Daily Oregraph: 旅は道づれ
ひさびさの船上セキュリティ・チェックポイント。本日の担当者はきりっとした顔立ちのいい男である。
持ち場を離れていたから、おい、横に立ってくれないかと注文をつけたのだが、カメラ目線ではなく、あえて横顔を見せるとはあっぱれ。なかなかの役者でもある。
さて『瀬戸内海』をやっと読み終えた。最初の予想以上に内省的な文章であったせいか、この本を読み進めるうちに脳味噌を刺激されたらしく、毎晩いろいろな夢を見るようになった。もう忘れかけていたかつての仕事のことや、昔の友人たちが夢に現れるのである。ある意味では読んで疲れる作品であった。
今日からはイーヴリン・ウォー(Evelyn Waugh, 1903-66)の戦前の旅行記をまとめた When the Going Was Good に取りかかる。うまく日本語にはできないが、辞書に「while the going is good 状況が悪くならないうちに」とあるのは、いわゆる「足元の明るいうちに」に相当し、一字ちがいのこのタイトルはたぶん世界大戦という最悪の事態を迎える前に旅行したことを指すのだと思う。
こちらは旅行先が日本ではないから、ずっと気楽に読めるんじゃないかと思うけれど、さてどうなりますことやら。
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Comments
>while the going is good
英語に疎い私ですから、薄氷堂さんの御説明を聞いて何とかその意味を理解したのですが・・・何ともまあ、今の時代もそのまんま意識し続けなければならない言葉ですね
Posted by: 三友亭主人 | June 28, 2014 23:23
>三友亭さん
ぼくの解釈などはどうせ当てずっぽうですから、あまり信用なさいませぬように。
おっしゃるとおり、きな臭い世の中になりましたね。二万円の天麩羅を食う連中のために貧乏人が鉄砲かついで無駄死に……なんてことにならぬよう、用心しなくては。
Posted by: 薄氷堂 | June 29, 2014 21:39