと態度も一変するのだろうか? すっくとした姿をぜひ拝みたいものだ。

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June 07, 2015

Daily Oregraph: キツネと散歩

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 先日キタキツネの鳴き声を聞いたと書いたけれど、本日は一声ではなく三声。人気のない線路脇で耳にするとギョッとするような声である。

 しいてカタカナで表せば、「ウ・ギャーッ!」とでもなるだろうか。キツネはコンコンというのはウソではないか。それとも内地(笑)のキツネはそう鳴くのだろうか?

 声の出所を目で追ってみると……おお、いたいた。あいにくレンズが標準ズームだったから、トリミングして掲載することにした。崖を登ってこちらをうかがっている様子がおわかりいただけるだろう。

 鳴き声はいただけないが、こいつともすっかりなじみになった。散歩の友というところかな。

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 マンネリの道ははてしなくつづく。

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 キツネのお次は知人(しりと=地名)のネコ。こいつは眠っているのか起きているのか判断しにくい、世俗を超越したネコである。吾輩はただの猫である、らしい。

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 跡形もなく消え失せたかと思いきや、銭湯の建物はまだ残っていた。爆薬を仕掛けて一挙に破壊する西洋式とはずいぶんちがう。取材をつづけねばなるまい(笑)。

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Daily Oregraph: 裏庭画報 六月の花

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 野菜の間引きをしたついでに、わが裏庭に咲く六月の花を記録してみた。

 まずはクロユリ。今年はどういうわけか激減して、たったの一輪。絶滅しなければいいのだが。

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 ツツジの仲間にはちがいなさそうだが、名前はわからない。

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 チゴユリはすっかり根付いたらしく、数もまずまず。可憐な花はぼくのお気に入りである。

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 裏庭でもっとも優勢なのがコンロンソウだ。たくましさは雑草なみである。

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 シコタンキンポウゲ。写真ではまるで色が再現されていない。カメラを替えて撮りなおそうかとも思ったが、 仕事の ついでに撮るところに意味があるんだからやめにした。

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 シャクの花も咲きはじめた。これは釧路の夏の花の代表格だろう。

 こうして見ればちょっとした自然公園の趣があるけれど、これぞ写真はウソをつくという好例。実際は雑草だらけのみすぼらしい地面にすぎず、お金持の庭園とは雲泥の差がある。

 しかし貧乏人には貧乏人の楽しみもあるわけで、旦那様の間引いた菜はしっかり味噌汁の実に化けることになっている(笑)。

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June 02, 2015

Daily Oregraph: 裏庭画報 スジグロシロチョウ来訪

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 コンロンソウを吸蜜しているのはスジグロシロチョウ(あるいはエゾスジグロシロチョウ?)のオスだろう。

 君たち遊びに来てくれるのはいいけど、野菜に卵を産みつけないでくれよな。
 
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 サヤエンドウもまずは順調に成長しつつある。雑草も目立ってきたが、とても取りきれないから放置することにきめた。問題は虫だ。去年はずいぶん食い荒らされたのである。

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 これは散歩の途中で撮ったもの。明らかに園芸種だが、毎年線路内に咲いているから、花壇から逃げ出して半ば野生化したものとみえる。

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June 01, 2015

Daily Oregraph: 道はひとすじ

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 六月になった。だからといって散歩のコースを変えるわけではない。むやみに憲法を変えてはいけないのと一緒である。

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 そうはいってもたまには変化が欲しいから、ひさしぶりに知人の浜に降りてみた。予想に反して、今日は無人であった。等比数列は不成立である。

 しばらくボーッとしてから線路に戻ろうとすると、踏切におじさんがひとり立っていた。すれちがってから後ろ姿でも撮ろうと思ったら、なんとおじさんは悠々と立ち小便をしはじめたではないか。

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 そこで知人の路地のネコを撮ることにした。数年前にはずいぶんネコが寄ってきたものだが、最近はさっぱりである。とうとうネコにも嫌われたか。

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 ああ、やっぱり改築ではなく解体工事だったのか。

 ここには立派な啄木の歌碑がある。ちょっと読んでみようか。

  よりそひて
  深夜の雪の中に立つ
  女の右手のあたゝかきかな


 啄木はまるで呼吸をするように自然に歌を詠む人で、やはり一種の天才というべきなのだろうが、こういう歌は生理的にあまり好きになれない。

 よくもまあ臆面もなく……という感じがするのである。深夜女の手をにぎるのは別に悪くはないけどさ(いや、うらやましい(笑))。

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