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February 28, 2015

Daily Oregraph: さらば二月

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 ハガキを出しにいつもの坂を下りると、晴天下の雪景色はまた格別であった。

 午前中は本格的な雪かき。雪をかくのに本格も変格もあるものか、と思うのは素人の浅はかさである。昨日は一日中雪がちらついていたから下準備の雪かき。今朝はその上にさらに雪が積もり、おまけに除雪車が残した雪の壁を崩して処理せねばならぬから、すなわち本格的というわけだ。

 節々が痛む。足も重い。ハガキをポストに入れて坂を上ると、まるでヒマラヤ登山をしているような気分になった。もちろん読書しようという気力も失せた。

  けふも雪をかきて二月は終りけり

 明日からは輝かしい希望に満ちた三月である。しかし天気予報にはふたたび雪だるまのマークが……

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February 27, 2015

Daily Oregraph: オーブか雪か

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 これは昨夜撮ったものだが、雪ではない。心霊写真の定番オーブである。

 飼料や肥料などの粉塵舞い散る中でストロボを発光させると、こう写るわけ。こんなにたくさんの霊魂が出現してはたまったものではない(笑)。だからこういう環境ではストロボは御法度。

 目には見えない塵でも光に反応するから、夜の廃屋でストロボを光らせて「オーブだ、霊だ」と大はしゃぎすると恥をかくことになる。

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 今どきのデジカメはストロボを発光させなくても、真っ暗でなければちゃんと写る。いわゆる塗り絵にはなるけれど、実用上はまず十分である。

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 一夜明けて、こちらは本物の雪。たっぷり水分を含んだベチャベチャの雪である。

 霊もごめんだが、雪もまっぴらだ。いいかげん勘弁してくれよ。

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February 24, 2015

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 丘の見える港

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 港の見える丘を港から見るのが通人というもの(?)。

 2月23日日没の少しあと。こういう空の色も悪くはないものだ。

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 2月24日午前。丘の斜面に電柱が影を落としているという、なんの変哲もない写真だが、実はこの影、太陽が流れる雲に隠れると(あたりまえの話だが)、ウソのようにふっと消えてしまう。

 現れては消え、消えては現れる影に深遠なる哲理を見る思いがしたのであった(笑)。

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February 22, 2015

Daily Oregraph: ホロカヤントー

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 本日も簡単な絵日記。

 休日だからひとっ風呂浴びようと同行のHさんと晩成温泉にやってきた。入浴前の運動をかねてホロカヤントーまで散歩。

 波の音を聞きながら歩く。いつもながらもの悲しい景色だが、ふだんなら人っ子一人見当たらぬ沼に近づくと、車がずいぶん停まっているのには驚いた。

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 ワカサギ釣りである。気温が高いのに氷は割れないのだろうか。

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 砂浜に立つと、砕ける波の音にまじって、ゴゴゴゴゴ……という大地を揺るがすような海鳴りが聞こえる。その音は恐怖を感じるほどで、ひとりだったらとても長くはいられまいと思った。

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February 21, 2015

Daily Oregraph: 十勝港絵日記 出口あり

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 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。

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 世の中にはホッとする場所というものがある。これもそのひとつ。

 まことに愛想がないけれど、ホテルの部屋の位置のせいか、無線LANの電波が弱く、ロビーでなければインターネット・アクセスができないので、今日は生存証明のみ。

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February 17, 2015

Daily Oregraph: おらが春

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 午前中に確定申告をすませた。爺さん婆さんで税務署は大にぎわいであった。いつものことながら、署員のみなさんは不気味なほど(笑)親切で愛想がいい。

 床下に隠した現金数億、みごとに発覚して大目玉……なんて目に会ってみたいものである。

 日中の気温がプラスだから、雪はどんどん融けて、あちこちに水たまりができている。このまま春を迎えられれば万々歳なのだが、そうはいかない。次の降雪にそなえて捨て場を確保するため、家の回りに山とたまった雪を少しずつ裏庭へ運ぶ作業をつづけている。

 たまるのは雪ばかりなりおらが春、とは情けない。

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February 14, 2015

Daily Oregraph: 雪かき祭当日

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 おやおや、ずいぶん積もったなあ。

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 07時25分雪かき開始。

 車道は車が一台通れるだけ除雪してある。以前に比較すると、最近の除雪は手抜きであって、いかにもおざなりだ。上の写真でいえば、通りの右側は歩道の端からかなりの部分が手つかずのままだ。ぼくはそれが気に入らぬから、家の前の車道もフラットになるまで雪をかくことにしている(だから手間と時間がかかるのだ)。

 歩道を確保するために小型の除雪マシンが通った跡があり、そこを実測してみると、雪の深さは約30センチから40センチ。豪雪地帯のみなさんにとってはこの程度の雪など朝飯前だろうが、当地ではいつもの倍近い量だから、いささかしんどいのである。

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 13時40分雪かき終了。途中何度か休憩したし、昼食をはさんでいるとはいえ、ひどく時間がかかった。

 別に自慢するつもりはないけれど(笑)、二軒分の歩道と車道を含めれば、雪かきの総面積はまず町内で一番だろう。しかし達成感はゼロである。

 お経はもちろん聖書も「一切は空なり」と教えるけれど、同じく一銭にもならぬことであっても、たとえば数学の難題を一問解けばうれしいものだ。しかるに雪かきはただただ空しく、あとには疲労が残るばかりである。

