Daily Oregraph: 港町の春
港町岸壁にも春が来た。むき出しのソファに鉄の大釜……あいかわらずシュールな景色である。
背景にヒースの荒野が広がっていれば、魔女が三人ソファに座り、大釜にヤモリの目玉だのトカゲの足だのをほうり込んで、世にも恐ろしい闇鍋をグツグツ煮ていてもおかしくはない。
魔女一: わしら三人、こんどはいつ会おう? 雷とどろくとき、それとも雨の中?
魔女二: 畑の土を起こしたとき、小松菜の種をまいたとき。
魔女三: そんなら五月の連休前だろう。
魔女一: して、場所は?
魔女二: 有楽町で。
魔女三: 会いましょう。
なあんだ、女子会の相談をしていたのか。春だなあ。
やはり日射しがちがう。鉄の塊にも、冬にはなかったぬくもりが感じられるからだ。
カモものんびり浮かんでいる。消費税アップも、放射能垂れ流しも、ウルトラ右翼政権の暴走も、この連中には関係がないからだろうが、このおだやかな表情を見よ。
憂き世のことをあれこれ考えればめでたさも中くらいだけれど、やはり春はうれしいものだ。少しは浮かれてもバチはあたるまい。
ぼくも女子会(ウソくさくて、いやなことばだ)にまじりたいけれど……相手が魔女の婆ではなあ(笑)。
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Comments
>ぼくも女子会(ウソくさくて、いやなことばだ)
私もこの言葉は「?」ですね。
だいたい「女子」なんて言葉は女子中学生や女子高生・・・せいぜい女子大生ぐらいまでを指している言葉で・・・それ以降の女性に対して使い様な言葉じゃないと思うんですけど・・・
なんて書いていたら、大学を出て4半世紀過ぎた嫁さんが、「今度の日曜のお昼、友達とランチに行っていい?女子かいなの・・・」なんて言ったりして・・・
Posted by: 三友亭主人 | April 24, 2014 20:57
>三友亭さん
おばさまが箪笥の奥から昔の振袖を引っぱり出して、ニヤニヤしている。まさか着やしまいと思ったら……あれれ、ほんとに着ちゃったよ。あんた、こまどり姉妹?
まあ、そんな感じだね。
……そういったのは隣の親爺であります。断じてぼくではありません(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | April 25, 2014 06:23