Daily Oregraph: はや二月
いつの間にか二月。空気の入れ換えを兼ねて窓を開け、事務所から撮った一枚が今日の生存証明写真である。
時刻は16時46分だから日没の9分後。寒々とした景色だが、だんだん日が長くなってきたのはうれしい。
『灯台へ』はやっと178頁。わかるようなわからぬような気疲れする小説だが、熟読玩味に値する文章だということだけはわかる。「まさか、おまえなんかに」とお疑いの方もいらっしゃるだろうが(笑)、駄文かそうでないかはだれにでも直感的にわかるものだ。
ふだん安酒ばかり飲んでいる(駄文ばかり書いている?)横丁の親爺がたまに高級な酒を飲んだとしてみよう。「あ、こいつはうめえや!」と驚くのがふつうであろう。それと同じである。
ただしこの親爺、いくらいい酒を飲ませても「ああ、うめえなあ」というばかりで、どこがどううまいのか、さっぱり伝わらぬところが情けない。
生れつきおつむがよろしくないうえに、「皮はサクサク、肉汁がジワリ」式のことをいうのは面倒だから、ひたすら「うめえ、うめえ」といいつづけ、たぶん死の間際には「あの酒はうまかったなあ」と言い残すことだろう。
Comments
「あの酒はうまかったなあ」・・・
こんなふうに行って世を去りたいですよね。
「皮はサクサク、肉汁がジワリ」なんてことは、専門家に任せておけばいいんですよ・・・
Posted by: 三友亭主人 | February 04, 2015 23:04
>三友亭さん
> 専門家に任せておけば
いやあ、たまにはいってみたくなるんですけど(笑)、なかなか言葉にならないんですよ。
「うまいものはうまいんだ、文句あるか」の一点張りで押し通そうというんだから、酔っ払いはイヤですね。
Posted by: 薄氷堂 | February 05, 2015 20:56