 節々が痛むから、鎮痛剤がわりに今夜はウィスキーをぐいぐいやらねばなるまい。良薬は口に苦しか……つらいなあ。

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February 13, 2015

Daily Oregraph: 雪かき前夜祭

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 18時51分。小降りだが雪である。

 20時20分に窓を開けてみたら、雪は降りつづいている。明朝の雪かきは確定である。

 歳時記ではもう春だけれど、三月や四月にも雪は降る。勝手に決めてもらっては困るではないかとブツブツ文句をいいつつ、歳時記を開いてみると、

   樽さげて酒屋おこさん夜の雪  二柳

 水滸伝には林教頭が酒場で瓢箪いっぱいの酒を買い、そいつを槍にぶら下げて、大雪の中夕暮れの道を歩いて帰る印象的な場面がある。そちらのほうが二柳の句よりずっと絵になると思う。

 第一樽というのが意地きたなくていけない。せいぜい大徳利にしておけよ(笑)。それに林冲は番人としてまぐさ場に着任したばかりだからしかたがないけれど、樽を下げて酒屋へ向かうほどの呑兵衛が夜に酒を切らすとはなにごとか。

 ぼくには二柳先生の不心得を笑う資格は十分ある。いつ大雪になってもいいように、アルコール各種の備えがあるからだ。

 これから雪かきの前夜祭を一人で祝うことにしよう。半ばやけくそである。

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February 10, 2015

Daily Oregraph: 冬の空

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 まだ散歩の時期ではない。一昨日はいつものコースを歩いたのだが、あちこち雪が残っていたりカチカチに凍っていたりで、とてもノンビリした気分にはなれず、ただ疲れるだけであった。

 そこで遠くには行かず、裏の畑に来てみれば、見苦しい雑草はほとんど雪に埋もれ、実に気分がいい。春になれば土の手入れをせねばならぬから、いっそここだけは冬のままでもいいと思わぬでもないが、やはり花々の咲き乱れる景色は恋しいものだ。

 『灯台へ』をやっと読了したが、もういっぺん読み返してみるつもりである。二度目はもっとおもしろく読めそうな気がするのだ。頭の悪い感想文を書くつもりはないが、読み通してみれば、ちょっとしんどいけれどけっして退屈な小説ではないことがわかるだろう。

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 ……とノンキなことを書いていたら、一枚目の写真(10時12分)では日が射していたのに、いきなりバラバラ音がしはじめたので窓を開けてみたら、なんと吹雪(11時27分)ではないか。

 ……と書いたのもつかの間、それから五分後にはけろりと雪は止み、ふたたび日が射しはじめたと思ったら、すぐにまた雪である。

 ははあ、女心と冬の空だな。午後からはきっとまた晴れるだろう。

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February 06, 2015

Daily Oregraph: 気分はモノクロ

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 コンビニでタバコを買ったついでに港町岸壁へ寄ってみた。

 空は灰色だし、景色は単調だし、カラーにする必然性はまるでない。おまけに気分もモノクロだから(?)、カメラを白黒モードにすることにした。

 モノクロームは単色を意味するから、必ずしも白黒とはかぎらないけれど、やはり日本語の「クロ」が影響するせいか、赤、青、黄色の単色というのはふつう思い浮かばないものだ。

 そこで日本語に引きずられついでに、本日は「モノ=物」を白黒で撮ろうという趣向なのだが、われながらまことに単純な男である。

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 -なんだい、これは?

 -見てのとおり、電球だよ。

 -ちぇっ。右側にゴミが写っているけど、センサーが汚れているんじゃないか?

 -さあ、そこだ。おれのようにプロともなると、そいつが飛行中のカモメだとわかるのさ。君はまだ修行が足らん。

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 -え~、これは港町名物の野外ソファの上にあったものだな。

 -ブラシと木槌はわかるが、右側のはなんだい?

 -わからん。漁師さんの道具だろうと思うが、なんだかわからん。わからんところに味があるのだ。

 -口の減らないジジイだな、まったく。

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 -ここからは南新埠頭のガラクタ置き場だ。

 -おい、こいつは心霊写真かい?

 -正体は知っているが、君には教えない。わかってしまえば面白味がなくなってしまうからな。古代文明の遺品のようにも見えるから、切り取って売り込めば、天理参考館で買い上げてくれるかもしれん。

 -まさか!

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 -おい、まさかこれを機械文明の遺品だというんじゃあるまいな。

 -ハハハ、先手を取られたね。まあ、そんなところだ。

 -妙な写真ばかり撮る男だなあ。もうないのか?

 -ない。手袋をはめていたのだが、手がかじかんだから車に退却したのだ。おれには金もなければ根性もないのさ。

 というわけで、市が栄えた。

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February 03, 2015

Daily Oregraph: はや二月

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 いつの間にか二月。空気の入れ換えを兼ねて窓を開け、事務所から撮った一枚が今日の生存証明写真である。

 時刻は16時46分だから日没の9分後。寒々とした景色だが、だんだん日が長くなってきたのはうれしい。

 『灯台へ』はやっと178頁。わかるようなわからぬような気疲れする小説だが、熟読玩味に値する文章だということだけはわかる。「まさか、おまえなんかに」とお疑いの方もいらっしゃるだろうが(笑)、駄文かそうでないかはだれにでも直感的にわかるものだ。

 ふだん安酒ばかり飲んでいる(駄文ばかり書いている?)横丁の親爺がたまに高級な酒を飲んだとしてみよう。「あ、こいつはうめえや!」と驚くのがふつうであろう。それと同じである。

 ただしこの親爺、いくらいい酒を飲ませても「ああ、うめえなあ」というばかりで、どこがどううまいのか、さっぱり伝わらぬところが情けない。

 生れつきおつむがよろしくないうえに、「皮はサクサク、肉汁がジワリ」式のことをいうのは面倒だから、ひたすら「うめえ、うめえ」といいつづけ、たぶん死の間際には「あの酒はうまかったなあ」と言い残すことだろう。

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