Kyotorogy 2014: 十三徘徊 (3)
案内人の存在は大変ありがたいけれど、どこをどう歩いているのかわからぬところが情けない。たしか地下鉄なんば駅で下車し、あちこち寄り道しながら歩いたように記憶しているが、今ごろになって地図を見てもコースを復元できないのは残念である。
頼りになるのは写真だけである。千日前中央通りから黒門市場……はまちがいない(笑)。
これは黒門市場だろう。
日本橋の「日」の字が見えるから、このあたりで日本橋にたどり着いたのだと思う。本なんぞ売っ払って町を散歩しろ、という文句は気が利いている。しかし散歩、昼飯、映画はともかく、恋愛はちとむずかしい。
たどり着いたのはいいが、日本橋はすっかり様変わりしていて、昔々のおぼろげなる記憶とはてんで一致しない。唯一覚えがあったのは高島屋別館だけであった。
メイド喫茶のおねえさんも立っているし、まるで別世界に来たような気分になる。
今やパソコン、ケータイ、そしてDVDなどが主力商品らしい。
このあとオーディオ店も
いくつか冷やかしてみたが、ラックスの真空管プリメインアンプが37万円というのにはビックリした。もちろん手頃な値段のアンプもみかけたけれど、どうもオーディオは安物と超高級品に二極分化し、かつてほどの勢いがみられないという印象を受けた。
この建物には記憶がないけれど、40年前にはずいぶんうろつき回ったから、たぶん目にしていたのであろう。この日は散歩が主目的だったし、音楽好きの I君はオーディオ製品以外にはあまり興味がなさそうだったから、中へは入らなかった。
五階建てではないのに五階というのには子細があって、Wikipedia の記事を読んでも、複雑すぎてよく飲み込めない。なんでも五階百貨店というのは「地域名」なのだそうである。ようわかりまへん。
やはりこういう専門店を見ると日本橋という感じがする。しかし 残念ながら、昔見かけたジャンク屋や抵抗・コンデンサ専門のお店などは見つからなかったので、もう少し歩こうかとも思ったが、
通天閣を目にした以上、せっかく大阪まで来たのだから、お上りさんらしく新世界へ向かうことにした。
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Comments
私はなぜか日本橋には縁遠い人間でして・・・
近鉄の日本橋で降りてもそこから難波に向かって歩くだけで駅の界隈を彷徨することもなく30数年がたってしまいました。
それにしても真空管のアンプが37万とはねえ・・・
世の中出来るだけ高精度の品物を求めていたと思うんですが・・
Posted by: 三友亭主人 | November 25, 2014 23:07
こんにちは!
電子部品を買うために日本橋に行きますが、
本当に様変わりしましたね。
ラックスはいまや「ラックスマン」となり、
初級機や中級機を作ることはなく、
ハイエンド指向のブランドとしてやっているようです。
日本橋はもう、電気の機械を売る街ではなく、
漫画とアニメ関連商品とかおもちゃを売る街になっていますね。
Posted by: 只野乙山 | November 26, 2014 09:38
>只野乙山さん
散歩は愉快でしたが、あの変わりようにはビックリしましたよ。
昔はバカでかい電話の交換機の残骸だの、テープデッキのむき出しのメカニズムだの、輸出用のチューナー・アンプだの、ありとあらゆる雑多なものが並んでおり、東京の秋葉原よりずっとおもしろい場所だったんですけど。
乙山さんのように、アンプやスピーカーシステムを自作される方も、いまや少数派になったのでしょうね。
Posted by: 薄氷堂 | November 26, 2014 13:56
>三友亭さん
ぼくも今ではごくふつうのミニコンポで間に合わせていますので、えらそうなことをいう資格はありませんが……
真空管はトランジスタなどより歪率が何桁も大きいのですが、限界に達するまでに余裕があるので、ヒステリーを起こしにくいわけです。ですから同じ出力だと、真空管アンプのほうが一般に実力はあると思います。
実際にはよくできた真空管アンプはけっしてボケた音なんかではないのですが、音が暖かいとか柔らかいという印象を持つ人が多いのはそのためではないでしょうか。
問題は今となっては高くつくこと、予備の真空管が手に入りにくいことでしょうか。
Posted by: 薄氷堂 | November 26, 2014 14:18