Daily Oregraph: コンパクトデジカメ週間 (4) OLYMPUS TG-820
OLYMPUS TG-820 は防水カメラだから、スイッチを入れてもレンズはせり出さない。スナップを撮るにはおあつらえ向きである。
1/2.3 型 CMOS 有効画素数 1,200万画素。とうとうこのサイズの撮像素子で一千万を突破したわけだが、一眼レフの 600万画素機のほうが解像感はあるのだから、いささか無理があるんじゃないかと思う。
液晶モニタは 3.0 型 103万ドット。屋外でもわりと見やすいモニタである。
このカメラを選んだのは、別に水中写真を撮るためではなく、粉塵の舞う場所で撮影する機会が多いからだ。
例によって、以下の写真は色調を一切いじっていない。
こういう場所でカメラを長時間むき出しにしていると、確実に故障するだろう。レンズカバーの羽根が開閉不能になったり、どうかすると鏡胴がまともに動かなくなるのだ。
だからさっと取り出してシャッターを切ったら、ただちにポケットへ戻さなくてはならないのである。しかし現場ではなかなかそこまで気を使ってはいられない。
そこで防水・防塵、2メートルの高さから落下しても壊れないというこのカメラにしたのだが、特殊な構造だから、正直いって画質にはまるで期待していなかった。
ところがその画質が意外にもなかなか上等だったのである。
これは9月23日に奈良県で撮影したもの。記憶色ということばがあるけれど、まさにそれだ。極端なクセもないし、安定感のある絵作りだと思う。
晴れた日に撮ればきれいなのはあたりまえ、小雨ぱらつく天気にここまで写れば立派といっていいのではないだろうか。この写真は撮ったまま、縮小してアンシャープマスクをかけた以外は、まったく手を加えていない。ちょっとコクのあるところもいい。
しかしこのサイズでも木の葉がベッタリ塗り絵風になっていることがわかる。明らかに小さな撮像素子で1,200万画素というのは無理があると思う。
通常ではズーム全域(28~140ミリ相当)で60センチ、マクロモードに設定しても、広角側で 20センチ、望遠側では 50センチしか寄れない。
マクロモードにしても無限遠は出るから、最初からマクロモードにしておいたほうが面倒はないだろう(そのためか、TG-850 ではマクロモードがなくなり、ズーム全域で10センチまで寄れるように改善された)。
もっともスーパーマクロというモードがあって、焦点距離は固定(約38ミリ相当)だが、3 センチまで寄れる。しかしそれでもこの程度だ(TG-850はスーパーマクロで 1センチまで寄れるようになった)。
背面のボタン類の操作性が今ひとつで誤操作しやすいこと、マクロに弱いことを除けば、まず文句のないカメラだと思う。もちろん一眼レフの写りと比べてはいけないが、京都ではこれ一台でまったく不自由を感じなかったし、後継機であるTG-850 以上の画質だから、これからも当分愛用することになりそうだ。
なお先日ふれた操作ボタン(OKボタン)の不具合は、ぬるま湯を入れた洗面器にカメラを突っ込んでゆすり洗いしたところ、完全とはいえぬまでもかなり改善された。この種のカメラを粉塵の中で使用する場合、たまには水洗いしたほうがいいようだ。
一年の終りを無粋な記事でしめくくることになってしまった。最後の写真が木ネジとは……(笑)。
さてこのマイナーなブログにおつきあいくださったみなさまには厚くお礼申し上げます。どうかよいお年をお迎えください。
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