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April 21, 2015

Daily Oregraph: 水族館のすすめ

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 先日ぼくにしてはめずらしく、水族館なるところへ行ってみたら、意外におもしろかった。

 かわいらしいフウセンウオや、みったくないオオカミウオなどたくさんの魚たちの写真を撮ったけれど、今日見返して一番目を引きつけられたのがこれである。

 名前は失念したが、イソギンチャクの仲間であろう。なんだか H. P. ラヴクラフトの小説に登場する怪物に似ているような気もする。触手の色合いや微妙なカーブといい、生殖器を連想させるエロティックなかたちといい、なぜ、どうしてこんなものが地球上に生息しているのかふしぎでならない。

 イソギンチャクの謎は、宇宙がどうして発生したのかという疑問にも匹敵する謎だと思う。しかしたとえば現に円いものがなぜ四角ではないのか、いくら頭で考えたって結論など出るはずがない。

 なぜ、どうして、という疑問はどこかで打ち切らなければ、はてしのないものだ。だから昔の人々が神なる存在を仮定したのは、精神の安定を得るための窮余の一策というべきで、だれも笑うことはできないだろう。

  In the beginning God created the heaven and the earth.

 天地を創造するくらいだから、イソギンチャクをこしらえるなど朝飯前、これで一件落着……とはいかないのが、ぼくみたいなバチあたりの悲しいところだけれど(笑)、気持はよくわかるのである。

 犬や猫、そして人間など見なれたものを目にして宇宙の起源に思い至るのは、よほどの変人か哲学者くらいのものだろう。しかしイソギンチャクのようにヘンテコな生物を見れば、だれでもにわか哲学者になれるかもしれない。

 書を捨てて、水族館へ行け。

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Comments

ラブクラフトは海の生き物が大嫌いだったと聞いたことがあります。
ラブクラフトのホラーは、神様が人間を造る前に知能を持ったなんかヤバイやつがいたっていうのが恐怖になっているんで、やっぱりイソギンチャクだのタコだのに宇宙を見ていたのかもしれませんね。

Posted by: 中川@やたナビ | April 22, 2015 at 03:50

>中川@やたナビさん

 イソギンチャクのほかにも奇妙な生き物をいくつか見ましたが、慣れ親しんだ犬や猫なんかとは決定的にちがうものを感じました。

> ラブクラフトは海の生き物が大嫌いだった

 海そのものが恐いですよね。ぼくは今でも図鑑などで深海魚のページを見るのがイヤです。どうも原始的な恐怖を感じさせるというか、思い出させるところがありますね。

Posted by: 薄氷堂 | April 22, 2015 at 21:09

子どもが小さいころはよく行ったんですがね・・・大阪の海遊館とか、須磨とか鳥羽とか・・・そうそう、網走の水族館もいったことがありますよ。ゴロゴロと積み重なる様にこっちを向いて口をパクパクしていた「かじか」が妙に印象に問凝っています。
そうそうつい最近は京都に水族館が出来ましたので行って見ました。

Posted by: 三友亭主人 | April 23, 2015 at 06:10

>三友亭さん

 カジカはいわゆるイケメンではないけれど(笑)、なかなか愛嬌がありますよね。

 京都の水族館にもいずれ行ってみたいものです。

Posted by: 薄氷堂 | April 24, 2015 at 08:37

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