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January 02, 2015

Daily Oregraph: コンパクトデジカメ週間 (5) OLYMPUS TG-850

Tg850_01
 最終回は OLYMPUS TG-850。TG-820 同様10メートル防水のカメラである。

 ズーム域は 28~140 ミリ相当から 21~105 ミリ相当へと、大きく広角側にシフトした。ぼくは 35~80 ミリあたりを常用し、広角は苦手だけれど、現場の仕事では重宝しそうだ。

Tg850_02 
 撮像素子は 1/2.3型 CMOS で、サイズは変らないが、とうとう 1,600万画素になってしまった。ありがたいアベノミクスのおかげだろうか。

 背面液晶モニタは 3.0型と、これまた同サイズだが、こちらは46万ドットとドット数が半減し、画面もかなり暗めになったから、やや見にくい。

 操作ボタン類はモードダイヤルのおかげでかなり改良され、手間も省けるし誤操作も減るのではないかと期待している。

 データの書き込みが高速になったことも改良点のひとつである。連続して撮影したいときにあまりイライラせずにすむからだ。

 一方改悪されたのはファイル番号の管理である。一日一回だけ SD からファイルを移動するなら問題はないけれど、いったんファイル移動したあと、同じ日にまた撮影すると、ファイル番号がふたたび「日付+0001」からスタートするのはどういうことだろう。

 つまり通しの連番にはならず、同日に同一のファイル番号が出現するのだ。こんな不便な仕様のカメラははじめてである。開発時に別部門の社員に使い勝手をチェックさせればいいと思うのだが、いかがだろうか。

Tg850_03 
 ドット数を減らしたかわりに液晶モニタは可動式になった。

 いわゆる自分撮りにピッタリというのだが、個人的にはおのれの顔なんぞ撮りたくもないから、ちっともありがたくはない。ただしほかに使い途はあるかもしれない。

 このたびは自分撮りせねばならなかったが、カメラで顔が隠れたのは幸いである。額に見えるのはジジイのシワではないぞ(笑)。手ぶれ補正のない一眼レフだから、眉根を寄せて息を止め、気合いを入れてシャッターを切っているところ。

 さてそれでは散歩に出てみよう。今日は幣舞橋の向こうへ行ってみることにした。

150102_01 
 釧路小学校(旧日進小学校)前。道路がところどころカチカチに凍っているから、歩きにくくてしょうがない。

 TG-820 とは少し絵作りがちがうように思う。あっさりめというのか、コクがなくなったというのか、やや平凡な印象を受ける。

150102_02 
 これが広角端 21ミリ。なるほど広範囲が写る。しかし広範囲が写れば必ず景色が広々として見えるわけではないし、余計なものが画面に入り込むことも多いから、ぼくとしては狭い場所で活用することになるだろう。

 21ミリならもっと左右両端がゆがむかと思ったらそうでもない。ソフト的に処理しているのだろうか?

 空の色はいわゆるオリンパスブルー、鮮やかである。しかし全体的にはやはりやや平板であっさりめに見える。

150102_03 
 同じ位置から望遠側一杯にズームしたのがこちら。

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 しょうもない写真で申し訳ないが(笑)、テストなのでご勘弁を。

 強烈な斜め逆光のせいで、液晶モニタがほとんど役に立たず、煙突の円形部分上端とツララの下端が画面に入らなかった。ビューファインダのないコンパクトの泣きどころである。

 極端な光線状態のせいか、オリジナル(左)は明らかに色かぶりを起こしている。記憶色は右に近い。

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 このショーウィンドーのマネキンは、季節による服装の変化を観察するため、以前定点撮影していたことがある。ひさしぶりだね、おねえさん。

 この写真は一見やや淡泊過ぎると思うかもしれないけれど、実はかなり記憶に近い。コントラストをもう少し強めたほうが絵はになるかもしれないが、それだとウソになる。忠実度はこちらが上だろう。どっちを取るか、むずかしいところだ。

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 同じ場面をふた通り撮ってみた。下がアートフィルタの「ラフモノクローム」である。使い方によってはおもしろそうだ。

 上の写真を見ると、やはりちょっぴり平板に見えるところがある。

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 こちらはもう少しコントラストが強めだといいように思う。木製の看板がややのっぺりして見えるのは、画素数を増やしたツケではないだろうか。

 等倍でチェックするとアラ探しだといって非難する人がいるようだけれど、そんなことはない。仕事上の必要からも、アラではなく細部を確認したいという場合は少なくないからだ。第一ちゃんと解像しないのでは、わざわざドット数を増やした意味がないではないか。

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 そこで、等倍(笑)。世間で塗り絵というのはもっともだと思う。ドットの数が増えれば当然より精細になるはずなのに、そうはなっていない。かえって質感が失われ、平板に見えるのはどうしたことだろう。

 もっともブログに載せる程度のサイズでは欠点はそう目立たないから、実用上は間に合うけれど。

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 ざっと試し撮りを終えたので帰途につく。もうカメラの性能なんぞどうでもいい。

 寒空に薄着で笛を吹くこの少女の像を、あなたはご存じだっただろうか?

Tg850_macro 
 TG-820 では、スーパーマクロ・モードにしなければ、事実上マクロは使えなかったが、TG-850 では通常モードでズーム全域 10センチまで寄れる。望遠端でここまで撮れるから、大変実用的になったと思う。

Tg850smacro 
 スーパーマクロだとこのとおり。しかし日常的にここまで寄る必要なんてないし、少なくともぼくが使うことはないだろう。

 ファイル番号を除けば、使い勝手は大いに改善されたが、好みとしては絵にコクのある TG-820 を採りたい。このカメラ、主に仕事用になりそうな気がする。

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