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March 13, 2014

Daily Oregraph: 雪は掘るもの

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 昨日の日没直前に船のホールドの底から見上げた空は晴れていたのに、

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今朝はごらんのとおり。せっかく消えかかった雪が道路に戻ってしまった。

 予報ではこの雪は明朝まで降りつづくらしい。雪かき? どうもいやな予感がするなあ。

 さて英和辞典で 'snow' を調べても、「雪をかく」という例文が見あたらぬのはどうしたことだろう。大学の英語の先生は雪かきを弟子にさせるのだろうか? もっとも和英辞典にはちゃんと載っており、'shovel, remove, clear' などという動詞が登場する。

 ちょっと気になったので、雪の場面が多い『嵐が丘』の全文を検索してみたけれど、「雪をかく」という表現は見あたらない。イギリス人だって雪をかくだろうに奇妙な話だと思いながら、'drift' (雪の吹きだまり)で検索してみたところ、

 'a spade or shovel to dig through the drifts' (吹きだまりを掘り抜ける鋤かスコップ)

というのがみつかった。鋤というのは妙だとお思いかもしれないが、『北越雪譜』にも木鋤(こすき)というのが出てくるから納得できる。同書にはまた、

 初雪の積りたるをそのまゝにおけば,再び下(ふ)る雪を添へて一丈にあまる事もあれば、一度降れば一度掃(はら)ふ 雪浅ければのちふるをまつ 是を里言(さとことば)に雪堀(ゆきほり)といふ。土を掘(ほる)がごとくするゆゑに斯(かく)いふ也。

とあるから、まさに dig (掘る)である。ヨークシャーは越後なみの豪雪地帯らしく、雪はかくのではなく掘るものなのだろう。鈴木牧之にいわせれば、釧路でいう「雪かき」は「雪掃ひ」程度のものにすぎないようだ。

 もちろん掘りたくはないけどさ(笑)。

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Comments

北陸の国々の雪の深さと言ったら尋常ではありませんからね。「掘る」というのが実感だったのでしょうし、現に今もそうあるんでしょうね。
大和は如何にと見てみれば、万葉集巻17の3922番の歌の題詞に「供奉掃雪 」とありますから、やはり掃くものだったようです。

Posted by: 三友亭主人 | March 14, 2014 at 07:36

>三友亭さん

 掃いてすむ程度ならいいんですけど、大和でも山深い里ではきっと雪かきをしたことでしょう。

 しかし空しい作業だから、だれも歌に詠まなかったのではないかと……(笑)

Posted by: 薄氷堂 | March 14, 2014 at 11:50

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