Daily Oregraph: 裏庭画報 ご神木
わが家のご神木といえば、まずこのエゾヤマザクラ。サクラといえば花だから、植物学者でもなければ幹に注目しようとはしないのはけしからんと気がついた。若い娘の髪飾りだけをほめるようなものではないか。
そこで風雪に耐えた肌を鑑賞してみたのだが……これはもはや妖怪の域に達している。いまさらヘチマコロンも役には立つまい。しかしこんな婆さんでもたしかにまだ生きている。
ナナカマドも樹齢数十年、堂々たる貫禄の大木に成長した。白粉の剥げかけた大年増といったところであろうか。
注連縄を回そうとまでは思わないが、こうしてじっくり眺めていると、古代の人々が樹木に神を感じたのはもっともだと思う。年を経た樹木がただボーッと突っ立っているわけはなく、なにか考えているにちがいないと思うのは人間自然の情だろうから、理屈をこねて冷笑するには及ぶまい。
幹を抱きしめればこちらの体内にもエネルギーが注ぎこまれるんじゃないか、とさえ思えてくるけれど、近所の人に正気を疑われては困るから(笑)やめておいた。
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