Daily Oregraph: 裏庭画報 チゴユリ
ここ数日天気が悪く、今日も雨がポツリポツリと降っている。小やみになったところで畑を見に行くと、ぼくの好きなチゴユリが開花していた。まだ開いたばかりのようである。
『ピカデリー・ジム』は昨夜読み終えた。恋あり冒険あり笑いあり人情味あり、ハラハラドキドキと楽しく読ませてくれるから、列車の旅などのお供には最適の娯楽小説といっていいだろう。
語ると必ずネタばれになってしまうから、ストーリーについては触れないでおくが、ひとことでいえば「なりすまし」の喜劇で、それもかなりひねりが効いている。英米間の文化摩擦なども滑稽に描かれているし、ショーペンハウエルに読みふける女探偵など、へんてこな脇役の存在もまたおもしろい。ハッピー・エンディングで後味もよく、なるほどウッドハウスは人気があるわけだと納得した。
偶然が都合よく重なりすぎるのは作品の性格上しかたのないところで、文句をつけるのはヤボというものだろう。奇想湧くがごとくとでもいえばいいのか、よくまあこんな途方もない話を考えつくものだと感心するほかない。
アマゾンと楽天で検索してみたが、残念ながら翻訳は出ていないようだ(クリケットを知らないと翻訳できないと思うよ(笑))。しかし原作はインターネットで全文入手可能のはずである。おひまならチャレンジしてみてはいかが?
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Comments
>ぼくの好きなチゴユリが開花していた。
楚々として、実にひそやかですなあ・・・
私もこんな感じがいいですね。
裏庭にはやはりこんな花がふさわしい・・・
我が家の裏庭も・・・考えてみれば、地味な花ばっかりで・・・
シラユキゲシ、ニラ、南天とみんな白いひっそりとした花をつけます。
・・・それと、ここ数年花をつけないアジサイと・・・これも墨田の花火という品種で、白い楚々とした花をつけます。
Posted by: 三友亭主人 | June 10, 2014 07:23
こんにちは!
ウッドハウスは皮肉がきいてますね!
乙山はもっぱら「ジーヴス」シリーズしか読んでませんが、
ひねりのきいたユーモア満載でしたね。
Posted by: 只野乙山 | June 10, 2014 10:20
>三友亭さん
ぼくは大柄で派手な花よりも、こういうのが好きなんですよ。まあ、どっちにしても、あまり花の似合う男じゃありませんけど。
Posted by: 薄氷堂 | June 10, 2014 14:09
>只野乙山さん
ひさびさに小説を読む楽しみを満喫しましたよ。
滑稽だけど品があるし、皮肉だけど人情味もあるし、さすが多くの人に愛されるだけの作家だと思いました。いずれほかの作品も読んでみるつもりです。
Posted by: 薄氷堂 | June 10, 2014 14:26