Daily Oregraph: 気分はモノクロ
コンビニでタバコを買ったついでに港町岸壁へ寄ってみた。
空は灰色だし、景色は単調だし、カラーにする必然性はまるでない。おまけに気分もモノクロだから(?)、カメラを白黒モードにすることにした。
モノクロームは単色を意味するから、必ずしも白黒とはかぎらないけれど、やはり日本語の「クロ」が影響するせいか、赤、青、黄色の単色というのはふつう思い浮かばないものだ。
そこで日本語に引きずられついでに、本日は「モノ=物」を白黒で撮ろうという趣向なのだが、われながらまことに単純な男である。
-なんだい、これは?
-見てのとおり、電球だよ。
-ちぇっ。右側にゴミが写っているけど、センサーが汚れているんじゃないか?
-さあ、そこだ。おれのようにプロともなると、そいつが飛行中のカモメだとわかるのさ。君はまだ修行が足らん。
-え~、これは港町名物の野外ソファの上にあったものだな。
-ブラシと木槌はわかるが、右側のはなんだい?
-わからん。漁師さんの道具だろうと思うが、なんだかわからん。わからんところに味があるのだ。
-口の減らないジジイだな、まったく。
-ここからは南新埠頭のガラクタ置き場だ。
-おい、こいつは心霊写真かい?
-正体は知っているが、君には教えない。わかってしまえば面白味がなくなってしまうからな。古代文明の遺品のようにも見えるから、切り取って売り込めば、天理参考館で買い上げてくれるかもしれん。
-まさか!
-おい、まさかこれを機械文明の遺品だというんじゃあるまいな。
-ハハハ、先手を取られたね。まあ、そんなところだ。
-妙な写真ばかり撮る男だなあ。もうないのか?
-ない。手袋をはめていたのだが、手がかじかんだから車に退却したのだ。おれには金もなければ根性もないのさ。
というわけで、市が栄えた。
Comments
>正体は知っているが、君には教えない。
なんだろうな・・・これ?
そんなかたいことを言わずに教えてくださいよ・・・
私にはどこぞの国の古代文明化、祭儀に用いられた仮面にしか見えませんが・・・
Posted by: 三友亭主人 | February 07, 2015 20:23
>三友亭さん
> 祭儀に用いられた仮面にしか見えません
そう見えますでしょう。ぼくも一瞬ギョッとしましたよ。あるいは四角縁人面鏡といっていいかも(笑)。
答は下記 URL をご参照ください。
http://www.marinesupplies.jp/222_428.html
Posted by: 薄氷堂 | February 07, 2015 21:24