Daily Oregraph: 神の酒
十勝港からの帰り道に拝んだ山々。空気の澄みぐあいは今ひとつだったけれど、それでも美しいものである。神々しいとはこういう景色をいうのであろう。
しかしもしこの山脈に降臨する神がいるとすれば、三輪山の神様とはずいぶんちがうような気がする。清酒をお供えするのはどうもヘンだ。
やはり度の強い蒸留酒であろう。ウィスキーやブランデーよりも、澄んだヴォトカがいいように思う。ごく小さめのグラスについで一気に飲み干す。もう一杯ついでまたキュッと空ける。これを延々と繰り返すのである。
下々の者たちとはちがって、神様は悪酔いしない。いくらでも飲めるのだ。朝から晩まで飲み続けても、泉から湧き出る酒は常に一定量に保たれ、増えもしなければ減りもしない。般若心経中の「不増不減」とは、神の酒のことをいうのである。
-なにをデタラメいってんだよ、この酔っ払い!
-うるせえ、もう一本もってこい。
……てなことを考えながら車を走らせて帰ってきましたとさ。
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Comments
確かにヴォトカですよね・・・最近はあんまり飲んでいないから、その味は忘れたけれども・・・
でも、こんな山々を見ながら温泉に入った後、暖かい部屋の中で熱いのをキュッといくのもおつなような気がして・・・
・・・あっと、神様に供えるお酒に熱燗はちょいとそぐいませんねえ・・・
Posted by: 三友亭主人 | January 22, 2015 07:48
>三友亭さん
ヴォトカはうまいですよ。飲み過ぎると腰が抜けますけど(笑)。
> こんな山々を見ながら温泉に
温泉も結構ですね。でも湯上がりに熱燗を飲もうものなら、コロッと寝てしまいそうな気も……
Posted by: 薄氷堂 | January 23, 2015 07:10