Daily Oregraph: 港の空気
本日の船上セキュリティ・チェックポイント。ひさびさに港の風に当たったが、実に爽快である。昔覚えた文句をもじっていえば、港の空気は人を自由にする。ああ、それは港じゃなくて「都市」だろう、と見抜いたお方は年が知れる(笑)。
さて自由の身になったはいいけれど、次はなにをしようか考えあぐねている。ぼーっとして日なたぼっこというのも悪くはないが、そこはぼくも日本人のはしくれ、とても耐えられそうにない。
若い頃なら塩せんべいをかじりながら手当たり次第に本を読んでいるところだが、目が弱くなったせいもあって根気がつづかない。三友亭さんに万葉集の講義をしていただければさぞ愉快だろうが、奈良は遠い。
モスクワへ行って、きれいなおねえさんにロシア語を習うのもおもしろいだろう。『嵐が丘』の舞台を実地で見物するのも一興だ。しかしパスポートの申請からはじめるのは面倒でしかたがない。しかも旅費がつきて異国でホームレスになる恐れもある。
やはり家で酒をくらっているのが一番安全というつまらない結論に達したのだが、はて酒を飲みながらなにをしたらいいのだろうか? ああ、青春の悩みはつきない。
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Comments
同僚が自慢げに
この夏はニューヨークに行って、
ブロードウェイを満喫するのだと言われ、
慌ててパスポートを探し、
自分もどこか行きたい衝動が
押し寄せてきています。
もっとも、体格的に、
エコノミークラス症候群の危険があるので、
アジアから出られませんが。
Posted by: 根岸冬生 | May 08, 2014 16:39
>三友亭さんに万葉集の講義をしていただければさぞ愉快だろうが
そんなことが私にできるかどうかは疑問なのですが、酒の開いてぐらいは充分につとまるかと・・・
私も行くたびか訪れた北海道なのに、釧路周辺は未踏の地で・・・行きたいんですが、やはり「あまりに遠し」で・・・
Posted by: 三友亭主人 | May 09, 2014 05:57
こんにちは!
『嵐が丘』の注釈終了、おめでとうございます!
しばらくは酒を飲んでゆったり、でいいではありませんか。
それができぬのが日本人、というのはありますね。
Posted by: 只野乙山 | May 09, 2014 10:44
>根岸冬生さん
ブロードウェイと嵐が丘は、まさに両極端の世界ですが、どちらも魅力的ですね。
外国旅行をしたい気持はあるんですけど、なにもかもが面倒。おまけに長時間の飛行機がねえ……
Posted by: 薄氷堂 | May 09, 2014 20:02
>三友亭さん
じゃあ、こうしましょう。三友亭老師には酒のお相手をお願いして、万葉集のほうはお弟子のおねえさまに……(あくまでも動機が不純?)
未踏の地にはいつかぜひおいでください。ご案内しますよ。
Posted by: 薄氷堂 | May 09, 2014 20:04
>只野乙山さん
どうもありがとうございます。
とりあえずは気楽なところで『水滸伝』を読みはじめました。これ、おもしろいですよね。
ちょっと充電してから、ふたたび19世紀の世界にもどろうかと思っています。
Posted by: 薄氷堂 | May 09, 2014 20:06