Daily Oregraph: 虹のごとく
今日の十勝港は朝から天候が不安定で、雨が止みそうになるとまた激しく降り出し、車の中でボーッと待機していなければならなかった。
やがて……あ、虹だ! しめた、やっと雨が上がったな、というのはぬか喜びで、このあと再び雨雲が広がって激しい雨。希望は虹とともにはかなく消えてしまった。結局午後二時過ぎまで待機、釧路に戻るのは明日の午後になる。
さて久しぶりに広尾町まで車を走らせたら、途中の景色が明日香のそれとはあまりにもちがうことにあらためて驚いた。飛鳥寺のやわらかい鐘の音はやはりあの風景の中でこそ心にしみるのであって、茫漠たる原野にはまるでふさわしくない。
九月に見物した奈良の風景が、なんだか今日の虹のように思えてくる。写真が残っていなければ、夢でも見たんじゃないかと疑いたくなるところだ。
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Comments
>途中の景色が明日香のそれとはあまりにもちがう
ときどきそんな違う景色が見たくなるんですよね。
広い大地でも、海でもいいんですが、向こうまでずうっとスコーンと開けた景色が・・・
Posted by: 三友亭主人 | November 10, 2014 21:27
>三友亭さん
道東の風景にはもちろんそれなりのよさはあるわけですが、奈良とは隔たること千里(?)、まるで日本離れしています。
ですからわが国の古典を実感をもって鑑賞するのは、なかなか難しいことなんですよ。たとえば俳諧の季などは、ブラキストン線を境に少しずらしていただきたい(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | November 11, 2014 20:39